web記事:クラフトビールは生き残れるか

前回の記事のコメント欄で、食品業界の成長市場例として「クラフトビール」と書いたのですが、あとで気になって色々調べていました。その中で、ダイヤモンドwebの記事がとても面白かったので紹介します。

クラフトビールは生き残れるか
http://diamond.jp/category/s-craft_beer

  • ビールは装置産業。一般市場で戦うには2,000KL/年の生産量が求められる。銀河高原ビールだと赤字、ギネス(4,000KL)だと十分利益が出るレベル。
  • よなよなビールのヤッホーブルーイングが急成長中。星野リゾートの星野さんが「日本に新たなビール文化を築く」という野望をもとに立ち上げた会社。
  • 日本では金額ベース1%未満のクラフトビール市場だが世界では存在感が広がる。アメリカでは本数ベースで約12%、金額ベースで約21%まで成長中
  • アメリカは日本の「プレミアムビール」の市場にクラフトビールが入った。日本はここがクラフトビールとの戦場になる。

ヤッホーブルーイングが上場する予定は無いようですが、クラフトビールはなかなか興味深い市場ですね。それにしても、とてもわかりやすい記事に感心しました。

『web記事:クラフトビールは生き残れるか』へのコメント

  1. 名前:かぷちーの 投稿日:2016/11/20(日) 15:17:42 ID:d0ce23862 返信

    すぽさん、こんにちは。
    クラフトビールは2014年頃にWBSで特集されているのを見て、最近人気があるんだなぁと思ってました。ビールは苦手でしたが、当時気になったので「よなよなエール」を買って飲んでみたところ、確かに飲みやすかったです。(調子に乗って「インドの青鬼」も飲んでみたら、苦くて悶絶しそうになりました。笑)
    日本のクラフトビールのシェア率が0.5%というニッチな点から考えても、今後5年は成長著しい市場だと思います。
    ただビール市場全体を見ると、クラフトビールの市場がずっと成長し続ける市場なのか?という疑問もあります。
    個人的に疑問に思う点を以下に挙げてみました。
    ①クラフトビールは、なぜメイン顧客ではない20-30代の若者に人気が出ているのか?その人気は今後も続くのか?
    ②ヤッホーと大手は資本提携をしているが、大手には大きなシェアの主力商品(一番搾りとかスーパードライ)があるので、クラフトやプレミアムビールを前面に推し出すことはなく、結局クラフトビールはニッチ市場に留まるのではないか?
    ③居酒屋文化の衰退で、ビール市場自体が今後大きく衰退していくのでは?(現在メイン顧客の40-50代が居酒屋に行かなくなると、急激にビール市場が冷え込む可能性がありそう)
    ④酒税法の問題。クラフトビールが売れてくれば税率が重くなる可能性があり、値上げにより成長にブレーキがかからないか?
    ※これは考えすぎかもしれません(笑)

  2. 名前:すぽ 投稿日:2016/11/20(日) 16:27:00 ID:589fc6ab0 返信

    かぷちーのさん、ありがとうございます。
    この話は投資案件というよりも思考の勉強ぐらいに捉えていますので、そんな感じでお付き合いいただければと思います。
    クラフトビールの今の状況をブームと捉えると3つのストーリーが考えられますね。
    ①ブームの終焉:今以下の市場規模に
    ②ニッチ市場形成:今ぐらい(1%程度)の市場規模で定着
    ③成長市場:ビール市場の10%程度を取る
    私も今のままで③にたどり着くは思えません。特に4大ビール会社との戦いはなかなか大変だと思います。
    そんな中でも私がクラフトビールを成長市場の例として書いたのは「日本のビール市場は多様性がほとんどなく退屈」だと見ているからです。
    世界を見るとベルギービールに代表される工夫を凝らしたクラフトビールの市場が広がっています。世界でも有数の食文化を誇る(舌の肥えた)日本で、いつまでも今のままでいるようにはとても思えないのです。
    世代的に言うとバブル世代より上の人たちはビールが好きですが、ドライ・ラガー・一番搾りあたりから好みを変えるように思えません。やはり20代、30代の感性がクラフトビール市場を牽引するように思います。(一方でこの世代はあまりお酒が好きでは無いのがマイナスではありますが・・)
    続く

  3. 名前:すぽ 投稿日:2016/11/20(日) 16:27:49 ID:589fc6ab0 返信

    続き
    かぷちーのさんが仰るようにヤッホー社だけでは潰される可能性もありますね。あと何社かクラフトビールを牽引する企業が必要です。
    チャネルはコンビニがありますので本当に人気がある商品なら4大ビール会社をかわしながらの市場拡大することはできます。
    あと、細かいですがクラフトビールは缶よりビンの方がいいですね。缶はどうしても大量生産の雰囲気が抜けません。多様なビール文化のイメージにはそぐわないと思います。
    投資視点で考えると
    ・今のままだと4大ビール会社につぶされる可能性がある
    ・市場拡大には、多くのクラフトビール会社の参入が欠かせない。市場は広がるが儲からない業界になる可能性がある
    という感じで、私の主力とするクラウド市場なんか比べると面白味は少なくなりそうですね。
    税制はアルコール度数や麦の比率だけで決めているようなので、狙い撃ちされるようなことは無いと思いますね。

  4. 名前:かぷちーの 投稿日:2016/11/20(日) 22:30:31 ID:d0ce23862 返信

    すぽさん、回答ありがとうございます。
    しばらくの間、私は「②ニッチ市場形成」あたりに落ち着くのではと思ってます。
    おっしゃる通り、多様性が無く退屈と思われていたビール業界に、やっと新しい芽が出てきたのがクラフトビールです。自社商品が20-30代の囲い込みが弱いことを大手4社は認識しているので、まずはその芽を大きくしたいと思ってそうです。また自社商品とあまり競合していない企業を、いきなり潰しにかかったりもしないと思います。
    となると現状ヤッホー社にとっては1-2%くらいのニッチ市場に留まって、大手4社と共存していくことが一番無難なところかと思います。
    ただ、参入企業が増えてクラフトビール市場が活性化してくると、別のストーリー(上記③)が発生するのでは?・・・という仮説は、すぽさんと同様に今後そうならないかを私も楽しみにしています。
    なお余談ですが、大手4社では「麦芽も、カロリーも、プリン体も、アルコールも限りなく少なくした商品」を積極的に販売してきたので、安くて健康には良いけどあまり美味しくない商品ばかりが増えすぎたのではないでしょうか。
    最近、クラフトやプレミアムのような「味わいのある高価格帯のビール」が売れているのは、今まで安い売れ筋商品ばかりを追いすぎて味を追求してこなかった反動だからなのかな?と考えています。

  5. 名前:すぽ 投稿日:2016/11/21(月) 00:02:23 ID:589fc6ab0 返信

    かぷちーのさん、ありがとうございます。
    ③になるといいですねー。
    大手4社は「クラフトビール市場は私たちがつくる」と思っているのでは無いかと思います。でも無理でしょうし、そこが市場拡大の最大の壁だろうと思っています。
    仰るように薄い・安いの反動という面もあると思いますが、クラフトビールはもう少し世界観を持った商品というか、作り手のこだわりを纏った商品だと思っています。ベルギービールなどは味だけではなくビンの形もバラエティがありますし、飲むグラスまで専用のものがあります。
    こういう商品が日本でもたくさん生まれることを期待しています。