企業分析:3921ネオジャパン(3.5)

みーやんさん

大変お待たせしました。それでは3921ネオジャパンです。よろしくお願いします。

■結論
典型的なストック型かつクラウドシフトが進む安定企業。成長面ではグループウェア市場の飽和が近づいており、Sクラス(20%成長)ではなくAクラス(5%成長)と見るのが無難。評価は3.5。


■基礎情報

GMOクリック証券の分析を使います。

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・その他IR資料など
新規上場時決算書
・グループウェア比較記事

■ポイント

Step1:業績の確認
・2015年11月に上場。売上成長は+10%程度。営業利益率は上昇傾向で2016は約17%まで向上。
→理由は?
・B/Sはキャッシュが溢れている

Step2:事業の確認、ビジネスモデルは?

・中小企業向けグループウェアでサイボウズと双璧をなす。全体ではNo.4に位置する。
・ビジネスモデルは典型的なストック型

Step3:株価の確認

予想PER21.6

■みーやんさんへの質問
5年後の売上・利益のイメージはどれぐらいですか
②最近の営業利益率向上の理由をどう考えますか

③その他、聞きたいことがあればどうぞ

『企業分析:3921ネオジャパン(3.5)』へのコメント

  1. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/15(火) 13:40:57 ID:326f894f0 返信

    議論よろしくお願いします。まず、前提としてネオジャパンへの投資は、私の中で未消化な部分が多く、最終的にはおこないませんでした。今回その点を議論で解消できたらと思います。
    ①売り上げ、利益のイメージは、数年先は売り上げ10%、利益率15%成長で推移していくと思いますが長期的には自信がありません。この点は私の未消化な部分です。
    まず、ネオジャパンの主な主戦場は、価格面から中小企業がメインになってくると思うので、日本国内の競合は実質サイボウズのみと考えてもよいと思っています。外資の大手ベンダーは価格や製品の質面で、異なる製品と考えておりあまり気にしていません。
    記載いただいたグループウェアの比較記事にもある通り、国内のグールプウエアのシステムはすべて拮抗している状態で横並びです。現状ネオジャパンは「価格」を武器に、先駆者のサイボウズとたたかっているように思えます。
    私の中の未消化な部分は、この「価格」を強みにしていることは長期的に企業の強みに成りえないのではないかという点です。サイボウズがネオジャパンに近い金額へ下げてくるような競争も無くはないかなと。

  2. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/15(火) 13:42:05 ID:326f894f0 返信

    ②直近の利益率の向上は、主力サービスのdesknet’sクラウドの売上が好調に推移してるからでしょうか。総売上高に占める割合が半分を超えてます。プロダクトからクラウドへの切り替えが進んでいることが起因しているからですかね。グループウェアのクラウド市場全体が成長しているのは強いと思います。

  3. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/15(火) 13:46:37 ID:326f894f0 返信

    ③すぽさんにお聞きしたいのは、「価格競争」についてです。ネオジャパンのような二番煎じ企業の場合、価格が一番の武器です。一方競争を招くことを考えると、長期的な成長には相性が悪くないかなあとも思えるのです。ネオジャパンのケースはどうでしょうか?
    グループウェアという商品特徴上、なかなか解約しにくいという点もあり、判断しにくかったです。また、PERもすごく安いわけではないので手が出ませんでした。

  4. 名前:すぽ 投稿日:2016/11/16(水) 00:14:16 ID:589fc6ab0 返信

    みーやんさん、ありがとうございます。
    この企業でまず一番気になるのは今後の成長余地です。
    グループウェアは企業にとって既に当たり前のツールとなりつつあります。2014年の情報ですが大企業で85%、中小企業でも5割導入しています。
    http://www.keyman.or.jp/at/30006944/
    現在はクラウドによる成長(オンプレミスからのシフト、サーバレスを希望する新規顧客)がありますが、そろそろ飽和するのではという印象です。また私はサイボウズもOffice365も社内で使用経験がありますが、Office365もなかなか優秀です。Office365 Bussiness Premiumは月1360円で、desknet’sより1000円高いですがOfficeが全て使えますのでコスト面で戦えます。
    ネオジャパンにとっては、今後5年は成長というよりも成長鈍化との戦いとなりそうです。
    ②の利益率についてはクラウド型による効率向上もあリますが、直接的には減価償却で上下に振れているようなので注意が必要です。また競合のサイボウズがkintoneというWebアプリに大きく投資しているのに対して、ネオジャパンの投資は現状維持型ですのでここも懸念点です。
    ③のコスト戦略についてですが、ストック型なのでサイボウズは価格を下げる戦略は取りづらいと思います(ストックの全てが価格下落になる)。ただ、Office365は既にコスト面でトントンなので、何かのきっかけにもう一段階価格を下げにくると厳しくなる可能性があります。
    ビジネスモデルが優秀なので赤字とは無縁でしょうが、成熟期の問題にそろそろ直面しそうというのが全体的な印象です。
    いかがでしょうか。

  5. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/16(水) 13:36:03 ID:a082ba7a6 返信

    確かに数字で見ていくと、市場が成熟しはじめていますね。今後新規開拓していくには、価格で対抗していくには少し厳しいマーケットかもしれません。
    サイボウズとoffice365の情報ありがとうございます。必ずしもdesknet’sが価格面で強いわけでもない気がしてきました。
    また、私の会社ではGoogle Appsを使用していますが、現状に大きな不満もないですし、多少の価格面で変えられると今まで溜め込んだデータが使えなくなり総務に怒鳴り込むかもしれません。
    切り替えが難しい以上、新規顧客が重要となりますし、この点も現在の市場では苦しいでしょうか。

  6. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/16(水) 13:43:23 ID:a082ba7a6 返信

    減価償却が多い点も気になっていました。ビジネスの特徴上常に投資やアップデートが必要な業態なんでしょうね。
    また、次の彼らの売り物がチャットシステムというのも何だか微妙な気がします。
    とはいえ、現状のビジネスだと成長株としての評価は懸念点が多いですが、企業としては危なさは感じないんですよね。製品のラインアップ次第でまだまだ頑張れる余地あるなあと思ってます。

  7. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/16(水) 13:51:17 ID:a082ba7a6 返信

    後、1点追加で質問です。
    企業の成長限界についてはどの時点で感じ始めますか?業態にもよると思いますが、例えば今回のネオジャパンのケースだと、成長限界が感じる一方で、「中小企業の5割にはまだ導入されてないじゃん」とも考える人はいると思うんです。
    つまり、普及率のカーブはどこらへんで緩やかになるのかなあ、ということです。

  8. 名前:ssbrain 投稿日:2016/11/17(木) 02:19:06 ID:26eca4012 返信

    この分野は興味があるので議論に加わらせて下さい。
    このようなグループウェアは前職でdesknet’s、現職ではoffice365を使っております。
    比較するとdesknet’sは操作性やレスポンスに優れており、全体的に作り込みが甘いoffice365を使っている今はストレスを感じております。
    しかしながら、MSのブランド力やコスト面の優位性は大きいと思っており、中小企業の市場においてもライバルになりうるのではないでしょうか。
    また、中小企業の市場ですが、中小企業の約5割弱は従業員20~5名以下の零細企業になりこの辺りの企業は有料のソフトウェア等使わず、googleカレンダーやLINE等の無料のアプリが本当のライバルのような気がします。
    http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/h28_pdf_mokujityuuGaiyou.pdf
    そう考えると市場はあまり残されていないのかもしれません。
    ※中小企業は定義にもよるので、すぽさんの言う中小企業と私の言う中小企業が一致していない場合もありますが。。。
    ネオジャパン社は企業規模が小さいため、成長は続くと思いますが、以上の点から成長ペースは鈍化していくことはそろそろ始まっていくのではないでしょうか。

  9. 名前:ssbrain 投稿日:2016/11/17(木) 02:33:29 ID:26eca4012 返信

    また、この手の業務用アプリケーションの会社は一旦強い分野が出来ると、その周辺市場に進出して業容の拡大を図る傾向にあるように思います。
    例:サイボウズ、ソフトブレーン、ワークスアプリ、1stホールディングス、
       セールスフォース(ここは買収が上手)
    おそらく特定の分野だけでは伸び代が限られており、
    上場会社として新規事業の必要性があるのだと思います。

  10. 名前:すぽ 投稿日:2016/11/18(金) 08:03:05 ID:589fc6ab0 返信

    みーやんさん、ssbrainさん、ありがとうございます。
    やや厳しいトーンで書いてしまいましたが、SランクではなくAランクと見た方が良いのではと思っているという意図です。
    中小企業というのは、参照URLに書いてある通りで100名以下の企業のことを指しています。中小企業への普及上限は多くても7割というところだと思っていますが、割合というより時間的な視点で見ています。サイボウズやdesknet’sが出来てから15年以上が経過しており「既に行き渡った」と見るのが自然だと思っています。
    ネオジャパンの今後の成長は、①人数を増やす、②単価を上げる、のどちらかになります。サイボウズは明確に②にチャレンジしようとしていますが、ネオジャパンには明確な手が見えません。(強いて言えば反発覚悟の価格アップぐらいでしょうか)
    いかがでしょうか。

  11. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/18(金) 08:52:03 ID:c4366cee8 返信

    ssbrainさん
    他社製品の情報ありがとうございます。
    実際に使ってみての感想は大変参考になります。
    ssbrainさんも成長ペースは鈍化していくというヨミですね。グループウェア以外への先行投資がうまく行くかどうかを見極めたいと思います。
    すぽさん
    「成長は続くが、鈍化する」という判断で私も問題ないと思います。IR資料を見てると当面の成長エンジンは営業面の強化になってくるかなと思いました。
    価格面に関しては、単価を上げるにしても現状のグループウェアサービスに対してこれ以上の価値を求めているわけでも無さそうに思います。厳しいですね。

  12. 名前:すぽ 投稿日:2016/11/19(土) 10:39:01 ID:589fc6ab0 返信

    みーやんさん、ssbrainさん
    意見が概ね揃ったようですので結論を書いてみました。確認をお願いします。問題なければ確定します。

  13. 名前:みーやん 投稿日:2016/11/19(土) 14:10:55 ID:7093aa621 返信

    結論確認しました。問題ございません。
    今回もとても勉強になりました。またよろしくお願いします。

  14. 名前:ssbrain 投稿日:2016/11/19(土) 19:16:41 ID:5111aeabe 返信

    すぽさん
    議論の内容は問題ありませんが、スコアリングの定義に
    少し疑問があるので質問させてください。
    すぽさんはビジネスモデル、成長、割安の切り口で分析されていらっしゃいます。今回の場合はビジネスモデル:4、割安:3、成長3.5 平均:3.5といったような感じなのでしょうか?
    すいません、面倒で。

  15. 名前:すぽ 投稿日:2016/11/19(土) 19:59:58 ID:589fc6ab0 返信

    ssbrainさん、ありがとうございます。
    いつも明確に数値化しているわけではありませんが、なんとなく以下のイメージです。
    成長 3.5
    ビジネスモデル 4.0
    割安 2.5
    ざっくり言えばA→A投資になってしまうわけですから、株価横ばいで面白みはありません。その意味では3.0に近い3.5にしようとも思いました。
    ただ、ここ1〜2年だけで言えばクラウドシフトが続きそうなので、利益率向上もある程度期待できますしSクラスと見ることもできます。その分を加えて3.5という感じですね。

  16. 名前:ssbrain 投稿日:2016/11/20(日) 20:19:37 ID:946e92961 返信

    すぽさん
    回答ありがとうございます。
    納得致しました。