6月の給与明細を見て住民税が上がった人達が騒いでいるようです。
「住民税6倍になってたwwwwwww死ねwwww死ね民主党wwww」
「住民税の納付書見たら自殺したくなってきた…」
「給与明細の住民税間違いかと思った。控除廃止と小手先のことやって、実は大増税。」
「住民税がハネ上がったんだけどなにこれありがとう民主党」
といったヒステリックな声がtwitter中心に上がっていますが、私はこの状況に正直げっそりしてしまいます。
あまりに思慮が浅く、今の日本を象徴するような発言だからです。
2年前から分かっていたこと
そもそも今回の増税のきっかけは民主党が始めた「子ども手当」です。子ども手当は中学生以下の子どもを扶養する人に対して、月額10,000円~15,000円ぐらい支給するというもので、年間2兆円以上かかる制度でした。
当然2兆円もひねり出せる財源はない中で、無責任な役人や政治家が考えた結果が「所得税・住民税の子どもの扶養控除を廃止することによる財源確保」でした。つまり「子ども手当支給対象の人に対し、増税をする」という、何もしない方がマシとも言える冗談のような制度をスタートさせたのです。
そして、子どもの扶養控除廃止は手当支給のようにすぐにはできなかったため、平成23年度(2011年)からスタート。住民税は「前年度の税金分を、6月から1年かけて支払う」という制度なので、2011年の住民税徴収が2012年6月からスタートし、今さらやっと騒ぎ出しているのです。
つまり、今回の騒動の前提をまとめると
- 増税(所得税・住民税)の対象となる人は、子ども手当をもらっている人
- 所得税は2011年1月から増税スタート
- 住民税は2012年6月から増税スタート
ということになります。
こういう前提を踏まえ、改めて先ほどの発言を聞くとどう思うでしょうか。
- 増税だ!って叫んでいるが、その人達全員が子ども手当をもらっている
- 2011年1月から所得税が増税になっているのに、1年半も遅れて騒ぎ出す
- そもそも2年前のニュースになっているのに
どうにも発言している人達に、思慮の浅さを感じざるをえません。
今回の件の問題を「増税」だと思いこんでいるようですが、あげた人から取っているだけなのですから増税でもなんでもありません。
この問題のポイントは、子ども手当などとできもしないバラマキを掲げ、マッチポンプのように制度をこねくり回し何も生み出していない。という、政治・行政のクズさです。怒りをぶつけるならここでしょう。
仕組みも理解しようとせず、自分が得したことに甘く、目の前の損だけにヒステリックになる人達がこれだけいるのかと思うとゾッとします。こんなマインドで投票しても、良い政治家が育つわけがありません。
みなさんもっとクールにいきませんか。
#株式相場でいうと、こういう合理的に動かない人たちは、まずは「カモ」であり、株価の乱高下をつくる「迷惑な存在」でもあります。