自由と責任(クックパッドとサイボウズ)

クックパッド総会記事に関連してもう一本記事にします。

「自由と責任」という言葉があります。この2つの言葉は「自由か責任か」と対立概念のように捉えられることが多いように思いますし僕も昔はそう思っていました。ですが、一般の世の中つまり大人の世界では、自由と責任は「同じ方向を向いているもの」です。


■自由と責任は同じ方向にある
僕が「自由と責任が同じ方向にある」と気づいたのはこの記事がきっかけです。

この記事にもあるように、世の中は「責任を取れる人が、より自由になる」という仕組みになっています。
中学生や高校生は、やれ制服だ校則だと色々不自由ですがこれは本人にたちに責任がないからです。

「大人になるとはどういうことだろう」なんて疑問も、この「自由と責任」の考え方で整理するとスッキリします。自由と責任をセットで取れる人は大人で、責任を負わず自由だけ求める人は子どもと言えるわけです。

■クックパッドとサイボウズ
こんなことを考えると「クックパッドとサイボウズ」という自由な経営を感じさせる二社も対照的に見えてきます。どちらも自由な経営という意味では似ていますが、クックパッドは子供の自由、サイボウズは大人の自由の会社と言えます。

クックパッドは過去記事にも書いたとおり、一般株主に対して殻を閉じこもった姿勢を貫いています。大株主である佐野さん(43%以上保有)の支持はありますのでその意味での責任は果たしていますが、上場企業としての責任からは逃げています。

サイボウズは青野社長がtwitterで以下のつぶやきをして話題(問題?)になった会社です。

株主軽視のようにもみえる自由な発言ですが、業績責任や今後の成長に向けた経営責任を果たしているからこその踏み込んだ発言ですし、株主総会や株主とのセッションなどでも株主との新しい関係を築こうと積極的なIRを行っていることがわかります。セッションではこのつぶやきについても率直なやり取りがなされています。

子どもの自由と大人の自由。僕にはこの二社には極めて大きな違いがあるように見えます。


■投資対象として
最後に投資対象としてです。業績責任を負う気がないクックパッドは買う気にはならないのは過去記事に書いたとおりです。サイボウズは「成長、ビジネスモデル」では有望な銘柄ですが、PERが100近くなっておりさすが手が出ません。ウォッチはしたい会社です。

「自由と責任は同じ方向」
こんなことを意識しておくと今後のオトナな人生にも役立つかもしれません。

『自由と責任(クックパッドとサイボウズ)』へのコメント

  1. 名前:日吉っ子 投稿日:2019/04/12(金) 12:49:42 ID:411c4e13b 返信

    クックパッドの社員は、ここを読んだりしないんですかね。
    言いたい事がありますが、株主でもないし、ユーザーでもないので、言う機会がありません。
    最初に言うべきだったかもしれませんが、私は、クックパッドの株主ではありません。
    私が、興味があるのは、経営だけです。
    経営というか、未来に興味がある。
    こういう社会になるだろうと予想すると、その事業を行う企業が出て来るので、自分が神様になったみたいで、気持ち良い、と感じるのが趣味です。
    すぽさんは主夫と言ってますが、男性なので、女性の気持ちは、分からないでしょう。
    「店に行ってから買う物を決める」という習慣は、日本人特有で、特に日本人女性は、その傾向が強い。
    こういう論文を誰か書かないのか?
    米国人は、買い物をする時に、定番の物を買う傾向が強いですよね。
    いつも同じコーンフレークを買う場合、買う物が決まってる状態で店に行く。それの置き換えのECがamazonです。
    一方、デパ地下に、買う物を決めて行く人は少ない。そこで初めて知る商品に惹かれて買わせるビジネスモデルが、デパ地下。
    最近は「駅なか」もこのモデルに移行してる。
    これをECで実現したのが楽天です。
    日本人は、世界一オシャレだと言われてますが、それは、日本人女性が、とりあえず店に行って、惹かれた服を買うからです。必要だから服を買ってるのではない。
    その感覚をECで実現したのがZOZOです。
    日本人女性は、毎日、とりあえずスーパーに行って、惹かれた食材で料理をしたい、と思ってる人が多い、変な民族です。
    これもいつかECで実現するだろうと予測してたけど、服と違って、食材は毎日だから配送料がネックだと思ってました。
    しかし、やっぱり天才経営者っているもんですね。

  2. 名前:日吉っ子 投稿日:2019/04/12(金) 13:23:15 ID:ca41f7d67 返信

    成功するかどうかは、UIにかかってる。
    需要があるのは、確実。
    仕事が忙しくなっても、米国人みたいに、週一でウォルマートに行って買い込んだ食材を大型冷蔵庫に詰め込む生活様式にはならず、忙しい日常の中に、店の方が入って来るようになったのが日本の歴史です。コンビニから駅なかと、あくまでも、「買う物を決めないで店に行く客」を中心に店発展したのが日本です。
    何故、日本のメーカーが、毎週新商品を出すのかというと、買う物を決めずに店に行く人が大半だからです。
    買う物が決まっていたら、その定番商品を安く売れば良い。商売としては、こんなに簡単な事はない。でも、日本人は違う。世界一、感性が豊かな買物をする。
    そのせいで、企業は、創意工夫を強いられて、利益が出ないけど。
    投資家は、自分が儲かる事が第一のようですが、私は、日本メーカーが、米国メーカーのように利益を追求して株主への還元を第一に考えた結果、私が金持ちになる事よりも、この非効率的だけど、多様で豊かな生活を送れる事の方が遥かに幸福だと思ってます。
    投資家は、自分が金持ちになりたい価値観だから、分からないかもしれない。
    でも、日本人が皆、その価値観ではないという事は、知っておくべき。
    クックパッドは、リアル店舗のように時間に追われる事なく、隙間時間でも楽しくお買い物ができる感覚を、EC上で実現する事を目指して欲しい。
    買う物が決まってる人=ヤフオク。は、米国のebayのパクリ。
    メルカリ=買う物が決まってない人向けの側面が強い。
    つまり、日本人特有の習慣から、メルカリやzozoのように、何となく見てしまうサイトの構築を目指す。
    すぽさんのような、便利だから使う層が入って来るのは、その後ですよ。

  3. 名前:よーでぃー 投稿日:2019/04/13(土) 10:42:34 ID:5e9e5a903 返信

    日吉っ子さんの考え、とても共感できました!面白いですね。
    妻に買い物をよく頼まれるんですが、
    「何買えばいいの?」と聞くとたいてい、
    「何かてきとーに買ってきて」と返されます。
    これすごく困るんですよね、、、
    (決まってないのに買い物に行くんかい!)と心の中でツッコみます。
    でもおっしゃるように、これが日本人の特性なのかもしれません。
    そう考えると、メルカリがアメリカで流行らなかったのも
    ちょっと分かる気がしました。

  4. 名前:すぽ 投稿日:2019/04/13(土) 11:39:18 ID:589fc6ab0 返信

    日吉っ子さん、ありがとうございます。
    なるほど、日吉っ子さんが仰っていることがわかってきました。
    クックパッドが「感性が豊かな買い物をECで実現する」という未来にアプローチしていることを評価されているということですね。
    日本人に対する捉え方もユニークですね。活気というか、雑多というか、そういう雰囲気を好む民族だと私も思います。そういえばコンビニの雰囲気も日本的ですね。
    見方が多面的になりました。楽しいですね。