企業分析:3836アバント(3.5)

reiさん、大変おまたせしました。

それではアバントについての議論をお願いします。
■結論
DIVAの堅実な成長をベースにしながら、アウトソーシング事業拡大やとZEALのビジネスモデル転換などによる高成長を狙う中期計画を掲げる。経営力を感じる会社ではあるものの、ストレッチな中期計画なので過剰な期待は避けたい。短期的にはストック化推進による売上成長鈍化などの可能性はある。株価はやや高めでもう少し安いところで買いたい。評価は4.0に近い3.5。


■基礎情報

GMOクリック証券の分析を使います。
plh_3836_10
bs_3836_3
中期計画1
中期計画2

シェアードリサーチレポート ★分かりやすい
・その他IR資料など

■ポイント

Step1:業績の確認

・2012年から順調な成長。売上は10%強、利益は20%程度の成長が続く。
・営業利益率は15%程度
・B/Sはキャッシュが多く問題なし

Step2:事業の確認、ビジネスモデルは?

・連結会計決算システム「DIVA」と、BIツール「ZEAL」が主力。
・DIVAは大企業中心に1000社以上が活用し市場シェアトップ(4割程度)。売上は導入時のコンサルとライセンスフィーがフロー売上として発生し、保守サポートがストック売上。
・ZEALは、IBMやSAPなどのSI案件の付随商品として加わるようなビジネスが中心。フロー売上。
・中期計画として2023年までに営業利益2倍、ストック比率7割という野心的な目標を掲げる。

Step3:株価の確認

予想PER27.0、PBR5.6

■reiさんへの質問

①今後5年の成長イメージについてどのように考えていますか
②会社の強み・弱みについてどう考えていますか
③その他聞きたいことがあればどうぞ

『企業分析:3836アバント(3.5)』へのコメント

  1. 名前:rei 投稿日:2019/04/12(金) 21:45:57 ID:b8b9ceba1 返信

    ①5年後ですが売上210億円、利益32億円ほどをみています。(やや楽観的ですが)
    連結会計業務は導入企業数の延びは鈍くなってきているため顧客単価がどう推移するかに注目したいです。
    アウトソーシングは需要は、十分でこの事業が今後の増収に寄与してくると考えます。機械化をより進めてさらに生産性をあげる取り組みが上手く進むと利益率もさらに上昇するのでその辺りに注目したいです。
    BI事業は、元請け案件が増えて利益率が上昇してきているのでその傾向が今後も続くのかに注目したいです。

  2. 名前:rei 投稿日:2019/04/12(金) 22:01:15 ID:b8b9ceba1 返信

    ②強みは連結会計システムでシェア率が高い点。一旦、システムを導入したらなかなか他社への切り替えはないのかなと思います。その上でDIVAの顧客からアウトソーシングを請け負うことで売上の伸びが期待できる点です。
    アウトソーシング事業で目立った競合はおらず逆にDIVAシステムを使ってない顧客のアウトソーシングを請け負うことで、それを機に会計システムを他社のものからDIVAへ切り替えさせるといった流れがあれば面白いかなと思います。
    会社独自の強みではないですが、今後省人化の流れを受けてシステム系の企業は需要が増す一方で、不況になったとしても売上は維持できると考えます。

  3. 名前:rei 投稿日:2019/04/12(金) 22:08:26 ID:b8b9ceba1 返信

    弱みは優秀な人材の採用です。
    需要があってもエンジニアやコンサルタントがとれないことで成長が鈍くなることを懸念してます。

  4. 名前:rei 投稿日:2019/04/14(日) 19:19:18 ID:4c87c975b 返信

    2018年決算で利益を上方修正した理由として、採用活動との計画の差異があげられています。(当初計画より人員を採用できずにその分、費用がういた。)
    これは、採用計画が過大に設定されていたのかもしれないので、採用が難航している状況とは言い切れないですが・・・
    シェアードリサーチのレポートでも、コンサルタント会社との業際化が進む中、専門の人材を育成すると、その人材が社外流出してしまうとあるようにせっかく育てた人材が流出していくような状況も心配です。
    新卒採用等にしても大手コンサルのような資本力のある会社がライバルになってくるようだと厳しいかと思います。

  5. 名前:すぽ 投稿日:2019/04/14(日) 21:39:25 ID:589fc6ab0 返信

    reiさん、ありがとうございます。
    見方は概ね同じですね。本来のトレンドだけで言えば中期計画はやや野心的で、
    ①アウトソーシングの大きな成長
    ②ZEALのビジネスモデル変革(ストック化、直案件増加)
    ③M&A
    この3つ次第になるということだと思います。
    ①アウトソーシングは比較的順調で利益率も既に高いので、生産性改善の時流に乗れば期待はできるように思います。
    ②ZEALは個人的にはやや不安を持っています。BIツール市場は実は激戦区で山のように競合がいますし、その中で特別存在感があるわけでもありません。今のところ大型案件獲得や直案件を増やすといった施策がしっかり成果を出していますので、営業力/商品力に強さがあるのだとは思いますが、どこかで成長に行き詰る可能性はあります。
    ③M&Aについては判断しようがありませんが、キャッシュはあるので準備はできている状況ですね。
    人材については会計系コンサル的なスキルだと転職する人たちは多いかもしれませんね。「キャリアアップになる」というブランディングができると流動性は高くても人材は来るようになるかもしれません。ここは大きなリスクとは捉えていません。
    何か聞きたいことはありますか?

  6. 名前:rei 投稿日:2019/04/17(水) 19:07:14 ID:63f2041a3 返信

    ①アウトソーシングは特に心配はしてないですね
    ②ZEALに関してですが、競合の他のシステムインデグレーダーと比べ、特に技術的な強みがあるかは不明です。そうですね。成長鈍化懸念はあります。
    DIVA社が今後、管理会計分野に注力していくことで(既存の制度会計分野の顧客等に管理会計のソフトも奨めるような方向で)ZEAL社とシナジーを生み、成長に寄与してくれればと思います。
    ③M&Aはなんとも言えませんね。
    聞きたいことですが、すぽさんがアバントに関して現状、又は将来的に顕在化しそうと思う弱みに関して思いつく限り教えていただきたいです。
    ZEAL社の件もその一つだと思いますが・・・

  7. 名前:すぽ 投稿日:2019/04/18(木) 13:36:00 ID:589fc6ab0 返信

    raiさん、ありがとうございます。
    ここまでで書いていないリスクとして思いつくのはこんな感じでしょうか。
    ・DIVAの成長面
    →最近は年間50社程度の新規顧客でなので売上成長+5%程度が妥当。東証一部TOP50社のうち半数は顧客になっており、大型案件が取れる余地もあまり大きくない。
    ・DIVAのクラウドシフトによる一時的な増収鈍化の可能性
    →ストック化比率7割に向けDIVAのクラウド化を推進。ライセンス販売から定期利用料に変えていくため、売上が一時期鈍化して見栄えが悪くなる可能性がある。
    ・一時的な利益のブレ
    →2QはZEALの大型案件によって伸長したとのことですので、来期は少なからず反動があります。中長期的にはあまり気にしなくてもよいと思いますが、短期の株価の動きとしては利益のブレにつられる可能性があります。
    ビジネスモデルだけで見れば安定成長+10%ぐらいのビジネスのところを、経営力で+20%に引き上げようとする会社というイメージです。経営力に強さを感じますのである程度期待しても良いと思いますが、ミニマムでは+5%〜+10%成長の可能性もあるぐらいに見ておきたいと思いました。
    いかがでしょうか。

  8. 名前:ama 投稿日:2019/04/22(月) 12:47:12 ID:71d0f216a 返信

    はじめまして、アマチュア、甘ちゃんのamaと申します。
    アバントは上場直後1株単位の時に35万円で購入以来のホルダーです。
    途中でジールなどを買収して売り上げ多くなりましたが、基本はニッチな業界で
    消費独占している企業と思います。
    また、現時点でアウトソーシングが立ち上がってますが、マクロで見ればニッチ
    でしょうね。
    ということでこの会社は売上限界があると思います。
    勿論M&Aを積極的に推し進めれば売り上げ限界は上がってくるにでしょうが、
    無理に行う必要はないと思ってます。
    現状ベースでの売上限界は200億円から多くても250億円程度ではないでしょうか?
    でも、これが達成できればある程度市場独占ができてるので利益面では
    かなりの利益計上できキャシュウカウ企業になると思います。
    そうして手持ちキャッシュを100億円から150億円程度、配当しながらですが、
    溜めたあとにゆっくりと確実に積極策をとっていけば良いと思います。
    現時点では当面の成長が見込める国内アウトソーシング事業に経営リソースを
    投じて次のステップに移れる体制整備を着々と行って欲しいと思います。

  9. 名前:すぽ 投稿日:2019/04/23(火) 22:53:00 ID:589fc6ab0 返信

    amaさん、ありがとうございます。
    成長イメージはそんな感じで違和感はありません。急成長というよりも安定成長が基本という企業にみえます。
    成長イメージがみなさんと概ね一致しているようですのでそろそろ結論に移りましょうか。

  10. 名前:ama 投稿日:2019/04/24(水) 05:21:39 ID:7e8273b6b 返信

    スポさん>成長イメージはそんな感じで違和感はありません。急成長というよりも安定成長が基本という企業にみえます。
    おっしゃる通りであります。
    私は、現状ベースでいけばあまりリスクはないと感じてます。
    reiさんがおっしゃるように若干ですが、Zealがちょっとと言う感じはあるにせよ、
    あまり大した問題ではなく、アウトソーシングを通じて顧客ニーズ汲み取りから
    問題解決に行けばZealの良さが今後発揮できシナジーが出る可能性が高いと思います。
    一つだけ懸念は、
    以前海外展開の方が国内アウトソーシングよりも優先順位高く
    株主総会でも指摘し続け、昨年当面の間国内を優先と少し方向転換。
    海外を否定するわけではないが、人材リソースと資金という経営リソースが限られてる
    中で、有望かつ継続的なアウトソーシングに今後5年間くらいは集中し不動のトップ、
    消費独占体制を盤石なものにすべきステージですね。
    ということで、リスクは国内事業、特にアウトソーシングを中途半端なところで満足し
    海外や新規事業を逐次投入的に経営リソースを割いてしまうことかなと思います。
    海外や新規事業がリスクがあるからというより、それらは盤石な金城湯地を構築してから
    十分な余力を持ってやれば良いことと思うのであります。

  11. 名前:rei 投稿日:2019/04/24(水) 19:04:50 ID:8847ef7c9 返信

    すぽさん
    返信遅くなりすみません。
    ・DIVA社の成長面に関してはすぽさんの意見と概ね同じです。子会社が多いような大企業はほぼ導入が終わり、今後の導入企業数の余地はあまりないですね。制度会計ソフトの売り上げの伸びは期待できませんが、管理会計ソフトに注力して上手くいけば売り上げに関しては少しは検討できるかもしれませんね。
    ・クラウド化移行に伴う売り上げの減収は短期的な評価としてはリスクともとらえられますね。ただ、そうなった場合企業が意図してる方向(ストック化の向上)に進んでるのでまあいいかなと思います。

  12. 名前:ama 投稿日:2019/04/25(木) 05:45:45 ID:9f3859b89 返信

    ライバルということで電通子会社の電通国際情報サービス (ISID)12月期を見てみます。
    同社のビジネスソリューション部門が連結会計ソフト「STRAVIS」を有しアバント参加の「DIVA」システムに次ぐ業界第2位大手です。
    ビジネスソリューション部門は連結会計だけでなく人事管理「POSITIVE」を中心としたソフトなども扱ってるようです。
    ビジネスソリューション部門の実績を見てみると売上規模は200億円弱ありますが利益面で苦労しているようですね。
    アバントグループとビジネスソリューション部門との対比では利益面・率で差がかなりついてるような感じですね。
    (会社全体としては他の部門が頑張っておりすごいですね、ビジネスソリューション部門が全体の足を引っ張ってるような感じです)
           売上高    営業利益  利益率
    2018年  168億円   7億円 4、2%(中計目標は174億円、9億円)
    2017年  170億円  ▲1、7億円(不採算化ならび にR&D等の費用増)
    2016年  170億円  16、6億円(連結会計「STRAVIS」、人事管理
    「POSITIVE」等が堅調推移)
    2015年  111億円  ▲0、3億円(不採算案件)
    2014年  106億円   1、7億円

  13. 名前:ama 投稿日:2019/04/25(木) 06:10:35 ID:9f3859b89 返信

    電通子会社の電通国際情報サービス (ISID)2018年12月期で
    ビジネスソリューション部門と全体との関係を見ると
    ビジネスS部門の売上は全体に対し18.5%を占めるが営業利益では8.4%を占めるに過ぎない。
    さらに、2017年と2015年は赤字である。
             売上高    営業利益 利益率
     全  社    910億円  83億円  9、1%
    (ビジネスS)   168億円   7億円  4、2%
    18.5% 8.4%
    (その他部門)  742億円  76億円 10、2%
    81.5% 91.6%

  14. 名前:rei 投稿日:2019/04/25(木) 09:14:43 ID:e0c98281a 返信

    続きです。クラウド化に関してですが、上手くクラウドシフトをすすめられるか少し気になっています。現状パッケージの売り上げが大半で、クラウド経由の売り上げ比率は全体の10%くらい? かと思います。
    導入先の企業としては、コスト的なメリットを感じてパッケージを選んでるように思えますが、クラウド化への切り替えがすすむか注目していきたいです。
    ・一時的な利益のブレですが、ZEALはどうしてもフロー売り上げが多い分、年によって変動は仕方なく思います。来期はハードルが高くなるでしょうね。クラウドシフトによる減収の件もそうですが、こういった決算数字の見栄えが悪くなることは確かに短期的な株価に影響をあたえますが、企業価値の既存につながるような内容でない限りは静観していこうと思います。

  15. 名前:ama 投稿日:2019/04/25(木) 14:38:50 ID:ca741a53c 返信

    reiさん、クラウド比率ですか。
    クラウド比率はわかりませんが、Divaシステムがクラウド対応したのが2015年6月発表された8年ぶりのメジャーバージョンアップバージョンDIVA10です。
    すでに4年弱経過してること、確かこれ以降のクラウドのバージョンアップについてはバージョンアップ料を徴収しない仕組みに変えてるとわたしは記憶してるのですが、そうだとかなりがクラウド化されてるのではと思います。
    わたし自身はDIVAシステムはクラウド化が進んでおり、競合の電通国際情報のstravisはHP見てもクラウド対応とか特に宣伝していなかったので遅れてるのかな?それで差がついてるんじゃないかな?って勝手に思ってました。
    すいません、クラウドについては確認したわけではなくそう思い込んでたようです。

  16. 名前:rei 投稿日:2019/04/25(木) 23:17:20 ID:e0c98281a 返信

    amaさん
    クラウド経由の売り上げ比率10%と書いたのは、シェアードリサーチのレポートにそのような記述があったためです(22/55ページ)
    このレポートが作成された時点の数字であり、また私も会社に直接確認したわけではないので確実な情報と言い切れませんが・・・

  17. 名前:ama 投稿日:2019/04/26(金) 14:27:34 ID:c6b6486dc 返信

    rei さん、シェアードリサーチレポート確認いたしました。
    たしかに、クラウド比率は10%未満に止まってる。理由はパッケージ導入して数年間は使用するのでクラウドよりもパッケージの方が割安になるから。同社は、これに対してアウトソーシングを含めたサービス提供によるめりっとを持ってクラウド比率を上げていく方向と記載されてますねー。
    1、クラウドについてはライバルに遅れているわけでないので、この点はあまり問題なし。
    2、クラウドのメリットはアウトソーシング導入により、客先とアバント側の両方にメリット出る仕組みだと思う。
    クラウド導入すれば、アウトソーシングをセキュリティ保った客先以外のフィエルて側で請け負うことができる、フィエルテは当然多数にアウトソーシングを請け負ってるので1人が複数社以上を担当でき生産性が向上する。これを客先にもメリットの形で還元可能となる。
    3、さらにクラウドはパッケージよりも単価高く、ソフト自体のバージョンアップ料は無償としてるが、バージョンアップ作業などを請け負うことで保守料も稼げる。
    以上推測ですが、クラウド化はアウトソーシング化の進展に伴って徐々に比率が高くなっていくのではと思います。
    現状のアウトソーシングしてる導入企業も10%未満だったと思いますので、結構当たってるかもしれませんね!

  18. 名前:すぽ 投稿日:2019/05/07(火) 09:57:43 ID:589fc6ab0 返信

    reiさん、みなさん、それでは評価を確定しました。
    比較的意見が揃っていた銘柄でしたね。安定的な強みがあるので、アウトソーシングが順調に行けば大きな失敗はなさそうな企業だと思います。
    議論ありがとうございましたー!

  19. 名前:すぽ 投稿日:2019/05/07(火) 20:54:50 ID:589fc6ab0 返信

    amaさん、ありがとうございます。
    300円で買えたなら抜群の贈り物になりましたね。
    長期で安心して握れる銘柄だと思います。
    今後もよかったら議論にご参加くださいね!