アイルさん
代理での参加ありがとうございます。それでは2328ウェッジHDです。よろしくお願いします。
■結論
「経済の毛細血管」を発明し、これまで与信できていなかった新興国(の田舎)での貸付を通じて急成長の扉を開く。
ビジネスモデル面ではPOS、スマホ、現地確認というユニークな仕組みによって、軽くて早い上に真似しづらい組織体制を生み出す。
成長面では2017年度中に20カ国へ進出するという想像を超えるスピード感で成長を狙う。成長を担保できる軽い組織体制に加えてインドネシアの黒字化など成功例も生まれており、計画通り(2018年度に利益20倍)とは言わなくても計画の半分程度は十分想定できる。
増資リスクは考えられるが、これだけの急成長が実現するなら大きな問題にはならない。昭和ゴム労働組合との対立などもあり、清廉潔白な経営とまでは言えないものの昭和ゴムの地道な立て直しなど誠実な姿勢は評価できる。評価は4.0に近い4.5。
■基礎情報
GMOクリック証券の分析を使います。
■ポイント
Step1:業績の確認
・売上利益ともに急上昇中。2016は営業利益率が30%レベルまで向上。
・資本関係はやや複雑。5103昭和HDが親会社(63%保有)。
Step2:事業の確認、ビジネスモデルは?
・様々な事業を手掛けるが、デジタルファイナンスと呼ぶ新興国(アジア)でのファイナンス事業がヒットし急成長中。
・一般の金融機関の対象とならないような人達への貸し出しを行う。小さな窓口、スマホ活用、現場確認による与信など、対象顧客にフィットさせたユニークな体制が大きな参入障壁になっている。
・対象国の拡大、大手ディーラーとの提携などによって急成長が期待される
・経営者(此下竜矢さん)の優秀さに驚く一方で、過去には投資家とのトラブルや証券取引監視委員会から共同経営者の兄が詐欺の疑いをかけられる(結局無罪になった模様)など不安が残る面がある。(闇株新聞など)
来期利益予想がないため参考として実績ベースでPERを算出
28年9月期ベース PER62.6
27年9月期ベース PER30.9
■アイルさんへの質問
①今後の成長(売上・利益)のイメージはどれぐらいですか
②この企業の強み・弱みをどう考えますか
議論を開始していただきありがとうございます。
その前に、POS(ポイント・オブ・セールス)とは、銀行の支店のようなもので、カンボジアやラオスの田舎中心に張り巡らせています。ホンダバイクの販売店の一角を借りて、机の椅子数脚、ノートパソコン、スマホ、社員2~3人という軽装備な支店です。
全土にPOS網を張り巡らせて、与信管理などは本社で集中管理しているのが特徴です。
このビジネスモデルをデジタルファイナンスと呼んでいます。
なので文中の
POSと呼ぶ新興国(アジア)でのファイナンス事業が~
という部分は下記の表現の方が正しいと思います。
デジタルファイナンスと呼ぶ新興国(アジア)でのマイクロファイナンス事業が~
本題ですが、ウェッジの業績の大部分は、子会社であるタイの上場企業グループリースのマイクロファイナンス事業が占めています。
以下GLと略します。
GLの業績を期末の為替レートで日本円換算して、少数株主持分を控除し、のれんの償却などタイと日本の会計基準の差を調整したものがウェッジの業績になります。
2016年の純利益は一時的な円高の影響を受けて減益となりました。
為替の変動などは本質的な価値とは異なる変動要因だと思いますので、以下は利益の源泉であるGLについて私の考えを書きたいと思います。
まずは12月27日に開催された事業説明会の動画を、質疑応答も含めて見ることをお薦めします。
http://www.wedge-hd.com/IR/topics/2017/p20170106.html