企業分析:3669モバイルクリエイト(3.0)

ユリウスさん、大変お待たせしました。

3669モバイルクリエイトです。一緒に議論をお願いします。
あとで気づいたのですが、この企業は昨年3月にコメントで分析を行っていました。ですが一度お受けしましたし、少し状況も変わっているようなので改めて分析していきたいと思います。
■結論
高成長・高収益で目を引くが、駆け込み需要や大型案件(沖縄交通システム)による部分が大きく、反動が懸念される。中長期では市場を捉えて素早く商品化する力があり、バスロケーションシステムなどを中心に成長余地が見える。今買うならナンピン覚悟が必須。3.0。

■基礎情報
GMOクリック証券の分析を使います。

Plv_3669_5

Bs_3669_5

企業IRなど
前回(2014/3/22)の分析

■ポイント
Step1:業績の確認
・上場以来目覚ましい成長を続ける。4年間の平均売上成長率は46%、前年比は2割程度。
・営業利益率は2割近く非常に優秀。2015は少し下げる。
・B/Sも成長に伴い膨らむ。キャッシュも多く健全、2015は長期投資等に置き換わってるようだが気にするほどのことではなさそう。

Step2:事業の確認、ビジネスモデルは
・車内トランシーバー、タクシー配車システム等の開発・販売を行う。特にip電話型のトランシーバーが、2016年5月のタクシーアナログ無線廃止の駆け込み需要の下で、競争力の高い商品となり大ヒット。
・その他、バスロケーションシステム、OKICAシステムなども受注
・ストック型も売上の2〜3割あり収益を支える。(MVNOビジネス)

Step3:株価の確認
・予想PER 32.9と高め

■ユリウスさんに質問
①この企業の成長ドライバーは何だと思いますか
②タクシー無線の駆け込み需要後どうなると考えますか
③その他、確認したいことなどがあればお願いします

『企業分析:3669モバイルクリエイト(3.0)』へのコメント

  1. 名前:ユリウス 投稿日:2015/07/18(土) 15:25:56 ID:1e04b2a55 返信

    コメントをよく確認せずに分析を依頼してしまい、申し訳ありません。
    又、すでに取り上げておられる銘柄にも関わらず、再度分析をして下さる事に感謝しております。
    成長ドライバーという言葉の意味が明瞭ではありませんが、
    今後の成長の軸となる事業あるいは要素という理解で宜しいでしょうか?

    バスロケーションサービス(広島・京都など九州以外への拡販実績)
    石井工作研究所との業務提携(技術力向上が見込まれ、販売機会の損失が減少)
    以上の2点を挙げたいと思います。
    さらにはその先には海外展開も十分にあり得ると思っていますが、
    これについてはまだ妄想の域を出ませんので考慮しておりません。

    タクシー無線の駆け込み需要後の成長率については
    直近の決算予想や過去7年間の数値も踏まえて12%を推定しております。
    特に営業利益が頭打ちになってきておりますので、
    それを考慮して成長率は低めに見積もっております。
    勿論PER33倍という現在の株価水準では全く購入に値しないと考えております。

    この銘柄に限らず成長企業のPBRに関してはどの様な評価をするのが良いのか?
    銘柄分析を拒否なさらなかった、つまり前回分析から変わったと考えるポイントは何か?
    以上2点をお伺いしたいと思います。

  2. 名前:すぽ 投稿日:2015/07/19(日) 08:29:07 ID:e89f704d9 返信

    ユリウスさん、ありがとうございます。
    ①について
    質問が悪くて申し訳ありません。プラスアルファというよりも何を主力として事業を行う会社なのかという質問です。例えば2016・2017はどこから売上を立てるのでしょうか?
    ②について
    ①につながる質問なので私の意見はまだ書かずに置きますね。
    ③について
    PBRについてはほとんど気にしません。PBRは株価の下限に影響を与える指標であり、私の表現で言うCクラスあたりの株に使うものだと思っています。成長企業は資本の多寡とはあまり関係なく成長していきます(高ROE)。高ROEで低PBRだとPERが恐ろしく低くなるため(例えばROE20%でPBR1だとPERは5)、PBRでスクリーニングしても見つかりません。私の表現だとC→S投資になってしまいます。そんな株があればそれに越したことはありませんが、一生出会えない旅になってしまうでしょうね。
    新たに分析しようと思ったのは、一つは結構お待たせしてしまったという事がありますが、それ以外には、PERが少し下がったこと、ipトランシーバー以外のビジネスが増えてきていることあたりがポイントになりました。この辺りが今後どうなるかを考えるのは面白いかもと思いました。

  3. 名前:ユリウス 投稿日:2015/07/19(日) 15:43:11 ID:115f31cb4 返信

    ご回答ありがとうございます。
    ①について再回答致します。
    2016年に関してはタクシー無線の売上がメインとなると考えています。
    営業所を新設した東北、関西でのハンディ機の売上増が数字として現れるのは
    最初の1年は新規取引先との関係構築の期間が必要と考えておりますので
    2017年以降ではないかと考えています。
    今後もメインはタクシー無線、IPハンディ機の二本柱が主力だと考えます。
    ②に関しましては成長率などは前回回答した数値を想定しておりますが、
    バスロケーション、OKICA、子会社トランの定額タクシーの3事業に関しても
    十分に拡大余力はあると考えています。
    ドローン事業に関しては私は足を引っ張る存在になる事を懸念しております。
    これで回答になっておりますでしょうか?

  4. 名前:すぽ 投稿日:2015/07/19(日) 23:51:18 ID:e89f704d9 返信

    ユリウスさん、ありがとうございます。
    ①②をお伺いしたのは、この企業が何で成長しているかがよくわからないからです。
    まず、タクシー無線について。ストックビジネスと連動しているはずの、「契約台数」という指標があります。これを追うと以下のようになります。
    2013末 35,000台
    2014末 51,000台(+16,000台)
    2015末 65,000台(+14,000台)
    無線機の販売サイト等で1台の価格を調べると15万円程度、卸値的には10万円程度だと思います。
    そう考えると、2015年の通信機販売の単年度売上は14億円(フロービジネス)程度と推測できます。決算資料ではフロービジネスは39億円の売上があり、残り25億円が他の売上となり意外と大きいなという印象です。また駆け込み需要型のビジネスは反動が大きく、停波後は売上は半分以下になってもおかしくありません。
    また沖縄案件は2014,2015での計上という表記があり、2016以降がどう売上が立つのかわかりません。バスロケーションは地域拡大は期待できると思います。
    こんな全体像で考えると、急成長というよりも、タクシー無線の駆け込み需要、沖縄案件が連続ヒットしている企業に見えてきます。この企業は安定成長するのでしょうか。

  5. 名前:ユリウス 投稿日:2015/07/20(月) 12:53:42 ID:509d2c015 返信

    すぽさんの指摘に対して若干追い込まれております。
    勤怠機能及びGPS機能付きのIPトランシーバーが
    新商品として発売される予定ですが、
    この商品が成長の大きなポイントかと思います。
    タクシー、トラックなどは既存の据置型のトランシーバーを利用、
    老朽したら買い替えという流れが続く事が想像出来ます。
    新しいトランシーバーは建築現場や防災現場が顧客層で既存の顧客とは異なります。
    すぐに売上に繋がるかは不透明ですが、そういった現場は保守的な傾向が強いので、
    NTTの通信網を利用しているモバイルクリエイトは
    営業員も売り込みしやすいのではないでしょうか。
    私はすぽさんの指摘を受けるまでこの企業の成長ストーリーは
    エリア拡大型であると思っていたのですが、
    よく調べてみたらメインは新商品開発型なんですね。
    従ってエリア拡大型よりは成長安定度は少し下げて想定する必要はありますが、
    同時にバスロケーションの様なエリア拡大型の事業もあるわけですから
    単純な新商品開発型企業よりは評価をしても良いと思っています。

  6. 名前:すぽ 投稿日:2015/07/20(月) 17:31:06 ID:bfca7334e 返信

    ユリウスさん、ありがとうございます。
    議論を通じて強みと弱みが混在しているということが見えてきたように思います。
    全体的に見ると、タクシーやバス業界などのビジネスチャネルのつながりをベースに、世の中の技術を素早く取り入れて商品化できる技術力に強みを感じます。
    今後の成長としては、バスロケーションシステムの地域拡大あたりが一番期待が持てます。
    一方で、主力のipトランシーバーの駆け込み需要の反動や、沖縄案件の反動などの懸念材料も隠れており、タイミングによっては減収の可能性も考えられます。
    (決算説明資料では2016上期は減収計画となっており、兆候も見えます)
    ベーストレンドでは緩やかな成長、一時的に反動による減収がありそう、ぐらいに見ておくのが良いように思います。
    投資の視点では、今の高PERは恐怖感があり減収をトリガーに一定水準まで下げる可能性があります。で、逆に見るとそのタイミングあたりが買い時になるかもしれません。
    こんな感じに考えたのですがいかがでしょうか。

  7. 名前:ユリウス 投稿日:2015/07/20(月) 17:47:54 ID:509d2c015 返信

    すぽさん、議論の取り纏めありがとうございます。
    すぽさんの捉え方で異存はございません。
    株価指標に関する認識もその様に考えております。
    一人で分析をすると細かい部分を都合良く解釈してしまうのですが、
    今回はすぽさんに様々なご指摘を頂いたお陰で
    必死で食らいつく様に勉強させて頂きました。
    私は投資歴も能力も低く初心者でありますので、
    すぽさんにご配慮頂き、議論を導いて下さった事にも感謝しております。
    結論の掲載を楽しみにしております。

  8. 名前:すぽ 投稿日:2015/07/21(火) 07:02:54 ID:483d9f0cb 返信

    ユリウスさん
    結論を書いてみました。問題がなければ確定します。
    私もユリウスさんと議論させていただくことで、この企業の全体像の把握が進みました。ありがとうございます。

  9. 名前:ユリウス 投稿日:2015/07/21(火) 21:16:58 ID:8b287e099 返信

    内容を確認しました。
    問題ありませんので、確定して頂いて構いません。
    ありがとうございます。