普通の味で人を惹きつける不思議なラーメンチェーン店
ラーメンチェーン日高屋を運営する企業です。日高屋に行ったことがある方はわかると思いますが、味は普通としか言えず、何がすごいのかよく分かりません。しかし気づくと足を運んでしまう不思議な店です。いつも通り分析していきます。
Step1:業績について
- 営業利益率は10~12%
- 売上・利益共に、毎年10%程度のペースで着実に成長
- B/Sは無借金、CFも全く問題なし
リーマンショック?何それ?と言わんばかりに、驚くほど着実に成長し続けていることがわかります。
Step2:ビジネスモデルについて
外食ビジネスにはわかりやすいビジネスモデルというものは存在しませんが、一般に以下の様な特徴があります。
- 食べ物なので、リピーターが生まれやすい
- 原価が低く、SGA(場所・人件費)が大きい
- 味という大きな差別化要因がある
外食の勝ちパターンは色々ありますが、基本はリピーターを作ることです。リピーターが稼働率を高め、利益率を飛躍的に向上させます。
日高屋の強みは「(男性にとっての)居心地の良さ」です。ハレ・ケでいう、ケの雰囲気があり、昼はちょうどいい定食屋として、夜は安い居酒屋としてとにかく気軽に入ることができます。私が行く日高屋は、昼夜を問わず大体5割以上の席が埋まっています。そしてこれぐらいお客さんが安定的に入れば、場所代・人件費をペイしてしっかり利益が出ます。
またチェーンビジネスのため、企業の業績は出店数と店舗あたり売上が最も重要な指標になります。普通のチェーンは出店数を増やすほど立地が悪化し店舗あたり売上が下がるのですが、日高屋の場合はほとんど変わらず、出店数に比例して売上・利益が成長し続けています。これは先程の「ケ」のビジネスの拡大余地がまだまだあることを示しています。
Step3:株価について
(2013年8月5日現在)2,122円 PER14.6 PBR2.19 配当利回り1.65%
株価は安心して買える水準です。
割安株価のまま着実に成長しています。評価は3.5、平成レイサービスと同様に、退屈で安全な投資を目指す方におすすめです。ポートフォリオには入れませんが、優待目当てで100株買ってみました。