なぜビジネスモデルを重視するのか②

一体何が1,000円のものを900円で売らざるを得なくしたり、1,100円で売れるようにしているのか。それはもちろん「競争」に他なりません。例えば原価500円、開発費100円、販売費350円の商品があるとします。複数の企業のコスト構造がほとんど同じだとすると利益が出ればOKということで950円まで下げる競争が始まります。で、たくさんの企業が競争すればほぼ950円となり(場合によっては950円を切ることもあります)、少しの企業で競争すれば1,050円ぐらいにはなるかもしれません。
値付けはコストをベースに決めるのが常識と思っている人もたまにいますが、それは競争が当たり前の業界にいる人の常識であって、本来はお客さんが買ってくれる値段であればどんな値付けでもよく、「競争」が価格をコストに貼りつけているだけです。

ビジネスモデルとはこの「競争」がうまいこと弱まる様になっている仕組みのことだと私は定義しています。(ビジネスモデルの種類については、ウェブページ(このサイト左側)をご覧ください。)

ビジネスモデルを持つ企業とは、ちょっとした価格決定権をもつ企業ということであり、それによって収益が非常に安定してきます。

私がビジネスモデルを重視するのは、その有無が企業の収益力・安全性に直結しており、ビジネスモデルの形によって営業利益率が大体予測できるからです。