急激な円高が起こるメカニズム :理由編

前回の続きです。

サブプライムローン問題が起きると円高になる答えは「信用収縮」という言葉にあります。

現在の為替レートはかなりの部分がFXのような信用取引の影響を受けています。要するに円を借りてドルを買うという「円キャリートレード」というやつです。

円を借りて、ドルを買うとその金利差(今は4%強ぐらいですか)が手に入ります。10万円の証拠金で、100万円を借りてその分のドルを買うと、年4万円強の利息がつくことになります。この構造に気づくと、これは現金でドルを買わずに、借りた方がいいじゃんということになります。

で、こういうことにみんなが気づくことで、「借りない手はない!」と思う人が増加していくと、どんどんドルが欲しいという方向に進み、これによってじりじりとドル方向に向かうことになります。最初に証拠金取引をした人にとって見ると、円は下がるわ、金利はつくわでウハウハになるわけです。で、味を占めて、さらに証拠金取引を重ねていくことになります。

ところが、よく考えると、こういった取引はもともと買い戻すことを前提としているだけの取引(仮儒というようです)ですので、いつかは戻る宿命を背負っているわけです。

で、その宿命は、(理由はなんでもいいのですが)金融不安によってトリガーがかかります。要するに世界中の投資マネーが恐怖に駆られて手仕舞いを始めてしまうことよって、現実方向(信用収縮)に値段が戻ってきます。

これが信用収縮です。