先日購入した島精機製作所についての分析です。依頼いただいた銘柄ではないので、議論は行なわずに結論まで書いています。
■結論
ホールガーメントという唯一無二の完全自動織り機を開発する会社。一般の編機の四倍という高価な商品ながら、人件費・捨てる布などのコストダウンが可能となりアジアを中心に販売が広がる。長年に渡る商品開発を通じたノウハウと膨大な特許があるため模倣はほぼ不可能。ユニクロ・ZOZOも信頼を寄せる企業で、来たる衣料品フルオーダーの時代で大きな躍進を迎える可能性がある。1~2年というよりその先の成長を期待する銘柄。評価は4.0に近い3.5。
■基礎情報
GMOクリック証券の分析を使います。
・現代ビジネスの記事
・NewsPicksの記事(有料記事)
・その他IR資料など
■ポイント
Step1:業績の確認
・売上は2013頃までは景気の影響を受けたような動き。2014からは急成長。
・利益は2017あたりから大きく伸長し、2017には営業利益20%を達成。
・B/Sはキャッシュが少なめだが、自己資本比率も高く懸念はない。
・ホールガーメントと呼ぶ完全自動編み機の製造販売を行う。ホールガーメントは通常の編み機とは違い、生地ではなく衣類を丸ごと編んでしまうことができる。縫製工程が必要ないため人件費や捨て布が発生せずコストダウンを実現できる。編み機なのでニット、スウェットぐらいまでは作れるがTシャツぐらいの目の細かい衣料には対応できない。
・長きに渡って独自商品の開発を行っていることから、ホールガーメントだけでも特許数は2000以上。特許に抵触しない模倣品開発はほぼ不可能。
・フルオーダーの時代になった時には対応可能な唯一の編み機であり、ユニクロやZOZOが信頼を寄せている。
・機械は売り切りが多く市場の影響を大きく受ける。2019-1Qはアジアが4割減だったがヨーロッパと中東の急成長によって支えたという荒れた内容。
・中期計画は2020に売上1000億円、営業利益250億円を目指している。
Step3:株価の確認
予想PER16.0。
以前は結構持っていましたが、もうほとんど利確して今は100株だけ残しています。
とても夢が見られる会社なので、100株だけはよっぽどの事が無いと売りません。
個人的に気になっている点は、
・「和歌山のエジソン」と言われた発明家の創業者が経営の一線から退いて今は息子さんが社長をやっていて、経営は上手く行っているけど今後は周辺技術以外に革新的な商品が開発されなさそう。
・売掛金が非常に多く、自己資本比率や流動比率などの数値は良くても実際の手元流動性はあまり無いように見えます。実際に表面上の数字は良かった去年もエクイティ・ファイナンスを行っています。