企業分析:9386日本コンセプト(3.5)

人参さん
それでは9386日本コンセプトの議論です。よろしくお願いします。
■結論

片道運賃(ワンウェイ)を実現するネットワークによる強固な参入障壁を有する。成長は+10%が軸で、米国参入等による上振れも期待と景気減速による下振れの両面が考えられる。
株価は割安だが上場以来低PER(最大14程度)を維持しており市場からは「儲からない事業」と見放されている印象。Sクラス(+20%)の成長があると面白いが、これまで通りの成長だと株価がくすぶり続ける可能性もある。3.5。


■基礎情報
GMOクリック証券の分析を使います。上場前の情報はIRからとります。
plv_9386_5
名称未設定 3

bs_9386_3

名称未設定 5

・その他IR資料など

■ポイント
Step1:業績の確認
・2012の上場以来10%程度の順調な成長を遂げる。ただしリーマンショック時は大きな影響を受けて赤字に。
・営業利益率は直近では20%近くあり力強い。
・B/Sは並。有形固定資産が多い。

Step2:事業の確認、ビジネスモデルは?
・ISOタンクコンテナを使った液体貨物の運送を中心とする。タンクの洗浄に面倒・ノウハウがあり日本ではほぼ唯一の企業となっている。→競争が激しい市場でも独自のポジションを取り高収益に。
・成長面では「モーダルシフト」という言葉が並ぶ。液体貨物のコンテナ型へのシフトが進んでいるとのこと。
・コンテナ市場は景気の波を大きく受ける業種。固定資産を持つため積荷が減ると「回転率が落ちる→値下げ合戦になる」というスパイラルに入り込み収益性が著しく低下する。日本コンセプトも優秀な企業ながらもその波は避けられれない様子。

Step3:株価の確認
予想PER 7.5でかなり割安

■人参さんへの質問
①ビジネスモデル・競争環境についてどう考えますか
②この会社の成長イメージ及び不況耐性についてどう考えますか
③その他、聞きたいことがあればどうぞ

『企業分析:9386日本コンセプト(3.5)』へのコメント

  1. 名前:人参 投稿日:2016/04/08(金) 00:26:11 ID:e67e8b037 返信

    おまたせしました。議論お願いします。
    ①ビジネスモデル・競争環境について
    良いビジネスモデルで、それが壊れる兆候はありません。
    タンクローリーやケミカルタンカーからタンクコンテナへのシフトは今後も続く。(市場拡大余地がある。)
    その中で、タンクコンテナを片道輸送の料金体系でオペレーションすることにより強い価格競争力を持つ。
    他社が片道輸送に参入するには当社に同様な拠点網を構築しなければならず、参入障壁も高い。

  2. 名前:人参 投稿日:2016/04/08(金) 00:49:22 ID:e67e8b037 返信

    ②この会社の成長イメージ及び不況耐性について
    直近数年間の延長で、売上・利益ともに年率10%前後で成長していく。
    会社中期計画でも毎年5%弱くらいタンク数を増やしていく予定です。
    不況耐性は十分あると考えています。
    不況時、世間の化学品製造額の減少に比例して、当社の売上も減少
    すると思いますが、変動費比率が高く、損益分岐点比率が低いこと
    から赤字になることはないと考えます。
    2015.12且期の単体損益計算書を見ると、
    売上109億のうち比例費70億と、変動比率が64%と非常に高い。
    損益分岐点比率は53%。
    (比例費・固定費の振り分けに迷う項目は固定費として計算しました。)
    http://www.resonabank.co.jp/nenkin/info/economist/pdf/090729.pdf
     の図表3に当てはめると「超安全」
    http://www.bizup.jp/solution/kaizen_navi_pdfdata/kanri_kaikei_02.pdf
     のP.10に当てはめると「不況に強い安全な利益構造」
    また比例費の項目は不況時には単価が下がる項目が多い。海外作業料
    35億、海上運賃17億など。
    (よって、不況時は当社の受注単価が下がる率以上に変動費単価は
    下落すると思います。)

  3. 名前:人参 投稿日:2016/04/08(金) 00:50:24 ID:e67e8b037 返信

    リーマンショックについて
    リーマンショックが発生した2008.12月期に経常損失に陥っており、
    この解釈が難しいが、その年も翌年も営業損失は出していません。
    リーマンショックは2008.9月に発生したので、最も影響を受けた決算期
    は2008.12月期ではなく、2009.12月期のはずです。確かGDP推移も2009
    年が最悪の時期でした。
    (同じ運輸銘柄で、空荷復路を解消して高収益を得ているトランコムの
    IRを見ると、2008.10-12月期は売上・利益ともリーマンショックの影響
    は見られず、翌年1-3月期に赤字転落している。
    http://www.trancom.co.jp/ir/library/explanation/pdf/20090508.pdf P.10)
    トラック輸送がメインのトランコムよりも、船便の輸出入がメインの日本
    コンセプトは、リーマンショックが業績に反映されてくるタイムラグはトラ
    ンコムと同等以上と推測できるので、2008.12月期の営業業績にリーマ
    ンショックの影響はまだ出ていないはずです。
    2009.12月期とその前後の業績推移を以下に書きました。
    (百万円) 売上 営業利益 経常利益 純利益
    2007.12  6535  454    414   266
    2008.12  6720  300    -754   -520
    2009.12  5720  658    419   439
    2010.12  7160  1136    505   299
    これを見るとリーマンショックの影響を感じることできるのは2008年の
    経常損失・純損失の2項目だけで、世間の景気としては最悪期だった
    2009.12月期は、リーマンショック前の2007.12月期と比べて減収増益と、
    悪くない業績です。
    2012年の有報に、過年度に為替のデリバティブで損失があったとの
    記述があるので、これは2008.12月期に経常損失に陥ったのは為替
    デリバティブの影響かもしれません。
    (実際、リーマンショックの9月から12月にかけて為替が円高に急激
    に動いてはいます。)
    蛇足ですが、その後もデリバティブは続けているようで、有報を見ると、
    2012.12月期、2013.12月期はデリバティブ評価益が5億、3.7億あったそうです。

  4. 名前:人参 投稿日:2016/04/08(金) 00:57:12 ID:e67e8b037 返信

    すぽさんの質問に答える過程で、この銘柄について勉強になることがありました。ありがとうございます。
    この銘柄に対する質問ではないのですが、日本国の財政破綻の懸念について、すぽさんはどのようなスタンスでしょうか?
    文章にして答えるもらうと大変長くなってしまう気がするので、納得できる主張の書籍や著者などおりましたら、教えていただけないでしょうか?

  5. 名前:とおりすがり 投稿日:2016/04/09(土) 14:24:32 ID:1780c12e2 返信

    とても面白い会社ですね。
    運輸業種なのに、自分では輸送せず、アレンジするだけ。
    ISOコンテナを保管、洗浄が仕事とは。地味すぎる。
    ISOコンテナの減価償却期間は20年だから、
    今後、償却済み資産を活用できる。
    リーマンショック時の減益の原因となった
    デリバティブは、今はしていない。
    利益は硬そうだけど、成長速度が物足りないね。
    東証一部に昇格して、信用を高め
    海外との取引が増えることに期待したいです。

  6. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/09(土) 19:49:15 ID:ef0546c98 返信

    人参さん、とおりすがりさん、ありがとうございます。
    とおりすがりさんに纏められてしまいそうですが(笑)、議論を進めましょう。
    人参さんからコメントを頂き、2点ほど私の考えを改めるところがありました。
    ①片道運賃(ワンウェイ)ネットワークによる参入障壁
    ②コンテナのコストの影響度の低さ
    です。
    ①について
    国内で直接的な競合がほとんどいないことが疑問だったのですが、人参さんのおっしゃる通り片道運賃(ワンウェイ)が大きな参入障壁になっていますね。レンタカーの乗り捨てではありませんが、片道運賃を実現するためには帰りの積荷を企業側が用意する必要があり一定の規模が必要です。
    以下の記事にもありましたが、アメリカ参入は実は再参入で過去に需要がつくりきれず撤退したことがあったそうです。「一定の規模」を作る大変さが伺い知れますが、想像以上に参入障壁の高いビジネスといえそうです。
    http://equitystory.jp/interview/n-concept_interview.html

  7. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/09(土) 19:49:46 ID:ef0546c98 返信

    ②について
    会計面の分析をサボっていましたが、人参さんがおっしゃるようにコンテナのコストは業績影響度が低いですね(減価償却費7.0%)。赤字にならないという意味での不況耐性はおっしゃる通りですが、不況を無視して成長していくというほどの力強さではないかなという印象です。
    ■コスト構造(27年度)
    海上運賃 16.1%
    労務費 2.1%
    海外作業料 31.8%
    傭車料 11.2%
    支払リース料 3.5%
    減価償却費 7.0%
    その他 3.9%
    SGA 7.1%
    (営業利益) 17.1%
    全体的なトーンは人参さんのおっしゃる通りです。想像以上に高い参入障壁のもと、年10%程度の成長が期待出来る企業だと思います。
    他に確認・議論したい点はありますか。

  8. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/09(土) 19:50:14 ID:ef0546c98 返信

    ③日本の財政破綻に対する考え方について
    様々な意見があるテーマですが、「この人のいう通り」という意見に出会ったことはありません。
    私の理解は下記の通りです。
    ・国家が破綻するのは「国債の買い手(貸し手)」がいなくなった時
    ・主要な買い手は①日銀、②日本の金融機関でどちらも「強い買い意識」がある
    ・日銀買い取りは本来デフォルトのようなものだが、奇跡的に何の影響もなく消化できている。日銀が買い取った国債は二度と売る必要はなく、結果として黒田バズーカ以降は毎年国家予算レベルの錬金術が続いている。(破綻が遠のいている)
    ・日本の金融機関にとっては国債はノーリスクで利回りが取れる金融商品(とみなされている)。日銀買い取りに押されて他で運用せざるを得なくなっているが潜在的な購入需要が残っている。
    ・一方で金融機関は「預金」があるから「運用」するのであり、預金額以上の国債は要らない。
    ・つまり①日銀買い取りが何らかの理由でできなくなり、かつ、②日本の金融機関が国債が不要になる。ここが日本国債破綻につながる最初のトリガー。

  9. 名前:見習い投資家 投稿日:2016/04/09(土) 23:26:17 ID:d13650b84 返信

    くだらない質問で水を差すようですが、
    2番目の画像はどこで見つけたものなのでしょうか。
    自分なりにも探したのですが、平成19年以降の業績を見つけることができなかったもので。
    よければ教えていただけないでしょうか。

  10. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/09(土) 23:49:38 ID:ef0546c98 返信

    見習い投資家さん
    資料はedinetから探しました。上場時提出資料p.23です。
    上場時ぐらいしか上場前の情報は出しませんのでその資料を探すイメージです。
    https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/E01EW/BLMainController.jsp?uji.verb=W1E63011CXW1E6A011DSPSch&uji.bean=ee.bean.parent.EECommonSearchBean&TID=W1E63011&PID=W1E63011&SESSIONKEY=1460212985495&lgKbn=2&pkbn=0&skbn=1&dskb=&askb=&dflg=0&iflg=0&preId=1&mul=日本コンセプト&fls=on&lpr=on&oth=on&cal=1&era=H&yer=&mon=&pfs=5&row=100&idx=0&str=&kbn=1&flg=&syoruiKanriNo=

  11. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/09(土) 23:49:49 ID:62d57d967 返信

    すぽさん、人参さん、とおりすがりさん、こんばんわ。疑問点など教えて頂きたく、書き込まさせて頂きました。よろしくお願いいたします。
    >人参さん
    日本コンセプトの変動比率や損益分岐点比率について質問させて頂きたいのですが、比例費70億の内訳は「海上運賃」「労務費」「海外作業料」「傭車料」「支払リース料」で合っているでしょうか?これらを足すと70.4億円になりおおよそ70億円になりました。しかし、「支払リース料」は備品などのリースだと考えると固定費とも考えられるのではないでしょうか?(勘違いしていたらすいません。)
    変動費率と損益分岐点比率について、もう一点疑問点があるのですが、SGA費の内訳の「給与および手当」を見ますと、204,920千円(約2億)とあります。一方、「従業員数」と「平均年間給与」を見ますと、これらの積は約4.2億円になります。差額の2.2億円の人件費は、売上原価に含まれていると考えるべきなのでしょうか?そうであれば、売上原価の中にも固定費が含まれている可能性も探るべきなのでしょうか?

  12. 名前:人参 投稿日:2016/04/10(日) 07:27:08 ID:0cbf8ea9e 返信

    すぽさんへ、
    分析ありがとうございます。現在低PERなのも、景気悪化を織り込まれているようですね。(行き過ぎのような気もしますが。)
    財政破綻についての質問にも回答ありがとうございます。
    トルネコさんへ
    財務諸表から限界利益を計算するのも、今回が初めてというレベルです。ですので、教科書的にSGA=固定費、支払いリース料も売上原価(=変動費)として計算しました。リース料も固定費にしたほうが良いのかもしれません。
    SGA費の内訳の「給与および手当」と、従業員数X平均給与の積が一致しないのは見逃していました。
    差額分は、売上原価に含めるたほうが良いのか、よい答えがみつかりません。

  13. 名前:見習い投資家 投稿日:2016/04/10(日) 08:37:48 ID:76621a45f 返信

    すぽさん
    ありがとうございます。
    助かりました。

  14. 名前:とおりすがり 投稿日:2016/04/10(日) 09:43:17 ID:4cad8127f 返信

    皆様
    またまたお邪魔いたします。
    固定費と変動費を計算されているのですが、
    今回の景気悪化を受けて、ISOコンテナの稼働率はどれだけ落ちるのですかね?
    (稼働率がわかれば、決算の予測ができそうです。)
    稼働率を維持するために、タンクコンテナが行く先々(片道輸送するため)で
    安定した受注が確保できるのかどうかが、重要そうです。
    水島支店開設やアメリカ開拓の営業力で、受注をカバーできるのか
    あるいは、リースのタンクコンテナを解約し、稼働率を調整できてしまうのか
    月次売上げのIRはないようですし・・
    人参さんも「不況時は当社の受注単価が下がる率以上に変動費単価は
    下落すると」と受注単価について、書いていますが、
    受注量についても、原油の値段は下がっいるものの
    量は減ってないわけで、そんなに輸送量は変わらない気もします。

  15. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/10(日) 20:53:19 ID:4a013b69e 返信

    >人参さん
    重箱の隅をつつくように指摘してしまってすいません(^_^;)私もこのような計算はあまりやらないので、自分でも計算をやってみたら疑問点が出てきてしまい、質問させて頂きました。厳し目に固定費を多めに見積もっても、損益分岐点比率は70%ほどになりました。売上が30%落ちても赤字にならない企業なのかなと思いました。
    >とおりすがりさん
    ISOコンテナの今後の稼働率は私も気になります。高い稼働率を維持するには「日本から海外に運ぶコンテナ数」と「海外から日本に運ぶコンテナ数」を同じ数量に近づける必要があると思います。海外から日本に輸入する液体などはたくさんあると思いますが、日本から海外に輸出する液体は想像が付きません。(おそらく少ない??)「日本から海外に輸出する液体」が何なのか?今後、この液体の輸出量を増やせて行けるかが、稼働率を上げる鍵になるのではないかと思いました。
    また、日本コンセプトがどのような性質を持つ液体を運んでいるかによって業績予想が変わってくると思います。例えば、生活必需品を作る原料を運んでいるのであれば、景気循環による売上の変動は少ないでしょうし、逆に、建設・土木で使用される化学薬品などを運んでいるなら景気循環による売上の変動は大きいと思います。

  16. 名前:人参 投稿日:2016/04/10(日) 23:10:51 ID:0cbf8ea9e 返信

    とおりすがりさんへ、
    今回の景気悪化について、
    リーマンショックレベルだと、石油化学製品の輸出量が2009年は
    その前後の年と比較して約2割減りました。
    (1兆5000億円→1兆2000億円)
    石油化学工業協会 https://www.jpca.or.jp/4stat/02stat/y2export.htm
    日本コンセプトの売上もそのくらい減ると思います。
    一方、2012年4~11月の景気後退くらいのレベルなら年10%程度の日本
    コンセプトの成長に吸収されてしまうと思います。
    景気の山谷のグラフ
    http://blog.goo.ne.jp/protect194/e/68d6d6bee9b44c924dfa100fad8bca84
    株価を見ると、上場したのはその景気後退期の2012年10月で、上場翌月
    に記録した株価の底では、当時の会社予想と比較してPER6.0以下に
    なっていました。
    2016年4月現在、着実にその時のPER水準に株価は近づいています。
    ご参考までに。

  17. 名前:人参 投稿日:2016/04/11(月) 00:30:07 ID:4fe6d48d7 返信

    トルネコさんへ
    コメントありがとうございます。
    国内から輸出する液体、および景気変動の影響について書きます。
    すぽさんが挙げられていた以下サイトに、
    http://equitystory.jp/interview/n-concept_interview.html
    「有機化学品や天然油、鉱油などが多く、危険物の輸送比率が高い」
    との記述がありました。
    また、当社の全ての支店の近隣には、石油化学コンビナートが立地して
    います。
    https://www.jpca.or.jp/62ability/0plant.htm
    ですので、コンビナートで生産された液体化学品が運搬物だと推測して
    います。(水島支店・徳島支店は特にそれを感じさせます。)
    コンビナートで生産される品目を見ると、工業製品および燃料を広範に
    カバーしています。(以下の図表1)
    http://www.dbj.jp/pdf/investigate/mo_report/0000015845_file3.pdf
    ですので、当社の売り上げ変動はGDP変動・化学製品売り上げに
    ほぼ比例するのでは、と推測します。(短期的には。中長期ではタンク
    ローリー・タンカーからの代替が進むので乖離があると思います。)
    また、あまりにも容積が大きいのはタンカーで運ぶほうが効率が良い
    ので、ISOタンクコンテナで運ぶのは、10~数百トンくらいの液体だと
    思います。
    「NICHICON」で画像検索すると、当社のISOコンテナタンクが
    見つかりました。エタノールアミン用タンクです。
    http://blog.livedoor.jp/e231_2000-kontena/archives/cat_604700.html?p=4
    エタノールアミンは先ほどの図表1では、右端の誘導品に属する
    化学品です。
    さらにethanolamin gradeで検索すると、各種エタノールアミンを説明
    する以下のページがありました。
    http://www.dow.com/amines/prod/ethano.htm
    エタノールアミンにも単体、二量体、三量体とあり、さらに低融点グレード、
    塩化鉄フリーグレードがあるそうで、当然それらはISOコンテナのような
    容器に別々に入れられて輸送・保管されているのだと思います。

  18. 名前:人参 投稿日:2016/04/11(月) 00:32:49 ID:4fe6d48d7 返信

    トルネコさんへ、
    ひとつ前の投稿からの続きです。
    貿易統計を見ると、ISOタンクでの輸送が適しているような品目の輸出量
    ・輸出先の表があります。
    ですが、品目と輸出先がコード番号表示なっており、非常に見にくいです。
    URLを貼るにとどめておきます。マニアックなネタになって恐縮です。
    以下サイトの第27類および第六部がISOタンクで輸送されてるかもしれ
    ない化学品です。
    http://www.customs.go.jp/yusyutu/2016/index.htm
    上のサイトの化学品について、コード番号を記録して、以下サイトの表
    にあてはめて輸出数量と行先を見つけることができます。
    http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/OtherList.do?bid=000001008800&cycode=1

  19. 名前:とおりすがり 投稿日:2016/04/11(月) 10:08:57 ID:e1b30923b 返信

    トルネコさん、人参さん、コメントありがとうございます!
    >2012年4~11月の景気後退くらいのレベルなら年10%程度の
    >日本コンセプトの成長に吸収されてしまうと思います。
    ・リーマンショックでも、日本コンセプトは売上・営業利益はそこそこ確保してますね。
    ・昨年の決算でも、売上は未達なものの、利益は上振れてます。
    また、上場来、下方修正なし、上方修正のみなので、保守的な業績予想をだす
    会社のようです。
    (キャッシュマシーンとして、信頼できそうです。)
    個人的には、2012年の不況時に上場する所が、気骨のある雰囲気でいい感じがしました。
    昨年、3分割や株主優待制度も実施しているので東証昇格を狙っていると思われます。
    今は不人気ですが、投資して3年ぐらい寝かせておけば、負ける気はしないですね。もしかしたら、化けるかもしれません。

  20. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/11(月) 19:32:54 ID:ec9e13c9d 返信

    人参さん、丁寧に教えて頂き、ありがとうございます。日本コンセプトがどのような企業に依存して、どういった物を運んでいるのかなかなかイメージが付かなかったので非常に助かりました。当社の営業支店の周辺を調べて見ると、確かに石油化学コンビナートがありました。
    石油化学コンビナートでの生成物を運んでいる割合が多いと考えると、手薄である関東や九州地域への進出で売り上げを伸ばしていくことが可能となりそうですね。一方、リスクとして、海外に石油化学コンビナートができるなどして輸出が減ることが脅威となりそうです。
    当社の成長性に関して素朴な疑問なのですが、世界のISOタンクコンテナの数量は10年で4倍(年率16%)で増え続けています。
    http://contents.xj-storage.jp/xcontents/93860/97f0045a/6a85/4a6d/a99a/091a8938e5da/20160310135112994s.pdf P10
    このままの成長率を続けたら、いつかISOタンクコンテナが必要数供給されてしまい、コンテナが余ってくるのではないかと懸念しています。(2015年の45万機が10年後の2025年には180万機に)人参さんは、当社の成長性について「売上・利益ともに年率10%前後で成長していく。」とされていますが、当分の間、ISOタンクコンテナは需要超過の状態が続くと考えられているのでしょうか?
    話が脱線しますが、ここで議論されている方のレベルって本当に高いですね。人参さんの書かれた内容が凄すぎて、自分が書き込むのが場違いなんじゃないかと思えてきました。私は、学ばしてもらうことばかりです…。

  21. 名前:人参 投稿日:2016/04/11(月) 23:46:07 ID:4fe6d48d7 返信

    トルネコさんへ、
    今後の成長性について。
    さすがに10年先まで年率16%のペースは持続不可能だと思います。年率10%成長を予想した根拠は過去数年の実績を延長しただけです。
    もうすこし細かく考えると、以下のような式でしょうか。
    当社の成長=液体輸送量の増加+タンクローリー・タンカーからの顧客争奪
    右辺の最初の項は、ざっくり年率3%くらいの成長速度(ちょっと古いですが以下は、数量ベースの輸出入量推移です(化学品液体に限らず)。
    http://www2.monex.co.jp/html_mail/mkt/monexmail/20120515/20120515_marubeni_graf_3.pdf
    右辺の第二項は、以下のようなイメージです。
    タンクローリーが100台稼働していて、毎年1割が寿命を迎えて買換えが必要になる状態、つまり10台買いかえれば台数100台を維持できる状態です。それを5台しか更新せず、5台分の需要は当社に移る。(数字は適当です。)
    タンクローリーの台数が減ってくると置き換えの速度も低下してきますが、業績変動の他の要因と区別するのは難しいくらいのペースでしょう(直近3か月の業績では。過去1年以上の業績を振り返ってわかるくらいかもしれません。)

  22. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/12(火) 01:05:23 ID:703897117 返信

    人参さんへ
    >液体輸送量の増加
    日本で使用される原油の量は人口に比例すると考えると、統計局の人口の推移と将来人口(http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.htm)から日本で必要とされる原油量も人口に伴って減少するのではないかとも考えられます。
    海外から運ばれてきた原油を精製し、国内で消費できない有機化学品を海外に輸出する際にISOタンクコンテナが使用されているのだとすれば、今後、人口減少と省エネ技術の向上で日本全体の原油の精製量が減少し、それに伴って液体輸出量は横ばい~減少していく可能性もあるかもしれません。
    >タンクローリー・タンカーからの顧客争奪
    タンクローリー・タンカーからの顧客略奪は今後も続いていくが、略奪で得られる売り上げの増加は次第に少なくなっていくイメージでしょうか。手薄である関東・九州地区での営業を強化できれば、売上は2倍に増やすことは難しくないような気もします。

  23. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/12(火) 01:26:49 ID:703897117 返信

    片道輸送について考え直してみました。以下では、日本コンセプトと同業他社(片道輸送が全くできない)を比較します。
    日本コンセプトの輸出額 4,364,811千円と輸入額 3,560,627千円です。輸出と輸入の単価が同じと仮定します。ここでは単純に日本から海外の輸出が436単位分、海外から日本への輸入分を356単位分として考えます。
    (1)日本コンセプトの場合
    輸出に436単位、輸入に356単位を運んでいます。得られる収入は436+356=792 (単位分)です。輸送費用は436単位分を往復させなければなりませんので432×2=872(単位分)です。
    (2)同業他社(片道輸送が全くできない)の場合
    輸出に100単位、輸入に0単位を運んでいます。収入は100+0=100(単位分)です。輸送費用は100単位分を往復させなければなりませんので100×2=200(単位分)です。
    ここで、日本コンセプトと同業他社(片道輸送が全くできない)の収入と輸送費用を比を見ます。
    (日本コンセプトの収入) 792 : (日本コンセプトの輸送費用) 872 = 
    (同業他社の収入) 100 : (同業他社の輸送費用) 200
    この式から日本コンセプトの収入と同業他社の収入を同じ額とすると、同業他社(片道輸送が全くできない)は日本コンセプトよりも輸送費用が1.82倍かかることが分かります。
    (続く)

  24. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/12(火) 01:50:15 ID:703897117 返信

    同業他社(片道輸送が全くできない)の輸送費用は、日本コンセプトの1.82倍ですから、同業他社の「海上運賃」は1.82倍かかっています。
    日本コンセプトの売上に占める「海上運賃」の比率は約16.1%なので、同業他社の売上に占める「海上運賃」の比率は約29.3%となり、13.2%分もコストがかかってしまいます。
    日本コンセプトの利益率が11.2%ということを考えると、片道輸送を全くできない会社が日本コンセプトと同額の料金で行ったとしても赤字になってしまいます。(※計算が間違っていたらごめんなさい)
    もし、日本コンセプトと同様に片道輸送ができる業者が多く出てきたら、価格競争に陥る可能性はありますが、片道輸送が全くできない業者に対しては大きな優位性があることが示されたと思います。
    ISOタンクコンテナの数量が世界的に指数関数的に増えたとしても同一のビジネスモデルの会社が出現しない限り、日本コンセプトの高い利益率は保たれる可能性はあるかもしれません。
    ※長文で分かりにくいことを書いてしまいました。間違っていたり、的外れなことを書いていたらすいません…。

  25. 名前:人参 投稿日:2016/04/12(火) 23:00:33 ID:051f8fea9 返信

    トルネコさん
    片道vs往復のコスト比較計算ありがとうございます。
    前のコメントでの海外コンビナートの脅威は確かにありますね。
    水島コンビナートでは旭化成(3407)と三菱ケミHD(4188)が稼働率低下を打開するために設備を集約するそうです。
    http://blog.knak.jp/2015/05/post-1555.html
    国内人口減による、需要の減退もマイナス要因ですね。
    ただ、最近の当社の株価動向を見ると、かなり業績の割には景気循環の影響を株価に受ける銘柄のようです。そうなると、上記のような長期間かけて織り込まれていくような要因(たとえば20年かけて需要20%減とか、数字は適当です。)よりも数年の景気変動を重視したほうが良いように思います。
    (景気の底近くで買って、天井近くで売る。)
    参考までに、PER推移は、2012年10月上場した直後の株価706円、一株利益会社予想128円から計算されるPER5.5が底でした。
    その後、アベノミクス相場2015年8月の株価3925円、同予想285円から計算されるPER13.8が天井でした。(その後9月に株式3分割してます。)
    上場してから1回だけの景気の波から推測すると、PER6近辺が買いの目安、売りの目安はPER13あるいは株価は底値から5倍が売りの目安になりそうです。(適当な数字です。責任もてないので本気にしないでください。念のため。)
    もはや、すぽさんの推す高成長株投資ではないですが。

  26. 名前:人参 投稿日:2016/04/12(火) 23:53:19 ID:051f8fea9 返信

    すぽさん・読者の皆様へ、
    ひとつ前のコメントで、高成長株投資以外の投資法について書いた言い訳です。
    当社についての議論をすぽさんにリクエストした時には、ネットワーク経済の事を聞こうとしていました。(専門用語だと「メトカーフの法則」が近いようです。)
    以下はネットワーク経済の説明です。
    拠点数がN個からN+1個に増えると、拠点間を結ぶ線の数はN本増えます。
    表にすると、
    拠点数 1 2 3 4 5  6
     線   0 1 3 6 10 15
    表の、線の数に売上が比例するとすると、拠点数が5→6に増えると売上は1.5倍になります。
    小売店などの銘柄では店舗数が5個から、1個ふえて6個になると、売上は20%増になると比較すると破格の増加率です。
    当社の場合、競争力の源泉は片道輸送体系につきるので、拠点数が増えれば加速度的に業績があがるように思っていたのですが、営業利益率は過去三年18%で安定しており、その他の簡単な利益率の指標でもネットワーク経済の効果は感じられません。
    多分、拠点が増えれば即、売上増に直結するというわけではなく、タンクコンテナ保有数・従業員教育なども並行して増強していく必要があるのかもしれません。
    いつ明らかになるかもわからないネットワーク経済の効果をバイ&ホールドで待つよりも、前のコメントで書いた投資法のほうが、この銘柄にはあっているような気がします。(個々人の投資スタイルにも依存しますが。)

  27. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/13(水) 02:43:22 ID:d8f7e62ff 返信

    人参さんへ
    >最近の当社の株価動向を見ると、かなり業績の割には景気循環の影響を株価に受ける銘柄のようです。
    私自身、人参さんの分析を読むまで日本コンセプトは景気循環に弱く、価格競争に巻き込まれやすい脆弱なビジネスモデルだと思い込んでいました。けれども、しっかり数字を追っていくと、不況に強く、競争優位のある会社なのだなと驚きました。(思い込みって良くないですね…)株価動向を見ますと、正当に評価されていない感じはありますね。
    >メトカーフの法則
    面白い考え方ですね。未開の土地で固定電話や鉄道などの事業をやることを考えれば、売上が物凄いスピードで増えていくことが想像できます。当社の売上にネットワーク効果が感じられないのは、片道輸送を実現するために「輸出でのコンテナ数」と「輸入でのコンテナ数」を同じ数量に合わせなければならないという縛りがあることが原因なのでしょうか?また、ひょっとすると、当社の事業は世界的に見れば後発組なので先行優位にある海外企業との競争に苦戦していることも考えられるかもしれませんね。

  28. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/13(水) 03:05:54 ID:d8f7e62ff 返信

    広く意見をお聞きできればと思うのですが、日本コンセプトの適正価格は1株いくらぐらいに見積もられるでしょうか?
    私は、まず過去5年の平均利益率9.63%から将来の競争激化を想定して、将来(10年程度)の平均利益率を7.63%と見積ります。次に今後の売上の成長率は7%程度と見積もり、増収増益が毎年期待されていることから平均的な企業ならばPER20で評価されると思われます。
    http://www.spotoushi.net/archives/42361660.html
    当社は、自己資本比率が低めであり、単一のビジネスに過度に依存していることやビジネスの競争環境が分かりにくいことなどを考慮して、適正PERを16倍程度に調整します。
    現在の売上と予想平均利益率7.63%からEPS63.3円。適正PER16倍としているので現在の適正価格は1012円と算出します。
    私自身が日本コンセプトについてまだまだ分からない部分が多いのでかなり辛目に値段を付けました。辛目に付けても現在の株価は809円なので、良い投資先だと思います。

  29. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/13(水) 09:34:21 ID:5d6ae4b71 返信

    人参さん、みなさん
    楽しい議論ありがとうございます。
    >人参さん
    メトカーフの法則・ネットワーク経済は「プラットフォーム型ビジネスモデル」を発生させる根幹となる原理です。
    一点感じたのは「ネットワークの増加」と「そのネットワークの利用量」を一緒にされてしまっているかなということです。
    例えばLINEは2億人のユーザーがおり、ネットワーク数は2億×2億ですが、そのネットワークは全て使われる訳ではありません。例えば私が使うのは2億人のうち10人程度ですし、仮に明日ユーザー数が4億人になっても私が使うつながりは変わりません。
    一方で私が「ユーザー数100万人の別アプリ」に切り替えるかというとその可能性は低いです。10人程度のメンバーですが全員アプリを持っている可能性が格段に下がるからです。
    つまりネットワーク数は競争優位には大いに役立つがニーズに直接つながるものではないということです。
    日本コンセプトにあてはめると拠点間のネットワークは「二乗」で増えるが、ニーズは「貨物の全需&モーダルシフト割合」で増えるということです。
    プラットフォームの原則はこの記事で紹介している山田英夫さんの本が詳しいです。
    http://www.spotoushi.net/archives/42361429.html

  30. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/13(水) 23:40:34 ID:446ac572a 返信

    みなさん
    ここまでみなさんの意見などを踏まえて、成長の見通しなどをまとめていきます。
    ・売上成長はこれまでのトレンドを踏まえ10%が軸。米国の成功やモーダルシフトトレンドの上振れなどがアップ要因。
    ・景気の波・全需の波が業績に与える影響は大きい。波によっては減収や営業利益率低下(下限で5%程度か)の可能性もある。
    ・ビジネスモデルは想像以上に盤石。国内での直接的な競合は今後も想定できず過当競争になる可能性は低い。営業利益率も最大20%、最小5%ぐらいか。
    ・株価は非常に割安。地味な業種で「儲からない」と思われているような株価。
    こんな感じで考えています。みなさんいかがでしょうか。

  31. 名前:人参 投稿日:2016/04/14(木) 07:15:00 ID:ed4f1343f 返信

    すぽさんへ、
    成長見通しのまとめ、ありがとうございます。同意します。

  32. 名前:人参 投稿日:2016/04/14(木) 07:21:45 ID:ed4f1343f 返信

    すぽさんへ、
    プラットフォーム型ビジネスモデルの、「ネットワークの増加」と「そのネットワークの利用量」の区別が必要とのご指摘ありがとうございます。おすすめの、山田英夫さんの本をAmazonで注文しました。届くのが楽しみです。
    トルネコさんヘ、
    議論にお付き合いいただきありがとうございます。すぽさんがまとめに入られましたので、答えきれていない事もありますがご容赦ください。

  33. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/14(木) 08:00:31 ID:ec5ed38d4 返信

    >すぽさん
    私も同意します。
    >人参さん
    お付き合いありがとうございました。私の疑問点にも丁寧に分かりやすく答えて頂き、非常に勉強になりました。また、このような議論の場がなければ、ここまで深い分析はしていなかったと思うので、本当に良い機会になりました。ありがとうございました。

  34. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/14(木) 23:36:03 ID:5efbd87a3 返信

    人参さん、トルネコさん、みなさん
    結論を書いてみましたのでご確認下さい。問題なければ確定します。

  35. 名前:人参 投稿日:2016/04/15(金) 00:25:42 ID:9acd80df0 返信

    すぽさんへ
    リクエスト銘柄への真摯な対応、および結論ありがとうございます。
    確認したところ、PERの部分ついて事実誤認があるようなので修正をおねがいします。コメント27に書いたように2015年8月の上場来最高値では会社予想利益から計算したPERは約14でした。前年度利益からら計算したPERは更に高かったです.

  36. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/15(金) 00:30:21 ID:731ec7761 返信

    人参さん、ご指摘部分修正しました!

  37. 名前:トルネコ 投稿日:2016/04/15(金) 01:34:38 ID:1837ba9d0 返信

    >すぽさん
    結論に異論ありません。今回も楽しい議論をありがとうございました。

  38. 名前:すぽ 投稿日:2016/04/15(金) 08:26:43 ID:5dc82964c 返信

    人参さん、トルネコさん、みなさん
    評価を確定しました。楽しい議論ありがとうごさいました。
    >人参さん
    議論をリード頂きありがとうございました。人参さんの分析はとても詳しく、私からお伝えできることがなく困っていましたが、ネットワーク効果のところで少しだけ意見が言えてほっとしています(^^)
    今後もよろしくお願いしますね。