コメントで分析したまま、エントリにできていませんでしたので改めて整理します。
7148FPGは「タックス・リース・アレンジメント」という、節税(繰り延べ)スキーム生成事業を中心とする、会計プロフェッショナル企業です。この事業は技術力やコネクション作りが参入障壁となりほとんど独占状態です。また先日増資をしたことに反応して株価が少し下落しています。いつも通り分析します。
Step1.業績の確認
GMOクリック証券の分析を使います。Valuation Matirixが使いづらいのでこちらを使っています。
- 売上・営業利益ともに30〜50%程度の成長
- 営業利益率は50%近く。現金も順調にたまっている。
- BS、CFから「異常に大きい借入と資産」が生まれている
→成長性・収益性が抜群。最後の点が気になりながら次のステップへ
Step2.ビジネスモデルの確認
「タックス・リース・アレンジメント」というのは、節税(繰り延べ)効果を利用したリース型の投資商品(生成スキーム)のことです。リースをする企業、銀行、投資家を巻き込む複雑な商品で、会計プロフェッショナル性、営業コネクション作りなど高い参入障壁があります。
商品の詳しい解説はこちら http://www.fpg.jp/ir/business.html
生成商品を投資家に売却するので、「価格変動が小さく数年後も残存価値が高い商品であること」が必要です。また、手間がかかる上に手数料商売なので「高価な商品である」ことが必要です。このためコンテナ・船舶・飛行機など限られた商品が対象となっています。
IR資料からは、ニーズが旺盛なのに関わらず、「スキーム組成の資金調達」と「人材」という企業側のボトルネックで仕事をお断りしているような、滅多に見かけない他社がうらやむ状況になっていることが見て取れます。今後の成長余地は計りづらいですが、飛行機市場の規模に対して、まだまだ小さい事業ですのであまり心配はなさそうです。一点、一つ一つの案件が大きいため、成長は間違いない中でも多少ブレは発生するのが注意点です。
BS、CFでの特殊な数値は商品生成後に投資家に売却するまでの預かりによるものでした。
Step3.株価の確認
(2014年5月27日)893円、来期PER15.9 PBR6.5 ※増資前の株価/純資産の部で計算
これに株数2割増、純資産の部2倍となる増資が実行されたので
来期PER 19.1 PBR3.2
と計算しなおすことができます。このPERは増資前の会社の業績予想をベースにしていますので、今後の上方修正が行われる可能性が高い状況です。この増資は珍しい「よい増資」であると考えています。
という訳で、「成長、ビジネスモデル、割安」がそろったA→S戦略と言えます。4.0です。
すぽさん、FPGのエントリー大変参考になります。さて、今政治の場で議論されている法人税減税は実現すればFPGにとって大きな追い風になりそうですが、一方で同時に減価償却制度の見直しも俎上に載せられているという報道もあり(4月8日日経記事等)、もし定率償却が廃止されるようなことがあるとFPGにとっては大打撃になる可能性もあります。私はこのリスクが気になり、FPGの買い増しはいったん見送り、むしろポジションをやや減らして様子をうかがっているところです。このリスクについてすぽさんはどのように考えておられますか。