なぜビジネスモデルを重視するのか①

私が株を買う場合は、割安、成長、ビジネスモデルが揃っていることを基本的条件にしています。では、なぜビジネスモデルを重視しているのかについて記載しておきます。

株主にとって最も大切な指標である利益は、実はほんのちょっとの価格決定権によって大きく変化するものです。

例えば、1,000円の商品を1,100円で売ることができたとします。このことはお客さんにとっては大したことではなく、ある商品が10%ぐらい高くなっても購買意欲にはほとんど影響しません。
ところが企業側に目を向けると、この10%の値上げはものすごいインパクトがあります。営業利益率5%のフツーの企業が、営業利益率15%近くまで上昇します。営業利益率が15%あれば、自然に純資産も積み上がり企業運営は極めて安定してきます。当然倒産リスクも非常に低くなります。
逆の例も考えてみましょう。1,000円のものを900円でしか売れなくなってしまう場合です。この場合もお客さんにとっては大した変化ではありません。
しかし、企業側ではきっととんでもないことが起きていることでしょう。5%の営業利益率の企業であれば、このままでは5%の赤字になるのですから。赤字を回避するためには、1.コストダウン、2.人件費(給料)ダウンや、3.売上を伸ばして固定費分の経費効率を上げるといった施策が必要ですし、それができないと金策に追われる事になります。銀行も5%の赤字の企業にはお金を貸したくありませんから、借りるのにもとても苦労するでしょう。

結局1,000円の商品を1,100円で売れるか、それとも900円でしか売れなくなるのか、こんなちょっとのことが企業運営にとって生死を分けるのです。