儲かる企業とそうでない企業

世の中には儲かる企業とそうでない企業があります。こう書くと何だかバカみたいですが、何がこの二つを分けるかは非常に重要なテーマです。私は株式投資を始める前からずっとこのテーマについて考え続けていて、私の中では概ね結論が出ています。

経営者、ビジョン、戦略、市場環境、営業力、技術力、コストダウン力、ビジネスモデル・・・

企業の業績に影響を与える要因は山ほどありますが、これらのうち最も重要なのは、①市場環境、②ビジネスモデルだと考えています。

ニーズがあって競争に勝てれば良い

企業活動を突き詰めて考えると、何より重要なのはニーズであることに気づきます。ニーズがないところにはビジネスはなく、全ての強みは無意味です。そしてこの「ニーズ」は企業内部から生み出すことが想像以上に困難です。日本中のほとんどの企業が成熟市場に悩んでおり、潜在ニーズを掘り起こすなどと経営者が旗を振っていますがなかなかうまくいきません。
その一方で、ニーズは一度火が点くと通常は数年から十数年間ぐらい継続する性質があります。マーケティングで有名なプロダクトライフサイクル論はこのニーズの移り変わりを表現したものです。ですので成長株投資をする際は「そもそもニーズが溢れているか」が何よりも重要になります。
ニーズの次に重要なのが「競争で勝つ」ことです。いくらニーズがあってもそこで勝ち残らなければ株は紙くずになります。競争で勝つと言っても、孫子がいうように「戦わずして勝つ」が最良の策であり、バフェットさんの言う「お堀で囲まれたビジネス(≒優秀なビジネスモデル)」があるとその理想に近づきます。プラットフォーム型独占はその最たる例です。

そしてやむを得ず戦わざるを得ない状況、つまり戦って勝つ為に必要な能力として、経営者の統率力、シェア、社員、戦術、強み(技術、コスト)などの要因が出てきます。
図10

株式投資の世界では企業を自由に選べますので、この優先順位で選択できますし「ニーズに溢れ、戦わずして勝つ」という夢のような企業もたまに存在します。私がたまに使う「ビジネスモデル8、経営者2」という表現はこういった考え方をベースにしています。

そして株式投資では株価の視点も必要ですので、これらの考え方に株価を加え「成長、ビジネスモデル、割安」を私の投資軸としています。

儲かる企業に中長期投資。投資法にはいろんなタイプがありますが、私が目指しているのはこんな投資法です。

#異論反論大歓迎です。

『儲かる企業とそうでない企業』へのコメント

  1. 名前:imoekat 投稿日:2016/03/21(月) 19:23:25 ID:a7690e1aa 返信

    すぽさん、こんばんは。
    記事内容概ね同意です!
    堀の深いビジネスモデルを持ち誰が経営しても安定してる会社が理想ですね 笑
    私もある程度の規模の会社ではビジネスモデル8、経営者2くらいの評価でみていますが、時価総額数百億レベルの小さな会社だと経営者のビジョンやバイタリティが今、正に強固なビジネスモデルを構築中という感じで、経営者の比率が大きくなる感じがするのです。
    すぽさんはこの点どう考えていますでしょうか?

  2. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/21(月) 22:14:05 ID:a8ff6ccf3 返信

    imoekatさん、ありがとうございます。
    自信作のつもりで書いたのですが、皆さんからの反応が弱いのでもう少し噛み砕いて書いてみようかと思い始めているところでした(笑)
    > 堀の深いビジネスモデルを持ち誰が経営しても安定してる会社が理想ですね 笑
    そうですね。数年前ならCOOKPADなんかが成長も含め無敵でしたね。高くて手が出ない銘柄でしたが。
    さて本題です。imoekatさんのご指摘の通りでビジネスモデル8:経営者2というのはある意味デフォルメしているところがあります。
    表の「戦って勝つ」というところでは「経営者の統率力」という表現をしていましたが、この「8:2」という表現は経営者は統率する人だという前提での考え方です。しかし当然ながら、経営者は「統率する」だけではなく、ビジネス自体を作ることも可能です。
    ただ、私が重要視する「ニーズ」「ビジネスモデル」は基本的に人為的に変化させるのは困難なものだと考えています。
    経営者にできるのは変化させることではなく、ニーズの流れやビジネスモデルの発生箇所にビジネスをうまく動かすことだと考えています。孫さんはムーアの法則を軸に常にITに身を置いていますし、トヨタが織機から自動車に事業を動かしたのも同様です。ビジネスモデル適用変化例として面白いのはPCデポでしょうか。
    というわけで回答まで回りくどくなりましたが、重要なのは「ビジネスの場所を動かす」ことだと考えており、おっしゃるように小さい方が動かしやすいとは思います。ただ事業の大きさよりも「創業者である」といった要因の方が重要だと考えています。
    そういう事情があれば「8:2」という基本バランスから変化しうると思います。

  3. 名前:imoekat 投稿日:2016/03/21(月) 23:45:37 ID:192d17902 返信

    すぽさん、返信有難うございます。
    これ以上具体化すると必要十分な情報ではなくなりそうなんで調度良いと思います 笑
    ビジネスを動かすことが経営者の出来ることというのは「なるほど!」と思いました。
    確かに創業者は良くも悪くも影響力大なので、別と考えた方が良さそうですね。
    「ニーズ」に関しては仰る通り、最も大事な上に関与不能なので「そこに気付くか?」という点がとても大事ですね。
    皆が同じ様に見えている風景を別の視点で見れる企業がそこにいち早く参入するのでしょう。
    「ビジネスモデル」に関してですが、「発生」という言葉を使った理由は人が関与出来ないという意味合いだと思いますが、「発生」とはどのような過程を辿るのかもう少し教えていただいてよろしいでしょうか?
    ニーズに気付き、とにかく早く動きシェアを握った時に結果ビジネスモデルが出来ている感じなのかなーと自分なりに思いました。

  4. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/22(火) 08:43:00 ID:9cbc376ce 返信

    imoekatさん
    仰るとおりビジネスモデルも基本的に関与不能なものだと考えています。ビジネスモデルはお客さんのニーズと密接に繋がって偶発的に生まれます。
    プラットフォーム型は「他の人とやりとりしたい」
    ストック型は「企業側に継続してフォローして欲しい」
    アフタービジネス型は「本体以外の付随商品を使いたい」
    このようにモデルごとの基本的なニーズがあり、これらのニーズがあるからビジネスモデルが生まれるという関係になっています。
    例えばプリンターと空気清浄機の例で考えてみると、どちらにもインクとフィルターという消耗品がありますが、空気清浄機をアフタービジネス型と呼ぶのはやや苦しいです。プリンターに比べフィルターは滅多に交換されないからです。
    かといって企業側が意図的にフィルター交換が増えるようにすると、お客さんは他社製品に流れてしまいます。結局基本的なニーズがビジネスモデルを生み出すのです。
    ビジネスモデルの発生についてはこんな感じで考えています。「ある特定のニーズを満たすとビジネスモデルがセットでついてくる」というところでしょうか。

  5. 名前:トルネコ 投稿日:2016/03/22(火) 09:57:16 ID:98bc66eaa 返信

    非の打ちどころがない渾身の作で異論・反論するには、非常に難しい文章だなと思いました(^_^;)興味深い内容で面白かったです。
    投資家の方なら末永く生き残る企業や成長していく企業にはどのような特徴があるのか考えを巡らす人は多いのかなと思います。私自身も普段から考えていまして、「競争環境」「企業の優位性」が最も重要なのかなという考えに落ち着いています。考え方のプロセスは違ったのですが、結論はすぽさんと概ね変わりませんでした。
    最近、本を読んでいてダーウィンの名言に気付かされることがありました。
    「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。」
    よくよく考えてみると、市場環境や競争環境も変化していきますし、ビジネスモデルも未来永劫保たれるわけではなく、強固なビジネスモデルがかえって組織を腐らせてしまうこともあるように思います。業界によっても変化の期間が違い一概には言えないのですが、変化の早いIT業界やゲーム業界などでは「変化できる力」の重要度が増してくるのではないかと気づかされました。
    すぽさんは、ビジネスモデルが優れている企業であっても新しいことに挑戦しない企業などはどのように考えられますか?

  6. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/22(火) 18:56:38 ID:9cbc376ce 返信

    トルネコさん、ご質問ありがとうございます。
    変化が重要なのはその通りですし、強固なビジネスモデルがあると人(経営者/社員)が弱くなるという点は全く同意です。ですがその変化を企業に期待するのは酷なのではという気がします。
    imoekatさんとのやりとりでも書かせて頂いたように、本当に必要なのはちょっとした変化ではなく「ビジネスの場所を変える」レベルの変化です。googleですら広告以外のビジネスはなかなか生み出せないように「変化が得意」程度でうまくいく話ではありません。
    また強固なビジネスモデルで緩い環境にいることで人は弱くなるというのは同意です。成長期ならば市場拡大や新しい役割が生まれるのでまだマシですが、成熟期で強固なビジネスモデルだと、経営者/社員みんながビジネスモデルに寄りかかるようになります。多少喝を入れれば赤字が黒字になるぐらいはありえますが、新しいビジネスを生み出すのは別次元の話です。
    株主としては企業に変化を求めるよりも、株を入れ替える方が現実的ではないかと思います。(ちょっとズルいかなぁと悩みますが)

  7. 名前:プレノン 投稿日:2016/03/22(火) 22:47:53 ID:79986a2af 返信

    成長株投資にこだわりがない投資家にも当てはめることが出来るフレーミングだと思います。
    私はどちらかというと衰退業種の中の強い企業に投資することを好んでいるのですが、それでも流石に将来消滅するほどニーズに見放されていては困るわけで、「数社はほぼ永久に生き残れる程度の市場規模」は必須項目です。だから「①ニーズがある」は長期投資にはどうしても避けて通れない。
    そしてそんな将来性のない業種は例外なく古い業界慣習とセグメントの魅力のなさそのものが参入障壁になっているので、レガシー企業が「②戦わずして勝つ」ことが出来る場合が多い。
    ただ、衰退業種投資法でも①の程度を見誤ると、一見完璧に衰退業種の最強企業を体現していると思われたコダックの破綻に巻き込まれてしまったりと、決して楽な道ではないことは成長株投資と同じかもしれません。タバコ業界くらいかもしれません、完璧な非成長業種というのは。

  8. 名前:imoekat 投稿日:2016/03/22(火) 23:54:01 ID:0e1467125 返信

    すぽさん
    詳しい、ビジネスモデルの説明有難うございます。
    良く分かりました。
    「ニーズの捉え方、その解決法によりビジネスモデルが自然と決まる」ということですね。
    ということは、「ニーズの捉え方」に全て集約されてきますね。この視点を持てば、よりシンプルに企業の考え方が分析出来る気がします。
    つまり、企業は「ニーズをどのように捉えているか?」という部分により注目すると理解が深まるかなと
    すぽさんの仰る通り、この「捉え方」が変わらない限りビジネスモデルの変化は難しいでしょう。根本的な「ニーズの捉え方」を変えるには、正に別の視点が必要でビジネス自体の変化になると思います。
    バフェットの言う「壕に囲まれたビジネス」には、ビジネスモデル以外に「ブランド力」も含むような気がしますが、同じ商品、サービスでも高価格が付けられる「ブランド力」についてはどう考えていますでしょうか?
    「ブランド」と言っても”企業の歴史”だったり、”発信する企業イメージ”だったり・・主観的なモノだったり客観的なものだったり・・視点により色々な捉え方があって面倒な話しだと思いますが、すぽさんの考えを聞いてみたいです。よろしくお願い致します。m(–)m

  9. 名前:トルネコ 投稿日:2016/03/23(水) 08:51:09 ID:fab802eaf 返信

    回答ありがとうございました。レベルの高い方が多いので、考えを整理するのに時間がかかっているところです(^_^;)投資経験豊富な方の実体験から考え抜かれた理論には、違いがありつつも説得力のある内容で「なるほど」と目から鱗が落ちます。
    すぽさんの「重要視する「ニーズ」「ビジネスモデル」は基本的に人為的に変化させるのは困難なもの」と考えられていることから、企業の「変化する力」は重要視する順位は高くないということなのですね。
    すぽさんのおっしゃる「市場環境」とは、「競争のない未開拓市場」という意味なのでしょうか?それとも、斜陽産業や合理化されていない業界(スキー場、カーディーラーなど)、不人気や認知度の低さゆえに競争があまりなされない業界などは含むのでしょうか?
    私自身は、競争にさらされやすいマーケットで戦っていたこともあり、儲けとライバルの数は反比例するものだという意識がありました。市場環境=競争環境(ライバルの数)と捉えていたのですが、少し意味合いが違うのかなと疑問に思いました。

  10. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/23(水) 09:15:00 ID:c368d067b 返信

    imoekatさん、ありがとうございます。
    ブランドについては残念ながらまだよく分かっていません。自分が分かっているのは以下のことぐらいです。
    ・刻印が打たれるのは商品ではなく、お客さんの心の中
    ・「ブランド=高く売れる」ではない
    ・高く売るのが、高価格ブランドへの第一歩
    ブランドの語源は牛の刻印だと言われています。バッグにコーチの焼印を入れる。これがブランドです。ただよく考えると焼印が打たれるのはバッグではなく、一人ひとりの心の中と考えた方が実態に近いと思います。
    ・あの商品は高いが高品質
    ・あのスーパーは安くてよい品がある
    ・あの監督の映画は面白い
    こういう一人ひとりの商品に対する心の中の刻印がブランドです。ですので一般に言われる「ブランド=高く売れる」というのはちょっとズレていて、低価格ブランドも当然ありますし、商品や企業イメージ伝えるマーケティングコストを省けるというのがブランドの主機能だと思います。
    (参考)実はNo.1しか選んでいない
    http://www.spotoushi.net/archives/42361853.html
    ですので高価格ブランドをつくりたいのであれば、まずは高く売るのがスタートです。そして高価格で買ったお客さんが「高いが素晴らしかった」と思うと、その人に高価格ブランドが刻印されます。(逆に「高いがロクでもない」と刻印されることもあります)
    私が理解しているのはここまでです。

  11. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/23(水) 09:15:04 ID:c368d067b 返信

    プレノンさん、ありがとうございます。
    衰退業界、いわゆる残存者利益にベットするというのはなかなかユニークな投資ですね。アメリカのような自社株買いに積極的な企業であれば退屈で優秀な投資ができそうです。
    プレノンさんのブログはいつも楽しみに読んでいます。これからもよろしくお願いしますね。

  12. 名前:ビジネスマニア 投稿日:2016/03/23(水) 13:03:06 ID:a0a7eec68 返信

    こんにちは。興味深く読ませていただきました。
    市場環境が最重要というのは私も同じ考えです。需要のないところでビジネスは成り立ちません。
    またマーケットインでビジネスをやっているトコは業績に安定感ありますし、プロダクトアウトの爆発力は無いものの手堅い。
    そういう意味では投資しやすいと思います。
    次に競争に勝つのが大事、これも同意。
    私は「戦略」が競争の勝ち負けor競争の有無を分けると考えます。ビジネスモデルは戦略の構成要素のひとつ。
    例えばエムスリー。谷中社長がソニー(ソネット)と医療関係者の両方に顔が利くことを活かしてソネットに株を持たせて大企業の信用を取り入れる・現実的に医師を巻き込む、といったことを実現し、サービス価格では製薬会社に対して超高価格な値決めを貫くことで競合が潤うのを間接的に阻止するなど、エムスリーは王者への道筋(戦略)がきちんと描けて実行できるところが競争優位になっていると思います。
    なおプラットフォーム型は競争に打ち勝った王者が使えるビジネスモデルです。
    最初からプラットフォーム型ビジネスを展開することで競争を避けようとしても、プラットフォーム同士の競争に陥るだけ。
    なもんで、競争に勝つことが大事。
    (もし競争が無いならむしろその市場大丈夫?という感覚です。)
    私は、需要を掴んでいる(マーケットイン)または需要を作り出している(プロダクトアウト)、かつ競争優位性がある会社の株を好んで買います。

  13. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/23(水) 18:20:28 ID:c368d067b 返信

    トルネコさん、ありがとうございます。
    > 市場環境=競争環境(ライバルの数)と捉えていたのですが、少し意味合いが違うのかなと疑問に思いました。
    私が書いた市場環境とは競争環境よりももう少し基礎的な環境のことです。海でいうと潮の流れのようなイメージで、居るだけで成長してしまうような環境を指しています。
    トルネコさんはもしかしたら競争環境を将棋盤のようなものと捉えていらっしゃるのかなと感じましたが、その将棋盤自体が大きく動いていると言っています。
    競争と利益についてはトルネコさんの感覚と変わりありませんね。
    (参考)営業利益率と競争
    http://www.spotoushi.net/archives/42361818.html

  14. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/23(水) 18:48:44 ID:c368d067b 返信

    ビジネスマニアさん、ありがとうございます。盛り上がってきましたね。
    戦略を上位に持っていく考え方はよく分かります。この記事の表でも「戦術」とは書いても「戦略」と書かなかったのはそういった意味合いもあります。
    もう一点、ビジネスモデルの定義・何を指すのかがどうしても曖昧になるため、捉え方によって結論も変わってしまうかなと感じています。
    私はビジネスモデルは戦争における「地形(地の利)」のようなものと捉えています。堀が深い天然の要塞、高地、谷・・・こんなイメージです。
    例えばクックパッドやLINE。プラットフォーム独占になるともう戦略の及ぶレベルではありません。戦略の定石なら「もう手を出さない」ということになるのではないでしょうか。
    ではそれらの企業が戦略に長けていたでしょうか。私にはそうは思えません。プラットフォーム型は「多い方が勝つ」仕組みであり、先に城を取ったら無敵の堀があったというのが実情だと思います。
    (参考)06.ビジネスモデル②:プラットフォーム型
    http://www.spotoushi.net/archives/42361429.html
    トルネコさんへのコメントでも書きましたが
    ①潮の流れのような大きな市場環境
    ②地形(地の利)のようなビジネスモデル
    私たちが普段想像する「競争」の話の前に、重要なことがあるだろうというのがこの記事の主旨です。

  15. 名前:トルネコ 投稿日:2016/03/23(水) 19:49:25 ID:fab802eaf 返信

    すぽさん、ありがとうございます。少しずつ理解が深まってきました。
    競争環境は、「売り手」サイドのみが競い合っている状況のこと。
    市場環境は、「売り手」と「買い手」の双方の状況のこと。
    市場環境は、競争環境を包括する概念ということなのですね。すぽさんのおっしゃる市場環境の良い状態とは、「買い手(需要)が多くて売り手(供給)が追い付いていない環境のこと。つまり、需要超過の状況のこと」と解釈すればよいでしょうか?
    ビジネスモデルが良くても市場環境が悪ければ、成長することができない場合があるから市場環境の良し悪しは、ビジネスモデルよりも重要度が高い。
    企業間で競争していく中で、いろいろな要素が競争の結果を左右する原因になりますが、すぽさんの挙げられている4つのビジネスモデルの特徴を備える企業は、他社が戦う気が無くなってしまうぐらい強力な要素なので他の要素(経営者の統率力、シェア、社員、戦術、強み)よりも優位にあるということですね。
    間違っているかもしれませんが、自分の中で少しずつ整理できてきたような気がします。

  16. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/24(木) 00:15:11 ID:fac1cff64 返信

    トルネコさん、ありがとうございます。
    >市場環境は、競争環境を包括する概念ということなのですね。すぽさんのおっしゃる市場環境の良い状態とは、「買い手(需要)が多くて売り手(供給)が追い付いていない環境のこと。つまり、需要超過の状況のこと」と解釈すればよいでしょうか?
    はい。そういう理解で問題ありません。
    需給超過というと割と短期的な印象になりますね。「需要が増え続けている状況」ぐらいに捉えてもらう方が良いかと思います。
    >ビジネスモデルが良くても市場環境が悪ければ、成長することができない場合があるから市場環境の良し悪しは、ビジネスモデルよりも重要度が高い。
    はい。その通りです。
    >すぽさんの挙げられている4つのビジネスモデルの特徴を備える企業は、他社が戦う気が無くなってしまうぐらい強力な要素なので他の要素(経営者の統率力、シェア、社員、戦術、強み)よりも優位にあるということですね。
    概ねYesです。
    ただ私が紹介している4つのビジネスモデルが同じように競争優位に影響があるかというと少し違います。
    プラットフォーム型:No.1しか許さない仕組みであり極めて強い競争優位を発揮する。
    アフタービジネス型:他社への競争優位ではなくお客さんの価格反応性を鈍らせる。どの企業にも利益の底上げが起こる。
    地理的独占型:局地的な優位性のため棲みわけが起こりやすい。結果としてどの企業にも利益の底上げが起こる。
    シェアNo.1:正確にはビジネスモデルではない。No.2以下に対し、コスト面戦略面情報面など様々な優位性がある。
    こんな感じですね。

  17. 名前:ビジネスマニア 投稿日:2016/03/24(木) 00:24:23 ID:46d0ddcb3 返信

    ご回答ありがとうございます。
    「ビジネスモデル」が何を指すかの定義によって捉え方が変わるのは私もそう思います。私が言う「戦略」も何を指しているのかによって答えが変わりますね。言葉の定義はともかく、すぽさんがおっしゃりたいことはよくわかりました。クックパッドの例はわかりやすいですね。
    なので話は終わりなのですが…以下はついでの脱線コメントです。
    ・クックパッド、LINEについての私見
    クックパッドは確かに戦略ありきで展開したものではないでしょうね。ここは昔から戦術面(主にSEO)が圧倒的に強く、同種のレシピサイトより集客面での優位をキープし続けていました。また、ユーザーに支持されるブランド力があり、低コストで認知拡大✕ブランド力でユーザー獲得のスパイラルがハマって伸びたという印象です。そして穐田さんが加わった後は戦略を描いて競合を突き放す会社へ成長したと思います。
    LINEについては、すぽさんとは考えが異なりますが、私は非常に戦略的な会社だと思います。特にマーケティング戦略が他のITサービス企業とは段違いに秀逸で、初期ユーザー獲得から一般ユーザー拡大への流れは美しさすらありました。LINEアプリがリリースされ最初にちょこっとヒットしたとき…これはあらかじめ狙ったものではないでしょう。ただ、それを一発花火で終わらせずにアプリ・サービスを成長させていった道筋はかなりの部分が狙って当てたものだと思っていて、他のメッセージングアプリはこの工程で置いていかれました。それがまさしく戦略による競争の勝利だと考えています。
    長々と失礼しました。
    すぽさんには今度「ブルーオーシャン戦略」をどう考えるか書いてもらいたいですねえ。興味あります。。勝手言ってスミマセン。

  18. 名前:トルネコ 投稿日:2016/03/24(木) 06:29:18 ID:fb062299f 返信

    すぽさん、ありがとうございます。すぽさんの考えを自分なりに整理することができました。
    私自身は、「儲かる企業=利益率が高い=競争環境が良い(ライバルが少ない)or競争優位がある」と考えていたので、「ニーズがある(市場環境)」が最も重要だという考えがよく理解できていませんでした(^_^;)丁寧に解説して頂いてありがとうございます。スッキリ腑に落ちたように思います。

  19. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/24(木) 08:37:17 ID:1710d8397 返信

    ビジネスマニアさん、ありがとうございます。
    書き込みから企業競争のダイナミズムに対する関心・情熱を感じます。私も株式投資そのものよりもそちらへの思いが強いので嬉しくなってしまいます。
    仰る通り、戦略は抽象度を変えられますし定義が難しいですね。
    LINEに対してだって「もっと簡単なインタフェースでLINE市場を壊す」なんて考えることも一応可能です。
    LINEの事業展開力に関しては私も優秀だと思っています。ただメッセージアプリは典型的なプラットフォーム型で、国ごとに別々のNo1が存在しています。
    http://www.appps.jp/2128279/
    これを見るにつけ、早い者勝ち(地の利)だと考えざるを得ません。
    ブルーオーシャン戦略については「誰も居ないところに行け」という意味だと受け取る方が多いようですが、「シンプルにしろ」というのがキーメッセージだと思っています。
    大したことは言えないかもしれませんが、うまく纏まるようでしたら記事にしますね。

  20. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/24(木) 08:46:45 ID:1710d8397 返信

    トルネコさん
    うまく伝わったようで何よりです。
    「競争の前にニーズ」
    書くだけなら簡単ですが、なかなか奥が深い話ですよね。

  21. 名前:田舎の司法書士 投稿日:2016/03/24(木) 11:48:32 ID:fadd0667a 返信

    いつも参考にさせて貰っています。
    本業の仕事柄、この手の話は投資以外の事務所経営でも参考になります。
    また、自身の事務所の経営にもバフェット氏やすぽさんの考えを取り入れて重点を置く業務の取捨選択をしていますが、優れたビジネスモデルに従って仕事をした場合、一番の利点は価格の決定権が自身にあることだと実感しています。
    脱線になりますが、すぽさんの立場で投資を検討している企業がニーズを正しく捕らえているか、そもそも会社の主張するニーズが存在するかなどはどの様に判断されています?

  22. 名前:ビジネスマニア 投稿日:2016/03/24(木) 12:40:00 ID:1a3f454aa 返信

    ご回答ありがとうございます。
    なるほど、先行した優位性も「地の利」という捉え方をされているのですね。ここまでのすぽさんのロジックが理解できました。
    また競争を語る上で、私はシェアを伸ばしていく途中の話に、すぽさんはシェアを取った後の話に重きを置いているのかなと思いました。
    ブルーオーシャン戦略は、シンプルに…なるほど。
    これについては既存ニーズの間隙を突く戦略と捉えるか、ニーズを生み出す戦略と捉えるかで考え方の違いが出て、おもしろい議論ができるかなと思っています。
    ともかくアタマを使う良い機会になりました。
    どうもありがとうございました。

  23. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/24(木) 18:40:03 ID:1710d8397 返信

    田舎の司法書士さん、ありがとうございます。
    > 優れたビジネスモデルに従って仕事をした場合一番の利点は価格の決定権が自身にあることだと実感しています。
    それは凄い!
    差し支えなければ具体的な内容を聞いてみたいですね。(難しければもちろん結構です)
    ニーズの見極めは難しいですよね。
    企業側の話はファクト以外は聞く耳を持たないというのが基本的なスタンスです。
    特に「成長が鈍化しているので海外に行きます」とか「新事業を立ち上げます」というときは話半分以下で聞きます。
    逆に「新事業が何だかうまく行っちゃってます」といった受け身な成長の兆しは興味が湧きます。
    これも「市場環境の方が重要」という考え方がベースにあります。
    四半期レベルの業績を当てることは諦めています。「5年で2倍」ぐらい大きく捉えると多少ずれても何とかなりますので、それぐらいざっくり考えています。

  24. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/25(金) 08:15:19 ID:aaf5eaba9 返信

    ビジネスマニアさん、ありがとうございます。
    仰るように興味の視点が少し違うのでしょうね。「競争」そのものよりも「環境が競争に与える影響」の方に視点が行ってしまいます。
    今後もよろしくお願いしますね。

  25. 名前:imoekat 投稿日:2016/03/26(土) 09:50:24 ID:7fce404eb 返信

    すぽさん、返信有難うございます。
    すみません、見落としていました。一気に盛り上がりましたね 笑
    誰かが口火を切ったり、人が群れているとこには自然と人が集まる心理が面白いです
    ブランドに関しての見解ですが、私とかなり近く勉強になりました。
    私も「ブランド」とは顧客側の主観にあると考えています。
    その上で、「ブランド=体現していること」であるのかなと。
    ブランドには、①機能的価値、②情緒的価値、③自己実現的価値があり後者ほど強力なブランド力を有すると思います。
    例えば、ユニクロであれば「低価格で高機能素材の衣料」という①機能的価値においてはブランドに成っていると思います。
    更に最近は「有名スポーツ選手や外国人モデルを使ったCM、漫画キャラのコラボTシャツなどで単純にシンプルで格好いい」という②情緒的価値でも少しブランドになってきているのかな?と
    しかし、最後の③自己実現的価値においては全くブランドになっていないので価格との剥離が出てきている印象です。
    「自己実現的価値=そのブランドを身に付けている自分が好きな状態。」とすると、ユニクロを着ている自分が好き。「ユニクロの体現しているブランド価値は自分の価値観と同じ」と思っている人はユニクロが思っているほどいないってことでしょう。
    ブランドとしては、自己実現的価値まで持って行ければ比較しなくなるので自動的に高価格になると思います。「パタゴニア」とかは「エコで自然と生きる」という価値を体現していてパタゴニアを着ている自分はエコでクールだ!と発信したい人が買いますし 笑

  26. 名前:imoekat 投稿日:2016/03/26(土) 09:51:25 ID:7fce404eb 返信

    文字数が収まりませんでした 笑
    すみません、長くなりました。
    私はブランドとは企業の強烈でブレないイメージ発信と歴史が作るもので、すぽさんが仰る通りマーケティングを不要とするもの
    そして、形のないものなので意外と容易に逆回転してしまう危ういものと思ってます。
    投資をする上で、ブランド力はかなり不確定要素になりますが、企業幹部が自分の会社のブランドを知っていて大事にしている企業は全力で買いたいと思います。
    一連の会話、とても有意義でした。また、宜しくお願いします

  27. 名前:田舎の司法書士 投稿日:2016/03/26(土) 11:32:50 ID:a41530b05 返信

    すぽさんのホームページで紹介されている言葉を借りれば
    アフターサービス型  
    商業登記 役員変更等の変更登記 
    メンテナンス業務ですから、単価は低いですが長年仕事が来ます。

    成年後見、成年後見に付随して行う諸手続(財産管理等)
    成年後見も何年も続く手続です。
    また、財産を私が何年もチェックしている為に信頼関係や気安さがあるので、普通は抵抗感があって依頼されないような高額な財産管理の仕事を依頼されやすいです。
    地域独占型(トップシェア)
    商業登記 組織変更(合併、会社分割等)、複雑な会社法関係の諸手続
    近隣に同様の手続を受任している司法書士がいない為、擬似的な地域独占型になっています。
    付随業務の量によりますが、司法書士報酬が10万を軽く超えるなど単価が高い上に、組織変更から上記の変更登記を他の事務所から私の事務所に切り替える会社が多いので2度美味しいですね。
    逆に司法書士の伝統的な仕事である不動産登記や遺言、一時期流行った過払金などは複数の司法書士を相談して決める方も多いので価格競争がありますし、無料相談だけの依頼人も多いです。
    不動産登記などは最近はHPをみて自分で手続を行ったり、直接会わずに郵送でやりとりするような安い東京や大阪の大型事務所に依頼する人も多いですし

  28. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/27(日) 07:57:00 ID:d37929033 返信

    imoekatさん、ありがとうございます。
    >①機能的価値、②情緒的価値、③自己実現的価値があり後者ほど強力なブランド力を有すると思います。
    なるほど面白いですね。マズローの欲求5段階と相似形だなと思いました。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96
    ブランドは「人」に刻まれるものなので、構造も人の欲求の構造になるということなのでしょう。
    私ももう少しブランドについて勉強する必要があるなぁと改めて思いました。
    ありがとうございました。

  29. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/27(日) 08:28:50 ID:d37929033 返信

    田舎の司法書士さん、ありがとうございます。
    具体例ありがとうございます。とても参考になります。
    継続的なビジネスの重要性、競争と価格決定権の関係、どちらもとても興味深いですね。
    司法書士のお仕事は多様で、選択によって収益が変わるということを改めて知ることができました。
    (うーん面白い)ありがとうございました。