企業分析:6184鎌倉新書(3.5)

toysさん

それでは6184鎌倉新書です。よろしくお願いします。

■結論

緒に就いたばかりのエンディング市場Web化の先頭に立つ企業。雑誌で培ったコネクションとIT技術力を武器にSクラスの成長と高収益(営業利益率20%程度)が期待できる。
まだ小さい企業のため採用によるコストインパクトが大きく利益率のブレが懸念点。
全体的に良い企業だがPER40はさすがに高い。評価は3.5で、安くなるタイミングで購入したい。 


■基礎情報

GMOクリック証券の分析を使います。

plv_6184_5

bs_6184_5

・その他IR資料など

■ポイント

Step1:業績の確認

・売上は20%レベルの成長。一方で利益率がガタガタ。
 →なぜ利益率がブレるのか
・B/Sはキャッシュが溢れている。

Step2:事業の確認、ビジネスモデルは?

・2015年12月に上場。
・葬儀・仏壇・墓の紹介サイト運営を中核にする企業。典型的なプラットフォーム型でシェアもNo.1、Yahooエンディングサイトも手がけ、独占に最も近いポジションにいる。
・1件成約あたりの手数料(売上)は次の通り。墓10万円、葬儀7万円、仏壇2.5万円。
・一番驚くのは市場の広大さに対するWeb市場の小ささ。1.5兆円市場であり紹介手数料10%と考えると斡旋市場は1,500億円と考えることができ、まだまだフロンティアが広がる。

Step3:株価の確認

予想PER 46.8、PBR5.94でかなり割高 

■toysさんへの質問
①この企業の5年後の売上・利益のイメージはどれぐらいですか
②2014,2015あたりの営業利益率が低いですが、どう捉えますか

③その他、聞きたいことがあればどうぞ

『企業分析:6184鎌倉新書(3.5)』へのコメント

  1. 名前:toys 投稿日:2016/06/12(日) 14:06:41 ID:8c7672a1a 返信

    遅くなりまして申し訳ありません。
    よろしくお願いいたします。
    ①この企業の5年後の売上・利益のイメージ
    2013年からの売上高成長率は毎年15%〜20%程度となっており、すぽさんが仰るとおり市場規模に対してウェブ市場はまだまだ小さいため、5年後においてもこの売上高成長率は継続するものと考えています。ネット利用人口も増えていく一方で、ニーズ(高齢者の死亡者数http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/zenbun/s1_1_1_02.html
    )も増えていくものと思われるためこの独占体制を守ることができれば、更なる成長が見込めると思います。
    ②2014,2015あたりの営業利益率の低さについて
    PLを見ますと、2015年度と2016年度を比較すると売上高が伸びる一方で売上原価が変化していないので、2015年度までの低さはWeb化が進んでいない故の低さなのかなと考えています(根拠が薄くてすみません)。2016年度(予)はWebサービスが20%程度の成長を見込んでいますので、変動費レスの成長が見込めると思います。
    ③その他
    現在の株価は割高(PER42程度)ですが、プラットフォーム型ビジネスであり成長産業であるため、有望な銘柄だと思います。すぽさんはどの程度ですと購入対象になりますでしょうか(どのくらいまでの割高さを許容できますか)?

  2. 名前:トルネコ 投稿日:2016/06/12(日) 18:59:45 ID:d8e4e0c89 返信

    toysさん、すぽさん、こんにちわ。
    鎌倉新書は財務が健全であり、かつ、成長分野の中で他の企業にはない独自のサービスを提供しているのが魅力的ですね。
    数多くあるプラットフォーム型の企業の中でも高価格な商品・サービスを扱っていて、他のプラットフォーム型の企業とは性質が異なる側面があるのかなと思いました。
    霊園の永久利用料や管理費などは十万円単位、墓石に関しては数百万円の買い物になるので、インターネットでクリック1つで買い物される方は多くないでしょう。ネットでの利用者の中には、実際に霊園や店舗に足を運び、業者と直接契約される方もいるかと思います。その場合、鎌倉新書に手数料が払われるのか心配です。
    あと、手数料が10%程度であることについてなのですが、上場している葬儀・霊園・仏具などの企業を見ても10%の紹介手数料を払える余裕がある企業は多い印象はありません。顧客に転嫁すれば、割高な価格で商品・サービスを提供することになり、利用業者の競争力が落ちてしまうのではないかとも思います。
    葬儀・霊園は親戚や家族が行くことを考えれば50Km圏内、墓石は店舗へ見に行くことや配送などを考えると100Km圏内になるでしょうから、自分だったら「霊園 ○○市(地元の名前)」で調べると思います。そういう調べ方をすると、競合他社も見えてきて、独占とまでは言えないのではないかと感じます。
    実際に、家族が亡くなったらどういう行動を取るんでしょうね?あんまりピンと来ないのでもしかしたら的外れなことを言っているかもしれません。失礼しました。

  3. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/13(月) 00:59:23 ID:589fc6ab0 返信

    toysさん、ありがとうございます。
    トルネコさん、議論への参戦ありがとうございます。
    まずはトルネコさんからの指摘を中心に議論していくと面白そうです。
    ■今後の競争環境について
    「独占に最も近い」と書いてみましたが、トルネコさんに指摘いただいたようにイマイチしっくりきていませんでした。MSオフィスのような完全独占というよりも、もう少し緩やかな市場シェア(例えば50〜60%)になると見るのがよさそうです。例えば「ぐるなび」ぐらいのイメージです。
    ユーザーの基本的なニーズは、トルネコさんが書かれているように「近くで、それなりに納得して選びたい」ぐらいで、細かいこだわりが生まれるような商品ではありません。つまり品揃えの多さはある程度は必要ですが決定的な要因にはなりません。ある程度の規模が集まれば多少品揃えが悪くても参入は可能でしょう。
    このため数社による寡占状態ぐらいが現実的な予想のように思います。
    また手数料が高いかという点ですがこれはあまり問題ないように思います。
    手数料とは平たく言えば「営業」に支払うお金です。世の中的に営業の取り分として10〜30%程度と言うのはごく一般的です。お店にとって売上以上にありがたいものはありません。
    またお客との間で話をつけてしまう可能性はもちろんありますが、「見つかれば二度とサイト掲載はない」と言っておけば抑止力として一定以上は機能するように思います。
    このテーマで皆さんのご意見はいかがですか。

  4. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/13(月) 08:32:00 ID:589fc6ab0 返信

    数年前に身内が他界したのでユーザー視点での補足です。
    斎場は逝去後数時間以内に選ぶことになる特殊な商品です。このため斎場側の営業スタイルは
    ・生前に「積立割引制度」に加入してもらう
    ・病院・警察(自宅で亡くなると遺体の確認をする)に紹介依頼をかける
    などが一般的です。
    webは亡くなる前から選ぶ時間がある人に限定したチャネルです。
    100万円前後が一般的です。
    仏壇、墓はそれに比較して時間をかけて選べます。仏壇系は数十万円、墓は100万円以上が一般的な金額だと思います。
    商品全般に対し顧客のこだわりは弱く「まぁ普通のものを」という感じで選ぶ商品だと思います。
    また市場全体としては「不透明で高く売りつける」というスタンスが強く、価格破壊を狙うプレイヤーが増えている市場です。イオンなどが有名です。
    こういう市場に鎌倉新書がいます。

  5. 名前:トルネコ 投稿日:2016/06/13(月) 13:51:09 ID:358607c01 返信

    すぽさん、ありがとうございます。
    営業にかかる費用を考えれば、紹介手数料の10%はそれほど大きくはないということですね。鎌倉新書は業者との信頼関係を強化したり、不正を抑止することなどが課題にもなるのでしょうね。匙加減で売上も変わってきそうな感じがしました。
    すぽさんのお話を聞いて、いろいろとイメージが沸いてきました。
    私個人としては、生きている人を目の前にして葬儀・霊園、墓石の話を具体的に進めていくことには非常に抵抗感があります。病気や老衰で弱っている時に本人の同意なしに勝手に親族が話を進めているなんてことは考えられません。やはり、鎌倉新書を利用する場合、本人(意識の高い方)が自ら資料請求するケースが多いのでしょうかね?そうであれば、鎌倉新書の潜在的な需要は例えば「遺書を書き残す人口」と同数程度になるのかと思いました。

  6. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/14(火) 00:15:38 ID:589fc6ab0 返信

    トルネコさん、ありがとうございます。
    生前に本人が選ぶという場合の選択肢になるとは思いますが、やはり中心となるお客さんはご家族だと思います。
    斎場については、逝去された直後に「慌てて探す」というお客さんに限られると思いますが、仏壇と墓については時間もありますし実際私もネットで情報収集した記憶があります。
    ですので、ネット利用の広がりともに市場が広がるというシナリオはあまり心配ないかなと思っています。
    ここまでまとめます。
    ・お客さん(主に家族)の基本的なニーズは、「まぁ普通のものを」ぐらいでありこだわりが弱い
    ・このため掲載数は多い方が良いというよりも一定以上あれば十分であり、競合が生まれる余地はある
    ・ネット利用の広がりとともに市場が広がるというシナリオに違和感はない
    こんな感じで考えていますがいかがでしょうか。

  7. 名前:toys 投稿日:2016/06/14(火) 01:05:49 ID:cdd3ad398 返信

    すぽさん、トルネコさん
    お返事が遅れまして申し訳ございません。
    墓、葬祭、仏壇という3つの商品を扱ってますが、それぞれで買うタイミングが異なってくるんですね。まだ経験がないものでそこは意識しておりませんでした。
    また、サービスの質についてもそこまで重要視されるものではないため、独占にはなりにくいものですね。個人的には、不透明な価格を押し付ける葬儀業界に不信感がありましたのでこのようなサービスの普及を応援していたので、良い面しか見えていませんでした。まだまだ未熟です。
    割高ですし利益の変動も大きいので、すぽさんの購入対象にはなりにくい銘柄でしたね。

  8. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/14(火) 02:15:42 ID:388680ef2 返信

    皆さんこんばんは。横槍で失礼します。
    かなり昔の話ですが、身内が急死した際に色々とバタバタしましたもので、4.ですぽさんが書かれている内容がよく分かります。
    当時、私は斎場と仏壇と墓はすべて別々の業者にお願いしました。
    斎場は時間がないので近所の無難なところにして、仏壇は営業かけてきた3社のうちで対応が良さげな業者を選び(新聞に載った当日に、仏壇屋は住所を調べて我先にと訪ねてきます)、墓は新聞折り込みに入っていた近くの霊園に行って、現地で決めてきた・・・という感じでしたね。
    web業者にお願いする場合だと、どこまでの面倒を見てくれるのか色々調べないと分かりませんし、特に時間や精神的に余裕がないときだと「まぁ少々高くても近所の有名な業者から無難なものを選べば良いか」という安易な選択をしてしまいそうです。そういう意味では「亡くなる前から準備をしている人向けのサービス」という意見に納得できます。
    ところで「Yahooエンディング」ですが、そのサイトにはどのように辿り着くのでしょうか?Yahoo!のトップページからサービスを探しても出てきませんでしたし、「葬儀」などの用語で検索しても上位には「イオンライフのお葬式」等の別サイトが目立っていて、鎌倉新書の手掛けるページになかなか辿りつけないのですが・・・(探し方が甘いようでしたら申し訳ありません)
    業界内で寡占とはいえ認知度はかなり低いため、今後の伸びしろが非常に大きいと思います。また、2015年と2016年の比較では売上の伸びに対して売上原価と販管費は前年とほぼ同じなので、ちょうど損益分岐点を超えたところではないかと思います。
    市場全体の大きさに比べると極端なニッチ客層(トルネコさんがかかれている「遺書を書き残す人」)を狙った事業のような気がしますが、それでも認知度向上と高齢化の市場拡大によって、しばらくは安定して業績を伸ばせそうな企業のように思えました。

  9. 名前:トルネコ 投稿日:2016/06/14(火) 08:50:36 ID:42e64076a 返信

    KIRINさん
    Yahooエンディングは、Yahooトップ画面で左のカテゴリー枠の主なサービスの左の「一覧」をクリック、右下枠外の「すべてのサービスを見る」をクリック。そうするとサービス一覧(五十音順)で表示されます。その中のさ行「終活、葬儀手配」をクリックすると辿りつけました。他にも、表示されるルートがあるのかもしれませんが、この方法では見つけるのは困難だと思いました。
    葬儀、墓石、仏具を探す考え方、行動パターンにもいろいろあるのだなと勉強になります。すぽさんの意見を聞いて、鎌倉新書のユーザーが「「遺書を書き残す人」と同数程度になるという考えは限定し過ぎだと考えが変わりました。特に墓石、仏具に関しては葬儀後に家族がネットで探すことが十分に考えられるということですね。
    鎌倉新書の利用者は将来的にどれくらいの規模まで増えるのか具体的な数値で予想することは難しそうな気がしてきました。しかしながら、おそらく数年の間は売上の20%成長が続きそうだと思います。
    葬祭ビジネスはおそらく海外でも同様にあると思うのですが、海外ではどのようなインターネットサービスが普及しているのでしょうかね?海外サイトと比較することによって、鎌倉新書のサービスの強さ、弱さなどが見えてくるのではないかと思いました。ただ、鎌倉新書のPERがかなり高い水準なのでここまで調べるモチベーションが沸かなかったりします(^_^;)

  10. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/14(火) 21:41:49 ID:388680ef2 返信

    トルネコさん、コメントありがとうございます。
    やはりYahoo!エンディングのサイトへは辿り着くのも一苦労するくらい目立ってないですよね。。。鎌倉新書がYahoo!に登録しているのは、Yahoo!から自社サイトに誘導させるのが目的というより、Yahoo!のブランド力で顧客に信頼感を高めてもらうため、というほうが近いのかもしれません。
    海外のサービスについては不勉強なのですが、日本とは平均寿命・宗教・埋葬方法がかなり違う国が多いので、参考にするのは難しそうな気がします。(何かしら共通事項があれば良いのですが)
    今日の終値で株価が暴落してましたが、毎年20%の成長を見込んで計算してもPERはやや高めではあります。
    しかし「今の知名度で、ずっと安定して年20%成長なのかな?」という疑問もあります。何かのきっかけで知名度や消費者の意識が一気に高まった場合、急に売上が2倍以上に跳ね上がる可能性はないのでしょうか?
    私個人はポジティブに考えていて、将来的にはもっと強い成長(年30~40%)もあり得る企業のような気がしました。
    6/10発表の1Q資料です。
    http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02853/282a78e1/93d8/4792/aecf/1ada7f218951/140120160609418922.pdf
    基本的には「生前に死後の準備ができる人向けのサービス」だと思いますが、成約率を見ると「葬祭」「仏壇」の比率がかなり高いので慌てて決めている人もこのサービスを利用しているような印象がありますね。

  11. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/15(水) 09:34:02 ID:589fc6ab0 返信

    皆さんありがとうございます。
    市場環境、競争環境は概ね意見が出たでしょうか。
    成長度合いの細かいところは測りきれませんので、20%を軸として捉えておきましょう。
    海外についてはしきたりの違いと情報不足のため私も調べきれませんね。
    そろそろ質問②「利益率のブレ」に進みます。
    まず2014→2015で増収減益になったのが気になります。有価証券報告書や以下のサイトにヒントがあります。
    http://www.bridge-salon.jp/report_bridge/archives/2016/04/160412_6184.html
    コストが上がったほぼ唯一の費目は「(サイト事業の)労務費」で以下の通りです。
    2014 労務費127M円 社員数 36人
    2015 労務費241M円 社員数 46人
    「15/1期はYahoo!エンディングのコンテンツ開発や立ち上げに伴い労務費や業務委託費が増加した他、先行投資的な人件費や広告宣伝費等の増加も負担となった」
    とのことです。まだ小さな会社ですので社員数の増加は大きな減益要因になります。逆説的に言うと今後も一時的な社員数増による利益圧縮はありえるということで、ここが買いのチャンスになるかもしれません。
    またプラットフォーム型とはいえ社員数を積極的に増やしているのを見ると、登録社数増加に比例してある程度人手がかかるビジネスなんでしょうね。

  12. 名前:トルネコ 投稿日:2016/06/15(水) 11:13:32 ID:f0f660a2c 返信

    >プラットフォーム型とはいえ社員数を積極的に増やしているのを見ると、登録社員数増加に比例してある程度人手がかかるビジネスなんでしょうね。
    確かにそうかもしれませんね。有価証券報告書の28期~32期までを見ますと、1人当たり売上は28期から順番に24百万円、20百万円、21百万円、27百万円、25百万円と安定しているように見えます。売上の増加率と従業員数の増加率がおおよそ関連しているようにも見えます。
    これらの原因の可能性としては「従業員が増えたから売上が増えた」もしくは「売上が増えたから従業員を増やした」の2通り考えられると思うのですが、
    ・前期に従業員を増やしていない点
    ・1Qの売上が前年と同程度かもしれない点
    この2点から「従業員が増えたから売上が増えた」と考える方が自然に見えるようにも思います。
    すぽさんの指摘されている通り、「ある程度人手がかかるビジネス」というのはあるのかもしれません。驚きました。

  13. 名前:トルネコ 投稿日:2016/06/15(水) 22:30:31 ID:f0f660a2c 返信

    すいません!
    12のコメントは私(トルネコ)です。すぽさんに返信を書いたつもりが、自分がすぽさんになってました。うっかりしてました。すいませんでした。

  14. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/17(金) 01:45:54 ID:6339780dc 返信

    「人手がかかるビジネス」という点が、私の中でなんとなく腑に落ちなかったので、納得できる材料をいろいろ調べていたところ次のような記事を見つけました。
    http://toyokeizai.net/articles/-/34800?page=4
    http://blog.marketing.itmedia.co.jp/kurosu/entry/529.html
    http://diamond.jp/articles/-/31434
    記事の中で多く触れられているのは「鎌倉新書はSEOが強い」という点ですね。改めて「葬儀」で検索したところ、「いい葬儀」というサイトは2ページ目に出てきました。
    単純な検索だと「割と上位」という感じですが、すぽさんサイトの右にあるWeb広告にも「いい仏壇」がよく登場するようになりましたし(^^;、何かしら葬儀で検索していた人の目に触れやすくなる仕掛けがあるのかもしれませんね。
    オフィシャルサイトの社長インタビューでは、元々は小さな出版社でしかなかった会社を、インターネットの将来性に着目して大きな市場(葬儀・仏壇・墓)で打って出たことが載っています。同業他社に比べて元々終活の情報に強みがあることに加え、ITにもかなり力を入れている企業ということが伺えます。

  15. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/17(金) 01:49:33 ID:6339780dc 返信

    もう一点はすぽさんが「不透明で高く売りつける市場」だと書かれていましたが、実際ぼったくりな価格が横行したり、人が亡くなったことで”商売臭”を出してくる業者が多いようですね(商売が全て悪いこととは言いませんが)。
    そんな業界の中で、鎌倉新書は真面目にお客様に向いて良質な情報サービスを提供している会社なんだという印象を持ちました。
    「いい葬儀」と他の競合サイトを見比べてみると、「いい葬儀」には困ったときに顧客が見たいと思う情報を探しやすく、無駄が少なく、使いやすさを重視した工夫が随所にあるように思います。(他のサイトのほうがやや情報を探しにくく、所々に商売感が出ている広告も見かけました)
    「いい葬儀」「いい仏壇」「いいお墓」については、それぞれのサイトが非常によく作り込まれているのですが、他社のサイトだと葬儀以外のサイトは結構適当な感じがします(^^;
    私のような素人目で見ても、鎌倉新書のサイトの作りこみ具合が他社と比較にならないくらい優れています。
    おそらく、これらのサイトを作りこむエンジニアを増員するのと、サービスの質を重視している会社なので電話などのサポート要員を増強するために「人手がかかっている」ということなのではないでしょうか。後者は売上に連動しそうですが、前者は新たな運営サイトを増やす計画がある時だけ増えそうな気がしますね。

  16. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/17(金) 01:51:39 ID:6339780dc 返信

    今後は売上に連動して「サポート要員」の人件費はそれなりに増えると思いますが、「エンジニア」の増員は先行投資として行うものなので、売上に比例まではしないのではないかなぁ・・・という感じがします。
    売上増より経費増の伸びのほうが控えめだと思いますので、ある程度コンテンツが軌道に乗ってくればエンジニアの人件費がかからなくなる分、利益が高まりそうです。(今後も先行投資を続けることで、比例し続ける可能性もありそうですが)
    まとまりがない文になりましたが、人手がかかると言っても先行投資的な意味合いが強いのなら、直近は利益が安定しないのかもしれませんが、将来的にはそれほど心配ないのではないのでしょうか。

  17. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/18(土) 00:20:05 ID:589fc6ab0 返信

    KIRINさん、ありがとうございます。
    私は「営業職」をイメージして書いていたのですが、技術系の可能性があると言われるとなるほどと思いました。
    求人情報を調べてみたところ、あるサイトで以下のような6種類(6人?)の求人がありました。
    https://www.green-japan.com/company/3082
    ①webエンジニア(リーダー)
    ②web事業プロデューサー
    ③webディレクター
    ④コールスタッフ
    ⑤セールス&マーケティングコンサルタント
    ⑥ネットワークエンジニア
    どうやら技術、営業、サポート満遍なく採用をしているようですね。規模に比例してというほどではないですが、やはり営業も必要という感じですね。

  18. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/18(土) 02:33:51 ID:9c78075ff 返信

    数字的根拠の弱い仮説でしたが、大きくは外してなかったようで良かったです(^^; 事業は違いますが、リブセンスという会社が立ち上げの頃にWeb技術者を7割確保していたという話を参考にしました。
    すぽさんから紹介のあった求人サイトには、以下の社長のコメントが載っていますね。
    > 「経営資源の“モノ”と“カネ”は問題ありませんが、“ヒト”が足りません。人材さえいれば、当社のビジネスは短期間で数倍に伸ばせると思っています」と清水氏
    <社長の思惑(予想)>
    ・1.5兆円の終活マーケット内で大きなシェアを獲得するために、余っている”カネ”を優秀な人の確保のため積極的に使いたい。
    ・Web経験者を社員のうち半分も在籍させるなど、Web技術者を多く抱えて他社との差別化を図りたい。
    ・・・という点を考えると、利益が安定しないのは「現時点で利益をたくさん残すよりは、シェア拡大のために人(特にWeb技術者)への先行投資を優先」した結果ではないかと思うのですがいかがでしょうか。
    営業やサポート要員は、売上に応じて人件費も増えていく点はすぽさんと同意見です。

  19. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/18(土) 13:44:46 ID:9c78075ff 返信

    調べていくうちに、気になったことがありましたのでコメントさせて頂きます。
    鎌倉新書の場合は、「葬儀」「仏壇」「墓」それぞれでのWebでの力の入れ具合が
     葬儀=仏壇=墓
    くらいに均等になっているようなのですが、他の葬儀企業の場合は
     葬儀>>仏壇>>>>>>>>>>>>>墓(永代供養?)
    のように(極端な書き方ですみません)、葬儀に偏って事業をされているように感じます。
    で、鎌倉新書の直近のWeb売上実績(26年度)を見ると、
     葬儀:仏壇:墓=233:97:577   ※単位は百万円
    と圧倒的に「墓」の売上が大きいことが分かります。
    鎌倉新書の強みとして、売上の大きな「墓」を取り扱いしていて、葬儀→仏壇→墓までの一連の流れで顧客を獲得できている点にもありそうな気がします。
    他の葬儀企業が「墓」を積極的に取り扱ってないのは、どうしてなのかという点がやや引っかかりました。

  20. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/18(土) 14:05:00 ID:589fc6ab0 返信

    KIRINさん、ありがとうございます。
    KIRINさんもご親族が亡くなられて経験があるとのことですが、相場は下記ぐらいですよね。鎌倉新書の業績はこれにほぼ比例しているように見えますので自然かなぁと思っています。
    ・葬式100万円
    ・仏壇等50万円
    ・墓200万円
    で、お墓市場はなぜ営業に(相対的に)消極的なのかという疑問ですが、「お墓は業者ではなく寺が運営しているから」ではないでしょうか。お寺と民間で営業への姿勢が違うのは当たり前ですし、そう考えると鎌倉新書にとってはお墓市場が一番やりがいがありそうです。

  21. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/18(土) 15:03:01 ID:9c78075ff 返信

    すぽさん、回答ありがとうございます。
    確かに、お寺はあまり営業に熱心ではなさそうですね。
    そう考えると、
    「葬儀」
     →相場は100万円。急な駆け込み需要もある事業だが、安価な業者も多く参入しており、競争が激化している。
    「仏壇」
     →相場は50万と、葬儀や墓に比べると安い。Web上では葬儀市場ほど競争が激しくない。
    「墓」
     →相場は200万とかなり高額。参入業者も少なく競争が激しくないが、お寺側の営業も消極的。
    という、それぞれが少し異なったマーケットになっているのが見えてきました。
    また、鎌倉新書は「供養関連の出版社」という肩書があり、仏壇屋やお寺にも広くネットワークを持っているので、それぞれのマーケットに営業をかけやすいという強み(他社に対しては先行者利益や参入障壁になりうる?)もありそうです。

  22. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/19(日) 19:22:16 ID:589fc6ab0 返信

    KIRINさん、皆さんありがとうございます。
    概ね方向性が見えてきたように思いますのでまとめます。
    ・エンディング市場のWeb利用はこれからであり市場拡大余地の心配はほとんどない。売上はSクラス(20%程度)の成長が期待できる
    ・ビジネスモデルはプラットフォーム独占を期待するのは難しい。シェアNo.1の強み程度になりそう。中長期的には寡占状態ののNo.1ぐらいを想定。
    ・営業利益率は20%が軸。人員採用(技術系・営業系)に力を入れており短期的には減益リスクがある一方、技術系人材は先行投資の面もあり中長期的には増益要因になりうる。
    ここまでいかがでしょうか。
    最後に「③その他聞きたいこと」のPERの許容についてですが、基本方針は「5年で2倍の株をPER20で買う」ですので、20%成長が前提だと今買うのは難しいですね。PER25なら買い。PER30以上ならナンピン覚悟ですね。

  23. 名前:toys 投稿日:2016/06/19(日) 21:59:24 ID:4a51c7b71 返信

    皆さん、様々なご意見ありがとうございます。
    議論がハイレベルで中々入れませんでしたが(もっと勉強いたします…)、読んでいる中で市場の特殊性が見えてきました。すぽさんのお出しいただいた方向性について異論はありません。
    鎌倉新書の強みは
    ①出版事業で培ってきた仏壇屋や寺とのネットワーク
    ②サイトのUIやSEOのようなwebノウハウ
    ③葬儀→仏壇→墓というサプライチェーンが確立している
    で私個人としては考え方がまとまりました。
    市場の将来性は確かですが既に割高水準なので、今後の動向を見守りたいと思います。

  24. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/19(日) 23:53:44 ID:e0897500f 返信

    皆さん議論にお付き合い頂き、ありがとうございました。
    すぽさんのまとめられた内容で、異論ありません。
    途中まで引っかかっていたのが、プラットフォームを持つIT系企業なのに「営業」の積極的な増員って何の目的で?と首をかしげていたのですが、「お墓は業者ではなく寺が運営しているから」というすぽさんの回答で理由が分かってきました。
    もう一点「市場全体の大きさに比べると極端なニッチ客層を狙った事業」と書いた点は、誤りのような気がしたので訂正させて頂きます。
    鎌倉新書へのサイト流入(集客方法)について独自で調べてみたところ、
    ・いい葬儀・・・・・・・・・・・・「葬儀」を検索したら2ページ目に出現
    ・いい仏壇・・・・・・・・・・・・「仏壇」を検索したら1ページ目に出現
    ・いいお墓・・・・・・・・・・・・「墓」を検索したら1ページ目に出現
    ・Yahoo!エンディング・・・・最初Yahoo!のプラットフォームを使った集客方法?と考えたのですが、実際はかなり探しづらく現状はそれほど自社サイトへの流入は多くなさそう。
    という結果で、「仏壇」と「お墓」の検索では割と上位に登場しました。
    そして何より、一度でもこれらのサイトに行くと高確率で「バナー広告」がしつこく登場するようになります(^^;
    調査時にいろいろなサイトを訪問しましたが、バナー広告に頻繁に登場していたのは鎌倉新書のサイトばかりでした。そういうわけで特にニッチ客層限定というわけでなく、「葬儀」関連で検索かけた人を幅広く自社サイトに誘導できているように思いました。
    調べてみるほど良い企業なのですが、すでに株価が高く残念です。。
    社員数増による利益圧縮→株価下落を狙って、今後機会があれば買ってみたいと思います。

  25. 名前:トルネコ 投稿日:2016/06/21(火) 14:02:26 ID:1bd968752 返信

    鎌倉新書のIRに電話をしました。
    ●資料請求のパンフレットの作成は鎌倉新書は携わっているのか?
    →携わっていない。業者が作っている
    ●業者と顧客が直接契約した時に鎌倉新書がお金を取れない問題をどのように回避しているのか?
    →業者と顧客にアンケートを取っている。意見に食い違いが出たら調べる
    ●顧客への電話対応、業者・顧客へのアンケート調査などで売上に比例して人件費も増える認識でよいか
    →そう。
    ●人件費に占めるコールセンターの人件費の割合は?社員・パートの役割は?
    →情報が手元にない。情報を公開できない。
    ●32期は人を雇っていないのは政策的なものか?それとも人材採用ができなかったのか?
    →政策的。今後、人材を増やしていくが、急激に人材を増やすことはない
    ●コールセンターは外注しているか?
    →していない。
    とのことでした。人件費について詳しい情報は開示して貰えませんでした。売上の規模の増加にしたがってコールセンターの職員を増やさなければならないことが確定情報です。

  26. 名前:すぽ 投稿日:2016/06/22(水) 00:01:09 ID:589fc6ab0 返信

    みなさんありがとうございます。
    それでは確定のフェーズに入りましょう。結論を書いてみました。確認をお願いします。
    >toysさん
    最後まで議論にお付き合いいただきありがとうございました。
    会社の強みという点ではtoysさんの理解と相違ありません。
    またよろしくお願いしますね。
    >KIRINさん
    色んな視点を投げかけていただき議論が広がりました。ありがとうございます。
    一点、「バナー広告」がしつこく出るのは最近の広告のシステムによるものです。最近は検索履歴(cookie?)などを利用して、最近検索したものが集中的に表示されるものが増えています。
    ですので、鎌倉新書がその広告システムに登録しているということは間違いありませんが、極端に広告が見えているのはKIRINさんが検索をしたことによるものです。
    >トルネコさん
    業者の顧客の直接契約の情報などありがとうございます。ビジネスモデルを破壊するような影響があれば別ですが、一定程度のようであれば問題ないように思います。
    またコールセンター要員は規模拡大に比例して必要という情報もありがとうごあいます。
    少し前に書いた求人サイトでは、
    ・技術系・営業系 年収500万円中心
    ・コールスタッフ 年収250万円程度
    という感じです。コールスタッフ1名でどれぐらいフォローできるのかはわかりませんが、増員による利益率への影響は一定程度とみてよいように思います。

  27. 名前:KIRIN 投稿日:2016/06/22(水) 02:06:19 ID:95e6ddea3 返信

    すぽさん、皆さんありがとうございました。
    株価が安ければ評価4.0くらいの銘柄で、かなり割高なのを差し引いて3.5くらいかなと今回は予想してました。予想と完全一致したので、私は異論ありません。
    バナーの件は根拠も弱いのですぽさんの仰るとおりかもしれません。鎌倉新書のサイトの中身は抜群に良かったのですが、そこに辿り着く「入口」の部分を改善すればもっと集客そうな気がしました。
    これから分析される予定のグランディーズやサンセイランディックは、最近よく名前を見かける銘柄ですね。どんな議論になるか今から楽しみにしております。(不動産株はあまり得意としてないので、参戦はせずに勉強させて頂きたいと思います^^;)

  28. 名前:トルネコ 投稿日:2016/06/22(水) 08:37:39 ID:0d94e6e22 返信

    すぽさん、toysさん、KIRINさん楽しい議論ありがとうございました。いろいろな気づきがあり、大変勉強になりました。鎌倉新書を分析して、鎌倉新書などのインターネットの会社が既存のビジネスを競わせたり、利益を奪ったりしているのだなと感じました。これからの社会の変化を捉えていくためには、鎌倉新書のような会社のビジネスもしっかり学ばなければいけないのだなと思いました。
    またよろしくお願いします^^

  29. 名前:toys 投稿日:2016/06/22(水) 23:24:04 ID:4fe23ff70 返信

    すぽさん、トルネコさん、KIRINさん
    お付き合いいただきありがとうございます。
    割高かつ独占が難しいビジネスだったので評価は3.0くらいかなと考えておりましたが、3.5という高い評価を頂き嬉しいです。評価に異論はありません。
    大きなマーケットで、売上もまだまだ発展途上なので下がりどころを狙いたいと思います。
    ありがとうございました。