ある商品のシェアが「A社60%、B社40%」であるという情報を聞いた時、多くの人は
「100人で考えると、60人がNo.1の商品を買い、40人がNo.2の商品を買った」
と翻訳しがちです。しかしその表現は実はあまり適切とはいえません。なぜなら、消費者がNo.2を選ぶことはなく、常にNo.1の商品しか選んでいないからです。
実はNo.1しか選んでいない
いきなり不可解なフリから始めましたが、少し例をあげて話します。例えば、あなたどのコンビニで普段買い物をするでしょうか?そしてなぜそこで買うのでしょうか?
コンビニにとってもっとも重要なのはまずは「近い」ことです。ですがそれだけではなく、好きなメニュー、店の雰囲気、並ぶ時間、価格なども総合的に判断して「一番良い」と思ったコンビニに行っているはずです。その人にとって「二番目によい」店には絶対に行きません。
AさんにとってはNo.1、BさんにとってのNo.1・・・小さなNo.1の積み重ねをマクロ的に見たものがシェアなのです。ですので最初の話は
「60人がA社の商品をNo.1と思い、40人がB社の商品をNo.1と思った」
というのが実態に近い表現なのです。
No.1はその人の中で定着する
そしてこのNo.1の判断は、主観的・個人的なもので、基本的にその人の情報や感情に委ねられています。例えば私はネットショッピングをするときはまずアマゾンに行き、商品が無ければ楽天で買います。
様々な情報を(頭のなかで)集めてアマゾンがNo.1と一度決めてしまったので、同じシチュエーションだと同じ答えを出します。「本来どっち」という話は個人には関係ないのです。
企業側から見ると
お気づきの方もいるかとも思いますが、この記事は「サイゼリヤと餃子の王将」の記事と対になる話で、お客さん側から見た話です。「No.1しか選ばれないし、定着する」ということは、企業側の戦略としてNo.2を狙うというのはありえないのです。
お客さんの重点ポイントは色々ありますが、例えば「ファミレスでは800円以上は出せない」と思っている人にとって、サイゼリヤは唯一の選択肢になりますし、「出来立て中華が大好き」という人にとっては「餃子の王将」が有力な選択肢になります。
お客さんはNo.1しか選ばない、このことに気づくと色々なことが見えてきます。
- 何でも中程度という戦略は基本的にうまくいかない
- 誰かのNo.1を目指すのが基本戦略
どこかで聞いたことがあるようなこんな話も少し腑に落ちるのではないでしょうか。この話も考え出すと、色々な示唆が見えてきます。
初めまして、いつも楽しくブログを拝見しています。さっそくですが、イーギャランティについて分析をお願いしたいと思います。