(一部修正)株価とトイレットペーパーが品薄になるメカニズム

3/31のワールドビジネスサテライトで印象に残る解説がありました。
トイレットペーパーが品薄になったメカニズムをわかりやすく説明されていたのですが、よく考えると株価のメカニズムとそっくりだと感じました。

テレ東ビジネスオンデマンド (放送時は23:20ぐらいから)


トイレットペーパーが品薄になるメカニズム
番組では安田准教授がトイレットペーパーが品薄になったメカニズムを説明していました。

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今回、トイレットペーパーは「もともと供給力に問題がない」のに、市場の熱狂を受けて急激な需要上昇が起こり、短期的には品切れを起こしてしまいました。一方で「市場はバカだったのか」と考えてみると、実はそうではなく「市場が熱狂するであろう」という合理的な判断をしていたわけです。
つまり合理的な判断を集めた結果として、本来起こる必要がない品切れ(間違い)が起こったわけです。

前回のnoteの最大のテーマは、株価は「ファンダを織り込む動きをする(効率的市場仮説)
」のか、それとも、「トレンドフォロー(感情に沿った売買)」のどちらが優位なのかということでした。

トイレットペーパーの話を株に置き換えてみると、

・仮にファンダには何の変化がないとしても
・参加者が「周りの行動を予測する」と、結果的にファンダからかけ離れる(≒トレンドフォロー)
・参加者が「周りも落ち着くだろうと予測する」と、ファンダに近づく

という動きになるわけです。
株式市場は美人投票と言われているように、周りを予測するような考え方をする人が少なからずいることや、株価の分布がべき分布であることを考えると、トイレットペーパーと同じような本来起こる必要がない株価(間違い)は常に起こっており、全体としては「トレンドフォロー優位でファンダが軸を支える」という構造になっていると考えることができるわけです。

うーん、なんだか株価のメカニズムが少しずつ腑に落ちてくる感じがして楽しいなー。

『(一部修正)株価とトイレットペーパーが品薄になるメカニズム』へのコメント

  1. 名前:brainwashing 投稿日:2020/04/03(金) 19:11:16 ID:42c6a1427 返信

    難しいので頭の悪い私にもわかるようにわかりやすく説明してください

  2. 名前:すぽ 投稿日:2020/04/04(土) 13:43:59 ID:589fc6ab0 返信

    brainwashingさん、コメントありがとうございます。
    ご指摘いただいたとおり、分かりづらい記事だったなぁと反省しました。
    かなり加筆してわかりやすくしたつもりですので、ご確認ください。
    まだ分かりづらい点がありましたら、ぜひコメントください。

  3. 名前:現役トレーダー 投稿日:2020/04/05(日) 09:29:08 ID:9a2e3ac14 返信

    投稿ありがとうございます。拝読いたしました。
    一点気になったのはトレンドフォローという言葉の使い方。株式用語のトレンドフォローとは値動きへの順張り投資のことで、必ずしも感情に沿った売買を指しません。
    また、ファンダとトレンドは矛盾しないケースも多いです。例えばある銘柄がファンダの観点から理論株価まで上がる動きをする場合。ファンダで見て買いと判断した機関投資家がなるべくマーケットインパクトを出さずに(平均単価を上げずに)必要数量買い付けようとすると、結果的に右肩上がりの波を描くトレンドができます。これは感情ではなく、合理的な買い付け行動による結果です。

  4. 名前:すぽ 投稿日:2020/04/05(日) 13:27:07 ID:589fc6ab0 返信

    現役トレーダーさん、ありがとうございます。
    このテーマについては、僕がまだ思考整理しきれておらず誤解を招くような表現もあると思います。すいません。
    仰るように、トレンドフォローと感情は違うものですし、ファンダを織り込むトレンドフォローというのも当然あると思います。
    トイレットペーパーをファンダで評価するなら、必要性も供給量も変わっていないのですから何の変化もありません。でも実際には短期的な供給逼迫がおき、「価格高騰同等の現象」が起きたわけです。これらは全て買う側の思考が原因です。
    この思考の部分を「トレンドフォロー」と呼んでみたり「感情」と呼んでみたりしているという感じです。もっと良い言葉あるとよいのですが、うまく見つからなくて悩んでいるという感じです。

  5. 名前:Aaaaa 投稿日:2020/04/06(月) 23:16:31 ID:08fcd625c 返信

    トイレットペーパー不足は、在宅勤務や、学校休みで、親が会社に行かなくなったので、純粋に家庭用の需要が増えたということが大きいのでは。きっと事務所用などの業務用はダブついていると思います

  6. 名前:Aaaaa 投稿日:2020/04/06(月) 23:29:25 ID:08fcd625c 返信

    デマに扇動されたとか、パニック買いとかと揶揄されたりしていますが、引きこもりで家の中で消費する量が増えているのは事実。そこに従来の生活とは異なる需給のギャップが生じている。なんで、そういうことを説明するような記事は全く無いのだろうか?

  7. 名前:すぽ 投稿日:2020/04/07(火) 14:48:56 ID:589fc6ab0 返信

    Aaaaaさん、ありがとうございます。
    捨て前提のようなハンドルネームは禁止ですのでご注意ください。
    トイレットペーパーの供給逼迫の理由は、明確な証拠が見つけづらく、視点が違えば違う捉え方になるようなタイプの話だと思います。
    僕は下記理由から「需要が増えたから」という捉え方はしていません。
    ・歴史的にトイレットペーパーの供給逼迫が繰り返し起こっている
    ・品切れを起こした時期(2/26ごろ)は、学校休校の話が出ていない
    ・購入した人たちそのものが、概ね記事のような思考パターンで動いていた
    家での利用増は軽微で、供給逼迫を引き起こすようなレベルではないと思っています。
    おそらく今後は「買いすぎ」の反動(あまり売れなくなる)がくると推測していますが、反動がきたら需要ではなく心理的な問題だったと考えることはできそうなので、そういった検証ができると面白いかもしれませんね。