株主優待株に思うこと

私はこのブログで公表しているPF以外に、全体の1/3程度の別の資産エリアを持っています。この中にはいわゆる株主優待株もそれなりにあるのですが、これらの株は結局主力PFには敵わないなぁというのが実感です。

優待エアバックは存在する
優待株でも有名なみきまるさんの名言に「優待エアバック」という言葉があります。株主優待がある企業の株は、株価が下落すると優待利回りが高まるため下支え効果があるというものです。私の保有株を見ても、ビックカメラや吉野家などは利益が赤字ギリギリになろうと一定以上は下がりませんし、マクドナルドに至ってはあまりに割高のためここ10年間保有するチャンスすらありませんでした。優待エアバックは確かに存在すると思いますし、私も株を始めようとする人や妻に対しては株主優待株を勧めています。

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倍になる株もあった
私が保有している優待株のうち最も優秀な成果を上げているのは第一興商で、買値の5倍以上になっています(847円→4,520円)。カラオケ機器のプラットフォームとして無敵の地位を保っていることに加え、自社株買いに積極的で利益の大半を毎年株主還元していることから株価が伸びました。

結局はBAASの差が出る
しかしこの5倍という成績は私のメインPF全体の成長率以下の成績です。優待株全体ではリーマンショック時代から3倍弱で日経平均にはなんとか勝てる程度の成績です。
優待株はどうしても優待利回りに重きをおくことになるため、成長に目を瞑ってしまいがちです。このためマシな株でもAクラス(5%成長)でBクラス(横ばい)の株も少なくありません。株価はBクラスぐらいで買うことが多く、結果的には良くてBA、その先の成長は緩慢という結果になります。
一方でASを軸にしたメインPFを考えると、AS2倍に加えて企業の成長が寄与しています。例えばこれまでで最大のパフォーマンスを上げたインフォマートの利益は購入時の3倍ぐらいになっておりこの分がパフォーマンスを底上げしました。
という訳で、結局優待株投資はBAでありASの方が優秀なのだろうと今のところ結論づけています。

#蛇足ですが、いわゆる優待エアバックはA(PER20)ではなくB(PER10)ぐらいで機能するため、ASの成長株投資にエアバックはないと思った方が良いと思います。成長株投資は成長の波に乗る難しい投資であり、このため私は「ビジネスモデル」という守り側を強く意識して投資しています。

参考記事:10.割安株ではなく成長株

『株主優待株に思うこと』へのコメント

  1. 名前:駆け出しの投資家です 投稿日:2016/03/05(土) 00:40:38 ID:6da9ea871 返信

     すぽさんこんばんは。
    周りが下落相場入りを叫ぶ中 現金比率を調節しながら
    何とか生きながらえております。
    何とか資産は増えているのですが
    まだ投資歴3年程なので値動きで心揺れるたび
    投資とは何だろう シリーズを読み返し心落ち着ける日々
    大変感謝しております(笑)
    すぽさんが掴めてきた!と実感されたのは
    投資をはじめてどれくらい経ってからでしょうか
    やっぱり今でも不安はあるのでしょうか

  2. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/05(土) 02:05:00 ID:25f58d187 返信

    駆け出しの投資家ですさん、質問ありがとうございます。
    「それなりに安く買った株を中長期保有すれば概ね失敗はない」という感覚は投資初期からありましたので、その意味では早いうちからあまり不安はありませんでした。
    ただ株価との付き合い方が安定してきたのは「成長、ビジネスモデル、割安」という今のスタイルに行き着いた時で、リーマンショック後ぐらいだと思います。
    一番最後まで分からなかったのが「成長」の重要性です。
    「ビジネスモデル(企業の儲かり方)」の研究はもともと趣味みたいなもので投資に目覚める前から勉強していました。
    「割安」については財務諸表が読めて、理系の発想があれば分かると思います。
    投資当初はこの二つを武器に割安株投資を自信満々に行ったのですが、これが意外なほど伸びないんですよね。で、その横で気軽に買った成長株がどんどん伸びる。この現象(現実)の観察を通じて「成長」という考え方を加えることができ、今のスタイルになりました。

  3. 名前:駆け出し投資家 投稿日:2016/03/06(日) 01:56:43 ID:f541195b1 返信

    >概ね失敗はない」という感覚は投資初期からありました
    字面だけ読んでると鉄人みたいですね・・・
    分かっていても株価の変動に、資産減に怯えています
    業績が5年で2倍になる会社を持てば負けない
    ・・・とおっしゃっていて
    欲をかきすぎないのも秘訣なのかな とも思いました
    投資家たるものリスクを許容しなければいけないのですね
    ビジネスモデルを調べたりするのは大好きなのですが
    財務3表一体理解法など すぽさんオススメ書籍も
    買ったまま読んでいないのでもう少し勉強しないといけないようです
    貴重なコメントありがとございました

  4. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/06(日) 09:01:43 ID:6be27f3f6 返信

    駆け出しの投資家ですさん、コメントありがとうございます。
    > 字面だけ読んでると鉄人みたいですね・・・
    > 分かっていても株価の変動に、資産減に怯えています
    いやいや、それこそ「投資とはなんだろう」に書いてある通りで、株式は中長期的に勝てる(期待値がプラス)のバクチだと腑に落ちたから株式投資にスタートしているのでそれほど凄いことではありません。
    ・企業は利益の分だけ大きくなる
    ・年金基金や金融機関は兆単位で株を買っている
    原理から考えても、世の中の事実から見ても間違いないと思いませんか。
    また5年で2倍は割と野心的ですよ。駆け出しの投資家ですさんが会社勤めをされているのであれば、その会社は5年で2倍の売上になりますか。(私が勤める企業は当然なりません)
    5年で2倍は日本ではトップクラスの成長企業です。

  5. 名前:駆け出し投資家 投稿日:2016/03/07(月) 02:40:39 ID:22b95098e 返信

     ・・・自分も分かってはいるつもりなんですが
    これも以前 別の方にアドバイスされていた
    胆力ということなんでしょうか(汗)
    >年金基金や金融機関は兆単位で株を買っている
    確かにそのとおりですが、まわりで聞こえてくるのは
    「年金をギャンブルにつぎ込んで云々・・・」そんな意見ばかりです
    まだ 適量のリスクをとることが正しいと思う 
    気持ちが足りないのかもしれません。
    >また5年で2倍は割と野心的ですよ
    これもごもっともです(笑)
    わたしは斜陽産業に従事して毎日売り上げの減少に喘いでいます。
    自分の環境に数字を落とし込むと確かにごもっともなのですが・・・。
    いざ市場を見回せば とんでもない利益を上げる会社があり
    株価も見る間に飛んでいく
    ついついゲーム感覚というか 感触の虚ろな投機になりがちです。
    すぽさんの売買履歴をもう一度拝見させていただき
    少し ぶれない投資を考えようとおもいます。
    長文失礼しました。

  6. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/07(月) 08:22:37 ID:98318cec2 返信

    駆け出しの投資家さん
    お話しを聞くと次のステップは「財務諸表の理解」ですね。
    PER、PBR、自社株買い、配当性向などが財務諸表でどう表現されるのか、すっと言えるようになると「中長期的に勝てるバクチ」の意味が分かります。
    本は財務三表一体理解法がよいと思います。難しく無いので楽しく学んでみて下さい。