「Yahoo!ショッピング」の革命に大きな期待–市場活性化と反撃
eコマース市場で、孫さんらしい大戦略を打ち出しました。
低価格戦略で市場拡大とシェアを取りに行くYahooBB、ヤフオフ、携帯電話の時にやったお得意の戦略です。成功の可否はまだわかりませんが、楽天が大きなダメージを受けることだけは間違いありません。
プラットフォームの勝ち組は1つだけ
この市場はプラットフォーム型であり、勝ち組は1つに収斂します。この市場でのNo.1は楽天であり、通常であればNo.2以下がひっくり返すことはできません。
しかしこの市場は、孫さんにとって最も得意な、遊び場のような市場です。日本ではヤフオクでebayと戦い、中国ではアリババ(淘宝網)で勝ち抜くなど、何が勝敗を分けるのかを熟知しています。そんな中で孫さんが打った一手は「出店料無料、売上ロイヤリティ無料」でした。
楽天は致命的なダメージを受ける
出店者にとって、これまでの楽天市場での出店料負担は小さくありません。毎月2万円以上支払う必要があるということは、毎月最低でも5万円程度の売上が必要で、それ以下であれば赤字で出店した意味がなくなります。
ヤフーショッピングでは、こういった出店リスクがなくなります。弱小店舗の乗り換えはもちろん、今楽天に出店している全ての店舗はヤフーとの掛け持ちが可能になります。
繰り返しますが、この市場はプラットフォーム型であり、出店数・商品数がサイトの価値に直結します。現在の関係が続けばあっという間にヤフーが楽天以上の出店数・商品数を手に入れるでしょう。そして1位になれば楽天が再度ひっくり返すことは容易ではありません。
楽天の対抗方法は基本的には1つしかありません。「ヤフーと同程度の手数料まで下げる」です。しかしそれはこれまでの楽天のビジネスを破壊することを意味します。つまり楽天は「市場を明け渡す」か「利益を吹き飛ばす」かという地獄の選択を迫られているということです。
ちなみにヤフーは利益基盤が他にありますので、失敗しても「たかが数十億円」です。
株価は何故か冷静
楽天およびヤフーの株価は、戦略発表翌日に暴落しましたが少しづつ回復してきています。ヤフーはまだしも、楽天まで回復する理由は全くありません。
楽天の価格改定のプレスリリースがいつ出てきてもおかしくない、そんな危機的状況にあります。私が楽天の株主なら、間違いなく全株売却します。
楽天は致命的ですよね。
私もそう思います。
一部に、楽天にはコンサルやキャンペーンの能力があるから一概に高いとは言えない、という意見もありますが、いずれはヤフーに流れていくものと思っています。
楽天カードをメインカードで使っているんですが、メインカードの乗り換えを検討する必要もありそうです。
楽天は派生ビジネスも楽天市場があってこそ、なので苦しいですね。
10年くらい前にヤフーは楽天の真似をすれば勝てるのに、なんで真似をしないんだろう?
とブログに書いたような記憶があります。
10年前に楽天の真似さえしておけば、こんなことしなくて済んだのにな、と思いました。