04.優秀な企業の条件:「成長性」と「ビジネスモデル」

優秀な企業とは

優秀な企業を見つけ出す、これはなかなか厄介な作業です。
商品の魅力、市場環境、競合の状況、経営者の力量、社員の力、コスト体質・・・考え出すと何が大切なのかさっぱりわからなくなります。

僕なりにずっと答えを考え、そしてやっと出た結論は、邱永漢さんやバフェットさんが仰っている答えと同じでした。
企業の業績に最も影響を与えるのは、「経営者」よりも、「企業体質(社員)」よりも、「市場環境」と「ビジネスモデル(利益が出やすい仕組み)」です。

ちなみに、この二つの重要度でいうと「市場環境」>「ビジネスモデル」ですが、基本的には両方優秀である企業を選ぶことが重要です。

市場環境

市場環境の良し悪しを見極めるのはそんなに難しくありません。これまでの成長率の流れを見れば大体そのとおりになります。ニーズのトレンドはそんなに変わらないものです。
中国は伸びる、日本は横ばい。ITは伸びる。A社はこれまで15%ペースで5年伸びているから来年も10%以上伸びるだろう。そんな予測で十分であまり外れることもありません。
ですので売上が横ばいの業績の株。こんな株を5年持ってても大抵横ばいのままです。

ビジネスモデル

市場環境の次に重要なのはビジネスモデルです。僕が最も注目するのはここです。
市場がいくら上り調子でも競争が激しいと何の意味もありません。たとえば液晶テレビ、ここ10年ずっと市場は拡大し続けましたがどの企業もほとんど利益が出ていません。当たり前ですが伸びそうな市場はみんな飛び込んで値下げ合戦になるため、市場の成長を享受することはできないのです。
そう考えると世の中は、伸びる市場は競争で儲からない、伸びない市場はそもそも大して儲からないとなりどの株を買っても同じ事の様に感じてしまいます。
でも、実は様々な理由で「伸びるのに競争が少ない」という幸せな企業は確実に存在しており、その様々な理由のことを僕は「ビジネスモデル」と呼ぶのだと思っています。

また、このビジネスモデルを有する企業はごく一部の企業に限られており、上場企業の中でも5~10%程度といいうのが僕の見立てです。

参考:「成長する企業の条件」について