前回の記事のコメント欄が盛り上がり頭がフル回転の状態になりました。疲れましたが楽しかったです。コメントのやり取りの中でもう少ししっかり書きたい内容があったので記事にしてみます。
これまで色んな企業をIR資料を読んできましたがその中で「新事業がなんだかうまく行っちゃっています」というトピックをたまに見かけることがあります。例えば次のようなものです。
- サイバーエージェント→アメーバピグ
- ペッパーフードサービス→いきなりステーキ
- SMS→カイポケビズ
- PCデポ→SLP(サービス化)
- DeNA→モバゲータウン
これらは初期のIR資料の中では最終ページ近辺の「1枚ページ」で取り上げられます。そして1~2年経つと業績説明ページの主役を張るようになり、その企業の成長ドライバーと変わっていきます。私はこのセリフはニーズの鉱脈を掘り当てたサインだと思っています。
ニーズの鉱脈を掘り当てる
私はニーズとは鉱脈のようなものだと捉えています。金山や鉄鉱石など、地上からは見えないが色々掘ってみると偶然見つかるというあのイメージです。
鉱脈探しをする場合、まずは鉱脈がたくさん眠っている「エリア」があるのが普通です。ですのでまずはこういうエリアを採掘場として選ぶのが適切です(IT・Webなどがそれにあたります)。しかしそこに行けばニーズを見つけられるというとそうではありません。「この辺りにあるだろう」と推測しながら、お金をかけて色々掘った中で偶発的に鉱脈が発見される。そして一度鉱脈を発見されると今後しばらくは大規模な採掘作業がスタートする。こんなイメージです。(現在の鉱脈探索はもっと科学的なものになっていると思いますが・・・)
鉱脈を必ず掘り起こしてみせるという経営者
こういう前提に立ってみると「ここを掘っています。必ずニーズが見つかります」という話と「なんか掘り当てちゃったみたいです」という話は全く別物だと気づきます。
経営者が「成長が鈍化したので、海外市場に拡大することで再成長します」という中期計画を立てる様子をよく見ますが、これは「うちの鉱脈の隣を掘っています。隣なので鉱脈があるに違いありません」と言っているようなもので、本当に鉱脈があることがわかるまでは「単なる希望的観測」です。ですので投資家としては慎重に聞く必要があります。
鉱脈を見つけたところで投資する
ニーズの鉱脈を掘り当てるのには、経営者の力も重要ですが最終的には運です。ニーズに掘り起こしのために投資家としてお金を出すのはロマンがありますが(投資家らしい行動でもありますが)、投資対効果の視点で言えば「鉱脈を見つけたので、これから採掘を拡大します」というところに投資した方が効率が良いように思います。
新事業がなんだかうまく行っちゃってます
このフレーズに着目してみると面白い投資ができそうです。
※読みづらかったので少し文章を修正しました。
すぽさんこんばんは
新規事業が上手くいっちゃっています的な企業ですが、その辺りが事業の伸びのピークだって事も往々にしてある気もします。
また、IPOをする新興企業も上場ゴールでは無いですが、その後の伸びがイマイチなものも多いと感じます。
・楽天→海外事業
・グルーポン
・サイバーエージェント→アメーバ事業
・gumi等
何を持って今後も上手くいくかと言う見極めが大事なように思います。