新事業がなんだかうまく行っちゃってます

前回の記事のコメント欄が盛り上がり頭がフル回転の状態になりました。疲れましたが楽しかったです。コメントのやり取りの中でもう少ししっかり書きたい内容があったので記事にしてみます。

これまで色んな企業をIR資料を読んできましたがその中で「新事業がなんだかうまく行っちゃっています」というトピックをたまに見かけることがあります。例えば次のようなものです。

  • サイバーエージェント→アメーバピグ
  • ペッパーフードサービス→いきなりステーキ
  • SMSカイポケビズ
  • PCデポ→SLP(サービス化)
  • DeNAモバゲータウン

これらは初期のIR資料の中では最終ページ近辺の「1枚ページ」で取り上げられます。そして12年経つと業績説明ページの主役を張るようになり、その企業の成長ドライバーと変わっていきます。私はこのセリフはニーズの鉱脈を掘り当てたサインだと思っています。

ニーズの鉱脈を掘り当てる
私はニーズとは鉱脈のようなものだと捉えています。金山や鉄鉱石など、地上からは見えないが色々掘ってみると偶然見つかるというあのイメージです。
鉱脈探しをする場合、まずは鉱脈がたくさん眠っている「エリア」があるのが普通です。ですのでまずはこういうエリアを採掘場として選ぶのが適切です(ITWebなどがそれにあたります)。しかしそこに行けばニーズを見つけられるというとそうではありません。「この辺りにあるだろう」と推測しながら、お金をかけて色々掘った中で偶発的に鉱脈が発見される。そして一度鉱脈を発見されると今後しばらくは大規模な採掘作業がスタートする。こんなイメージです。(現在の鉱脈探索はもっと科学的なものになっていると思いますが・・・)

鉱脈を必ず掘り起こしてみせるという経営者
こういう前提に立ってみると「ここを掘っています。必ずニーズが見つかります」という話と「なんか掘り当てちゃったみたいです」という話は全く別物だと気づきます。

経営者が「成長が鈍化したので、海外市場に拡大することで再成長します」という中期計画を立てる様子をよく見ますが、これは「うちの鉱脈の隣を掘っています。隣なので鉱脈があるに違いありません」と言っているようなもので、本当に鉱脈があることがわかるまでは「単なる希望的観測」です。ですので投資家としては慎重に聞く必要があります。

鉱脈を見つけたところで投資する
ニーズの鉱脈を掘り当てるのには、経営者の力も重要ですが最終的には運です。ニーズに掘り起こしのために投資家としてお金を出すのはロマンがありますが(投資家らしい行動でもありますが)、投資対効果の視点で言えば「鉱脈を見つけたので、これから採掘を拡大します」というところに投資した方が効率が良いように思います。

新事業がなんだかうまく行っちゃってます

このフレーズに着目してみると面白い投資ができそうです。
※読みづらかったので少し文章を修正しました。 

『新事業がなんだかうまく行っちゃってます』へのコメント

  1. 名前:ssbrain 投稿日:2016/03/27(日) 21:33:50 ID:79bc1b726 返信

    すぽさんこんばんは
    新規事業が上手くいっちゃっています的な企業ですが、その辺りが事業の伸びのピークだって事も往々にしてある気もします。
    また、IPOをする新興企業も上場ゴールでは無いですが、その後の伸びがイマイチなものも多いと感じます。
    ・楽天→海外事業
    ・グルーポン
    ・サイバーエージェント→アメーバ事業
    ・gumi等
    何を持って今後も上手くいくかと言う見極めが大事なように思います。

  2. 名前:ssbrain 投稿日:2016/03/27(日) 21:39:36 ID:79bc1b726 返信

    また、鉱脈を掘っても当てられるかは運という事ですが、今までに何本もの鉱脈を掘り当ててきて、更に貪欲に掘りまくっているソフトバンク、サイバー等の会社は今後も何かやってくれるんじゃないかという期待感(ロマン?)から投資したくなりますね。

  3. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/28(月) 00:08:10 ID:ddf22a427 返信

    ssbrainさん、ありがとうございます。
    おっしゃる通り「発見した鉱脈の見極め」は重要ですね。どんな鉱脈で、どれぐらいの大きさになるのかしっかり理解して投資する必要があります。
    ・楽天→海外事業
    →これは典型的な「経営者のホラ」の範囲ですね。アリババがいるのに中国と言った時から負けが決定していました。
    ・サイバーエージェント→アメーバ事業
    →CAは保有していたこともあり割と詳しく知っていますが、アメーバピグのおかげで株価は3倍ぐらいにはなりました。利益貢献は3〜5年ぐらいではあったものの、それまでは広告代理店という地味なビジネスだったので影響は大きかったと記憶しています。
    ・グルーポン
    ・gumi等
    →IR資料の中心になった時は少し遅い場合が多いかもしれません。IPO銘柄は上場が目的の可能性もありますし、上場までのお化粧は基本ですので注意が必要ですね。
    >今までに何本もの鉱脈を掘り当ててきて、更に貪欲に掘りまくっているソフトバンク、サイバー等の会社は今後も何かやってくれるんじゃないかという期待感(ロマン?)から投資したくなりますね。
    おっしゃる通りです。孫さんは掘るだけではなく鉱脈の売買も得意ですね。藤田さんはアメーバピグが利益貢献し始めた頃に「スマホシフト」だと言って人員の半分をスマホに大移動させるなど、ニーズの本質(発掘・運であること)を深く理解している方だなと思います。尊敬します。
    こういう稀代の山師にかけるのもロマンがありますが、もう少し地味な投資(鉱脈発見後に投資をする)というのがリーズナブルだとは思っています。

  4. 名前:てぃ~えむ 投稿日:2016/03/30(水) 12:54:29 ID:32bf4f1d2 返信

    素晴らしい記事です!感動しました。
    掘り当てた、としても鉱脈の大きさも初期には定かじゃないことから、当てた、というだけで打診買いしていくのが賢明なように感じました。すぽさんのおっしゃるとおりです。はっきりしたことが公になってからではすでに乗り遅れているような気もします。
    株が、企業がビッグチェンジするときのきっかけというか、サインというのをここまでわかりやすく説明したものを見たのはこれが初めてな気がします。私はこれまでオーソドックスに利益の伸び具合とかに着目していましたが、これまでの経験と照合してもすごく説得力がある記事です。ありがとうございました。今後大いに参考にさせていただきます。

  5. 名前:すぽ 投稿日:2016/03/30(水) 23:45:02 ID:e6cc56b3b 返信

    てぃ~えむさん、ありがとうございます。
    鉱脈の大きさを測ることは確かに簡単ではありませんが、お金の入り口に目を向けて考えればどんな鉱脈なのかはわかります。
    ・サイバーエージェント→アメーバピグ
    →無料ユーザーだけが増え続けたアメーバブログから派生してキャラクターの着せ替え等のアイテム課金が思いの外うまくいった。マネタイズの鉱脈を掘り当てた。
    ・ペッパーフードサービス→いきなりステーキ
    →高原価&高回転というビジネスモデルによって月商500万円で成功と言われる外食で2000万円という爆発的な人気に。ブーム感が否めないのでブーム後の業績をイメージする必要がありそう。
    などです。企業分析という意味では通常の分析と変わるところはありませんが、株価は「主力側」を中心に評価されがちですのでそういう意味では面白いかもしれませんね。