ポートフォリオ6銘柄の損益(2018年12月)

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■12月の総括

今月は大幅な下落に見舞われて年間パフォーマンスは-34.6%まで下落しました。約1/3のマイナスです。売買はちょこちょこ行い今のポートフォリオになりました。売買は以下のとおりです。

・売却:エリアリンク、夢真HD
・新規購入:手間いらず

エリアリンクは議論を通じて、年度決算発表や中期計画見直しを行うまでリスクが大きいと判断し売却しました。夢真HDは損出しを狙って売却しましたが、下落相場の中で他銘柄のナンピンを優先したため再購入していないという状況です。
新たな銘柄として「手間いらず」を購入しました。宿泊業向け予約サイトコントローラーという鉱脈を掘り当ててこの世の春を迎えているような企業、PERが購入水準になっていたので驚いて購入しました。(その後あっという間に3割ぐらい下がり、苦笑いしながらナンピンしましたが・・・)

■2018年の総括

先程書いたように12月の大きな下落にもしっかり巻き込まれ-34.6%となりました。個人成績としてはリーマンショックに次ぐような下落幅になりましたが、大きくはこの3つによるものだと考えています。

  1. MKシステムの決算修正
  2. 島精機製作所の下方修正
  3. グロース株のドローダウン

1.MKシステムについて
これは事故に近い部分と経営者リスクの2つがあったように思います。複数年に渡る決算修正もなかなか酷いですが、今年度の下方修正や儲かるわけがないCube事業への追加投資あたりは経営者の力を疑わざるを得ないような内容でした。今後の投資においても経営者リスクは認識しておきたいと思います。

2.島精機製作所について
こちらは単純な失敗ですね。シクリカル銘柄は得意ではない中でしっかり巻き込まれたという感じです。もともとの見立ては以下のようなもので、大きく変わるところはありませんので気長にウォッチする銘柄にしていきます。
ホールガーメントという唯一無二の完全自動織り機を開発する会社。一般の編機の四倍という高価な商品ながら、人件費・捨てる布などのコストダウンが可能となりアジアを中心に販売が広がる。長年に渡る商品開発を通じたノウハウと膨大な特許があるため模倣はほぼ不可能。
ユニクロ・ZOZOも信頼を寄せる企業で、来たる衣料品フルオーダーの時代で大きな躍進を迎える可能性がある。1~2年というよりその先の成長を期待する銘柄。評価は4.0に近い3.5。

3.グロース株のドローダウン
私のPFはグロース株中心でキャッシュポジションが100%に近いような構成ですので、今年度のグロース株のドローダウンを直撃しました。以下はマザーズ指数のグラフですが体感もパフォーマンスもこんな感じでした。
マザーズ

私の方針は「信用収縮のトリガーを引いたときを除き、中長期で保有しつづける」というものですので、「グロース株のドローダウン」という流れが来ると為す術はありません。株は100の資産が市況によって50~200ぐらいになるものですしこの程度の下落は甘受すべきだと思っています。
株価が下がったことはもちろん残念ですが、一方でバーゲンセールによってA→S投資の判断基準に合致する銘柄も増えました。手間いらずとじげんとフリンジ81という自分の好きな銘柄を中心にPFを再構成し直すことができたのは心強い限りです。

■ドローダウンで学んだこと(ルールを1つ追加)
「グロース株のドローダウン」は、ルール上では想定していましたが実際に経験したのは初めてです。
・割安になったのでナンピンをすると、あざ笑うかのように下落する
これが絶えず繰り返されるのはメンタル面での辛さがあるなぁと感じました。そこでメンタル面でのダメージ緩和のために一つルールを追加することにしました。

【追加ルール】
保有株が大きくマイナスになったら損出しクロスを行い、買値をリセットする
(やり方については別の記事にまとめました

株式相場には「買値は気にするな」という言葉があります。プロスペクト理論の通り、人間は買値によって不合理な心理が生まれるわけなのでこの言葉は正しいのですが、私の売買ルールに「2倍になったら半分売る」といった考え方がありどうしても買値を使わざるを得ません。
こういった中、今回のようなドローダウンがあると

・PFが全てマイナスになり、買値までは心理的に売りづらくなる
・2倍の目標値も遠くなる
・かといってバーゲンセールで売る理由はない

このような状況になり心理面の負担が大きいことがわかりました。投資スタイルを変えずこれらの心理的負担をなくすため、新たに「損出し」のルールを追加することにしました。来年初頭に損出しを行い買値をリセットする予定です。

■来年に向けて
今年は会社を退職してフリーランスをスタートしました。株価は大きく下げましたが、投資勉強会などにも色々と参加させていただき、多くの投資仲間とお会いすることができて幸せな一年でした。
成長株の中長期投資の本質はPERではなくEPS成長です。買値を忘れれば今のグロース株はバーゲン中であり企業の成長が見極められればチャンスでしかありません。来年も平常心で楽しく投資をしていきましょう。それでは良いお年を!

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月の売買について
2016年11月より月次報告と一緒に売買履歴を公開することにしました。

参考:売買報告の変更について

私の売買報告によって株価が変動するような最近の状況を踏まえて、売買報告を以下のとおり変更します。これでも株価が変化するようならまた次の策を考えます。


・売買報告は月度報告と同時に実施する(月度中の都度報告は止める)

・月度報告とともに、その月に実施した売買履歴をGoogle Driveを使って公開する。※Google Driveにファイル登録日・更新日が記載されるのでその日に書いたことの証明になります。(厳密には「削除していない証明」はできていませんが、これを証明する手段が思いつきませんでした。ご了承ください。)

・この運用は2016/11/1より開始する

『ポートフォリオ6銘柄の損益(2018年12月)』へのコメント

  1. 名前:SEIYU 投稿日:2018/12/28(金) 15:44:17 ID:aee8cef4e 返信

    手間いらず、元比較COMですね

  2. 名前:すぽ 投稿日:2018/12/28(金) 16:16:34 ID:589fc6ab0 返信

    そうですね。TEMAIRAZUという商品が上手く行き過ぎて、会社名もそちらに寄せたらしいですね。

  3. 名前:MEANING 投稿日:2018/12/28(金) 23:43:16 ID:5cfd10b6b 返信

    「2倍になったら半分売る」といった考え方に執着しないで、柔軟に対応した方が良いのかもしれませんね。
    含み益、含み損、には税金対策以外に何の価値もありません。買値なんて気にしなくてもいいです。保有株の価値は含み損益では変わりませんので、気にするだけ無駄です。
    信用取引を利用するような記述がありますが、手を出さないほうがいいですよ。枠があると暴落時に買いたくなります。
    マザーズ指数は2006年から3年間で半値八掛け二割引、の半値八掛け二割引、以下になりました。10分の1以下ですね。2013年は逆に2.5倍になりました。
    マザーズ指数と連動したポートフォリオというのはとても変動が大きいので、含み損益気にしていたらやってられません。開き直っても駄目ですが、瞬時に受け入れるしかないです。
    下落相場に突入したかどうかは誰にも分かりませんが、今まで実体経済に対して株価は上がり過ぎた感じがしますね。下がり過ぎた株価の反動なのか、行き過ぎた株価の反動がこれから来るのか分かりませんが、どちらかでしょうね。
    5年とか10年とかの短いスパンではなく、もっと長いスパンで考えれば、3年程度の下落相場だって気になりません。僕は今回の下落相場は3年くらいじゃないかと適当に思っています。
    お互い来年はかなり資産を減らす可能性がありますが、気にせず頑張りましょう。
    ※繰り返しますが信用取引はだめですよ。
    僕はすぽさんを応援することに決めました。
    来年は引き続き下落相場かもしれませんので、今年の総括はしっかりやった方が良いかもしれませんね。
    好きこそものの上手なれ、楽しんでいきましょう!

  4. 名前:すぽ 投稿日:2018/12/29(土) 08:54:17 ID:589fc6ab0 返信

    MEANINGさん、愛情のあるコメントありがとうございます。
    >「2倍になったら半分売る」といった考え方に執着しないで、柔軟に対応した方が良いのかもしれませんね。
    買値をベースにしたルールは矛盾が生じやすいのはその通りなんですよね。少し柔軟性を持たせたいなぁと思い新ルールを導入しました。ここは考えながらですね。
    >マザーズ指数は2006年から3年間で半値八掛け二割引、の半値八掛け二割引、以下になりました。10分の1以下ですね。2013年は逆に2.5倍になりました。
    その頃は中国株中心だったので、今マザーズの過去チャートを見ました。本当に1/10以下になったんですね。バブル以上のシュリンクですね。心しておきます。
    >※繰り返しますが信用取引はだめですよ。
    これは邱永漢さんの教えですので絶対行いませんよ。MEANINGさんともここで約束しておきます。
    おっしゃる通り長い投資人生の中ではたかが数年のことです。来年も楽しく行きましょう!

  5. 名前:ドンタコス 投稿日:2018/12/29(土) 21:30:35 ID:ffb2ef49f 返信

    PFとしてアリババ等は含まないのでしょうか?以前ツイッターでアリババを保有していると見た気がしたので。ただ国内株式のみというくくりなのでしょうか?

  6. 名前:すぽ 投稿日:2018/12/29(土) 21:50:00 ID:589fc6ab0 返信

    ドンタコスさん、質問ありがとうございます。
    公開しているのは2011年11月から4銘柄で始めた主力PFです。具体的にはSBI証券口座を表記しています。先日退職金の一部を入金しましたがそれ以外の入金は行っておらず、割と閉ざされた状態で運用してます。
    主力PF以外にはマネックスやクリック証券などに口座があり、アリババや株主優待株なども少し保有しています。ビットコインも持ってましたしね。
    そんな感じです。

  7. 名前:二月堂 投稿日:2018/12/30(日) 15:07:24 ID:1f0cb7e48 返信

    すぽさんこんにちは。二月堂と申します。
    手間いらずを購入されたとのことですが、いずれは企業分析の議論をする予定はありますか?
    私も以前、手間いらずの購入を検討した事がありましたが、最終的に見送りました。すぽさんが購入に至った思考の過程が知りたいと思いました。議論が開かれるのであれば是非参加させてください。

  8. 名前:takamaru 投稿日:2018/12/30(日) 15:14:01 ID:16fbdfec8 返信

    すぽさん今年は残念至極でしたね。私も相当な痛手。
    でも、悔やんでいても何も生うまれません。気を取り直して頑張るしかありませんよね。
    ●じげん
    【グーグルが人材募集進出】のニュース。どう思われます?
    中小企業はみじめに駆逐されるのでしょうか?
    いやいや、この業界にも「ノウハウ」というものがあり、そう簡単にやられてしまうはずはない…と思うのですが・・・如何

  9. 名前:すぽ 投稿日:2018/12/30(日) 20:53:00 ID:589fc6ab0 返信

    二月堂さん、ありがとうございます。
    手間いらずは機会があれば記事にしようと思っていますが少しだけ書いておきますね。
    プラットフォームビジネスで最も大切なのは「お客さんに一番近いこと」です。
    旅行業であればユーザーとホテルの両側に「お客さん」が居ますが、手間いらずは「ホテル側のお客さん」に最も近くに居るビジネスな上にシェアNo.1と非常に良いポジショニングをとっています。
    ビジネスモデルはプラットフォーム型&ストック型で、業績も見なくても高収益とわかるレベルで、そのとおりの業績です。
    今後の成長は新規顧客増とサービス追加による単価アップが基本でしょうね。
    インフォマートを見つけたときのような驚きがありました。
    参考になれば。

  10. 名前:すぽ 投稿日:2018/12/30(日) 21:08:00 ID:589fc6ab0 返信

    takemaruさん、ありがとうございます。
    マイナスにとらわれると無理しますので、ゼロリセットで行きましょう!
    googleの人材募集はIndeedと競合するイメージでしょうね。まずは注視で良いレベルだと思います。
    飲食検索にもgoogleが入っていますがその状況が参考になると思います。じげんのEXサイトは「検索ワード→SEOで呼び込む→EXサイトを使ってもらう」というビジネスですので、googleのアルゴリズムなどの影響は受ける可能性があります。
    一方で今のじげんの主力はリジョブやスモッカになりつつあるようなので、全体的には影響は限定的と考えています。
    ご参考まで。

  11. 名前:maco 投稿日:2019/01/01(火) 21:16:20 ID:d099c878c 返信

    初めまして
    いつも楽しく拝見させていただいております
    すぽさんの去年の売買を見ていると下がれば損切しているように見えたのですが
    そうなると中長期の前提は違うのかなと思うのですがどうでしょうか
    私も下がれば早々に損切りする方なので否定的な意見というわけではなくて
    倍になったら半分売るを撤回するのなら中長期投資も撤回するのがいいのではと思った次第です
    偉そうに失礼しました

  12. 名前:すぽ 投稿日:2019/01/01(火) 22:00:00 ID:1494f05a0 返信

    macoさん、ありがとうございます。
    他人の投資法を変えさせようとするのはかなりの信念が必要ですよ。
    macoさんの文章からはなぜ変えた方がよいのかが読み取れませんでした。
    中長期をやめてどんな意味があると考えていらっしゃるんですか?

  13. 名前:hiro 投稿日:2019/01/01(火) 22:46:45 ID:696a25256 返信

    すぽさんは成長株を購入されてるので、結果的に中長期投資になることかと思います。特に撤回する必要はないかと。
    中長期投資でもリスク回避は大事だと思います。自分は開示内容で違和感を感じたら撤退するし、さらに魅力的な銘柄が割安なら自分は乗り移ります。特に、今の下落相場なら普段以上に割安なので、チャンスと思っていろいろ調べて買うチャンスなのかと思っています。

  14. 名前:キャット 投稿日:2019/01/02(水) 19:02:05 ID:ccebf3a41 返信

    ご無沙汰しています。
    諸事情でハンドルネームを替えています。
    レントラックスや澤田Hで議論を依頼したものです。
    手間いらずは面白そうなビジネスですね。
    年末年始の旅行でインドに来ているのですが、昨日チェックインしたホテルで申し込んだサイトがエクスペディアかbooking.comかでかなり手続きが遅れました。
    もし昨日のホテルがtemairazuを導入していたら時間が掛かる事も無かったのかなと感じました。
    国内や海外の競合の状況は存じ上げないのですが、同様のサービスが無ければ世界展開も視野に入るのではと感じました。

  15. 名前:すぽ 投稿日:2019/01/03(木) 08:18:00 ID:8c1632935 返信

    hiroさん、ありがとうございます。
    これまでPCデポ、ウェッジHD、MKシステムでビジネスモデル以外の問題を食らったのですが、全て「早く降りた方が良かった」のは事実なんですよね。
    さっと降りるクセは必要かもしれません。
    良い企業に乗り換えるのは、私も今行っているところです。もうちょいいじりたいと思ってます。

  16. 名前:すぽ 投稿日:2019/01/03(木) 08:38:00 ID:8c1632935 返信

    キャットさん、ありがとうございます。
    海外は分かりませんが、日本国内の競合はこんな感じのようです。
    https://www.hotelier.jp/hotel_sc
    No2、No3はリクルート、楽天系でそれぞれ自社サイト誘導があるので中立な立場のTAMAURAZUが優位性があると社長インタビューで仰っていました。
    使い勝手、対応サイト数、価格で見ても優位性があり、プラットフォームの勝ち組に向けて盤石な位置に居ると見ています。
    ご参考になれば。

  17. 名前:よーでぃー 投稿日:2019/01/04(金) 18:15:38 ID:064341389 返信

    はじめまして、いつもここでの議論を参考にさせて頂いています。
    とうとう有名ブロガーに見つかってしまいましたか、手間いらず。
    社名を変える前、2年くらい前からホルダーです。
    株主総会にも2回ほど出席し、社長さんは真摯に受け答えする印象でした。
    「競合は?」という質問に、やはりリクルートと楽天をあげていましたね。
    ただ楽天とはターゲットが異なるのでバッティングしない、とも。
    (楽天は無料で使えるけれどペンション向き、手間いらずはビジネスホテル向けに適しているようです)
    ちなみに株主総会のときに聞いたところ、サイトコントローラーを使用している施設数は、楽天が1.5万(推測値)で手間いらずが4000程度、とのことでした。業界2位ですかね。
    でも提携予約サイト数はダントツでナンバーワンです。
    ただ気になるのが社長の「ホテル業界にすでに認知はされている」という発言で、
    じゃあ認知されてて使ってないお客さんは、乗り換える意志がないってことでは?
    とも感じており、期待の民泊でもそれほど大きく貢献せず、
    豊富なキャッシュを使って次のビジネスを展開してほしいなぁと思っています。
    もし議論になれば、みなさん超絶詳しく調査するので、参考にさせてもらいたいです。
    (なんで皆さんあんなに詳しく調べられるのか不思議・・・)
    あと、すぽさんの信用には手を出しません宣言を聞いて、
    私も信用取引はやめようと思いました。
    ごく少額で試し玉のときに使っていますが、MEANINGさんがおっしゃるように暴落時は買いたくなり、
    10月・12月の暴落で実際痛い目に合っていますからね、、、

  18. 名前:すぽ 投稿日:2019/01/05(土) 11:46:00 ID:589fc6ab0 返信

    よーでぃーさん、ありがとうございます。
    ユーザー数やシェア情報が見つからなかったのでとてもありがたいです。4000社程度というのは推定より少ないですし、楽天が思ったよりもシェアをとっているというのも非常に参考になりました。
    信用取引をやらないことについては、私からも強く薦めておきます。