銘柄分析:3316東京日産コンピュータシステム(3.5)

もぐりさん、大変お待たせしました。

それでは3316東京日産コンピュータシステムです。よろしくお願いします。

■結論
収益性の高いクラウドシステム構築サービスが好調で過去最高益を更新中。1年程度は好調トレンドが続きそうだが、その先には競争激化の懸念があり不透明。株価は割安圏内でそれ程心配はない。評価は3.0に近い3.5。


■基礎情報

GMOクリック証券の分析を使います。 

plh_3316_10
bs_3316_3

・その他IR資料など

■ポイント

Step1:業績の確認

・売上は大きくブレがあるものの利益は比較的安定
・2017、2018で大きく利益を伸ばし過去最高益
・B/Sは並

Step2:事業の確認、ビジネスモデルは?

・日産系のシステム会社。クラウド系のシステム管理サービスやパッケージサービス(マネージド・サービス)が好調で、利益が伸長。
→今までのシステム販売との違いは何だろう?

Step3:株価の確認

予想PER15.6で比較的割安

■もぐりさんへの質問

①会社の強み・弱みについてどう考えていますか。
②今後の成長イメージについてどのように考えていますか。
③その他聞きたいことがあればどうぞ

『銘柄分析:3316東京日産コンピュータシステム(3.5)』へのコメント

  1. 名前:もぐり 投稿日:2018/06/06(水) 11:53:57 ID:818fa30bb 返信

    すぽさん
    今回もよろしくお願いします。
    TCSは、もとは東京日産自動車のシステムサポート部隊が分社化したような会社です。
    その経緯から、主に日産系自動車ディーラーや日産系の自動車部品会社などのソリューションを手がけてきました。
    親会社の色を濃く見られがちな会社ですが、日産販売系の占める売り上げは6.8%(有報より)とそこまで依存はしてないみたいです。
    PCの入れ替え、ハードウエアの販売といったIT卸的なビジネスからスタートして、
    ここ数年は基盤構築サポート、データセンターの運営、カスタマーサポートみたいなソリューションサービス事業がメインとなってます。
    直近の成長は、それらサービスを統合して管理するマネージドサービスが好調によるもので、利益率向上に貢献してます。
    マネージドサービス自体は競合数多ありますので、このビジネスモデル自体はありきたりですが、TCSの最大顧客である日産系ディーラーのニーズと課題をつかめていることが、同社の最大の強みだと思っています。
    (続く)

  2. 名前:もぐり 投稿日:2018/06/06(水) 11:57:56 ID:818fa30bb 返信

    成長イメージについては、自動車ディーラー向けのマネージドサービス「イッテ」の拡販に期待しています。
    自動車ディーラーはメーカーの資本が入ったメーカー系の正規販売店と、正規販売店から仕入れて販売する独立系の業者があります。
    前者は既に取引のある系列の会社ですが、
    後者は日本全国に多数ちらばっていて玉石混合です。多くは地元の有力者などが経営している小さい会社がほとんどでニッチなマーケットですね。
    極端な話、地方のディーラーは営業マンが長年の感で顧客にアプローチしていたり、帳簿を手でつけていたりするような感じです。IT化されていない顧客が多く、フロンティアだと思っています。
    マネージドサービスの「イッテ」 は日産系ディーラーのニーズを解決するニッチなサービスを、ワンストップで提供する商品です。
    既存顧客は一部のシステムを利用しているだけな状況で、統合型へと拡大する余地はあると思っています。
    彼らの顧客データを預かること自体が参入障壁にもなるとも思います。
    自動車ディーラーは新車販売に加えて、車検や整備サポートなど、アフターフォロー主体のビジネスモデル変わってきており、より煩雑さが増してきています。
    一方、自動車の新車販売は縮小傾向ですし、地方は人材難なので、自動車販売の膨大なデータベースを活用するのは急務ですし、営業業務や基幹業務の合理化は今後進むと思っています。

  3. 名前:もぐり 投稿日:2018/06/06(水) 11:59:57 ID:818fa30bb 返信

    気をつけたいのが、受注高と受注残高が、外部要因に左右されやすい点です。
    2017-2018期は大規模なパソコンの代替案件が売り上げに反映されています。今期も消化されていっている状況で、目先その影響を受けています。
    一方で、ある範囲の顧客(おそらく親会社系列)のみで発生するシステム老朽化に伴う代替とIRには聞いていますので、定期的にあらわれる特需として捉えています。
    数字的の成長は、利益率の改善が進めば売り上げ+5~10%程度、営業利益+15%以上を期待してますが、
    会社の中期計画とは乖離があり株価は下げています。ちょっと萎えてきました。
    保守的な会社なんだと割り切ってますがご意見ほしいです。

  4. 名前:もぐり 投稿日:2018/06/06(水) 12:15:00 ID:818fa30bb 返信

    他産業へのマネージドサービスの進出や強みは不勉強なのであまりわかっておらず、どう思われますか?
    IT系に詳しい方いらっしゃいましたらお伺いしたいです。
    ストックビジネスなので、極端に利益が変動することは無いと思うのですが。
    一旦私からは以上です。

  5. 名前:すぽ 投稿日:2018/06/06(水) 22:02:00 ID:589fc6ab0 返信

    もぐりさん、ありがとうございます。
    「利益の構造がイマイチ分かりづらい会社だなぁ」というのが私の第一印象です。
    ■①②について
    マネージド・サービスの利益率が良く、過去最高益の牽引役だというのはわかるのですが、それではなぜマネージド・サービスは利益率が高いのでしょうか。私が思いつく理由は以下の2つです。
    1.クラウドサポート業務は現時点で競合が少なく高い料金が取れる
    2.クラウド型パッケージソフト(例えばイッテ)が売れて、”人月”商売ではないため高収益になる
    2だと、更なる高収益につながるため面白いのですが、決算短信などの表記を見ると1が主要因に見えます。1だとすると過剰な成長期待はしづらいと思います。
    計画は保守的だというのは同意です。
    ■他産業へのマネージドサービス展開について
    私も詳しい方ではないですが、最近はAWSやAzure(マイクロソフト)などへのシステムクラウド化が活況で、どのITベンダーもそちらにシフトしています。この企業に光るような強みがあるようには感じませんでした。
    やや厳し目ですが、いかがでしょうか。

  6. 名前:もぐり 投稿日:2018/06/07(木) 00:13:44 ID:3ce5b66ac 返信

    全体的に収益構造が見えにくい、資料もわかりにくい会社なので、そうした視点で意見いただけると助かります。
    業界ごとの利益のうちわけも会社は公開しておらず、個人的にはIRへの問い合わせなどで大枠で把握してる状態です…。
    マネージド・サービスの利益の構造は、1の競合が少ない分野で展開してる要素が大きいと思います。
    日産ディーラーへのサポートは、構造的に他が入れない、もしくは入りにくい、面倒くさい領域と思っています。
    この点、私はポジティブに捉えていて、今後拡大していくだろう地方の日産ディーラーに対しての拡販は長く安定して稼げると思ってます。
    とはいえ、基本システム屋なのでIT業界共通の人材育成や確保だったり、コスト上昇の影響は普通にうけるかなと。
    この分野だけの強みだと、高成長を期待するのは楽観すぎますかね?
    すぽさんおっしゃる通り、マネージドサービスの他業種分野への強みは特に無いのだと思います。
    マネージドサービスによるクラウド化は、伸びてるとはいえ、昨今珍しくないソリューションですし、厳しい戦いになるんだと思います。

  7. 名前:すぽ 投稿日:2018/06/11(月) 08:04:58 ID:a4b1d32e2 返信

    もぐりさん
    日産内ではなく外部で稼ぐ姿勢や先んじてクラウドで稼ぐなど、気概を感じる会社ですが、競争環境・ビジネスモデルは楽観できない印象ですね。
    他に確認したいことはありますか?なければ評価に移りたいと思います。

  8. 名前:もぐり 投稿日:2018/06/11(月) 12:49:32 ID:933a7f158 返信

    すぽさん
    他に質問は特には、ありません。
    今週末株主総会なので、すぽさんから指摘いただいた目線で参加してこようと思っております。
    ありがとうございました。

  9. 名前:すぽ 投稿日:2018/06/12(火) 08:34:30 ID:76585c029 返信

    もぐりさん
    それでは評価を確定しました。仰るようにITteの方が収益貢献するようになると面白いですね。株主総会ではそのあたりも聞けるといいてすね。
    議論ありがとうございました!