株価急落につき緊急評価です。(2011/7/29)
運を天に任せる。社名のとおり未来が読めない状況です。
プラットフォーム型ビジネスモデル
ゲーム機市場は典型的なプラットフォーム型のビジネスモデルであり、勝てば莫大な利益が入ってきますが、負ければ地獄となるビジネスです。任天堂はこの市場のクリエイターであり、FC→SFC→GB→GBA→DSという市場で勝ち続けて来て安定的に高収益を維持してきました。
同じプラットフォーム型のビジネスモデルで考えると、ヤフオクのようなテクノロジーの進化がほとんどない場合は次世代への入れ替え戦がなく、独り勝ちがほぼ永続的に続きますが、ゲーム機やCDなどテクノロジーをベースにしている市場では、数年ごとに入れ替え戦がおこり、勝ち負けが入れ替わる可能性が生まれてしまいます。また、その度に大きな投資が必要になるのが難点ではあります。
ゲーム機の市場環境はイマイチ
現在のゲーム機の市場環境はあまり良いとは言えません。
据え置き型市場では、PS3とWiiは悪い意味でがっちり競合していないため勝ち負けがハッキリせず、ズルズルと勝負が続いてしまっています。この傾向は次世代も続くと思います。
また携帯型市場では、音楽業界にとってのCDと同じ状況が始まっている点も見逃せません。わざわざDSを買わないでもiPhoneやAndroidがあれば、それなりのゲームが楽しめるため、ライトユーザー中心にネット購入で十分だという認識が広がりつつあります。こういった背景からパッケージソフト市場自体が縮小傾向にあります。
新しい市場をつくれる企業
でも、私は任天堂という会社が好きですし高く評価しています。それは、本当の意味で「創造」をすることが出来る会社だからです。ファミコンはもちろんですが、Wii,DSのような商品は普通の企業では絶対に作れません。普通の企業はチャレンジと恐れ、スペックを上げることしか思いつきません。XboxのあとにはXbox360、PS2のあとにはPS3しかつくれないのです。
また、任天堂のソフト作りの能力は間違いなく世界一の水準にあり、ハードは造らずソフトだけつくっていても高収益を維持できます。
市場環境はあまり明るくはありませんが、世界一のゲームソフト開発能力を使って新しい市場をつくれる可能性は十分あります。
(ちなみに私は3DSの未来にはあまり楽観していません。Wii Uはブレイクの可能性があると見ています。)
株価はPBR1に近づく
株価はついにPBR1に近づいてきており、手が届く水準になってきました。個人的にはPER1を切るなら買う気になります。
(2011年7月30日現在) 12,270円 PBR 1.22 PER 20.21
自分の平均購入単価 (購入していません)
任天堂という変わった名前の由来は「運を天に任せる」という意味だそうで、潔い姿勢の会社です。任天堂は今まさに運を天に任せるような岐路に立っており、新市場創造ができるかどうかは五分五分だと思います。
私は仮に新市場創造に失敗したしてもソフト屋に専念すれば間違いなく生き延びれると思っていますので、中期的な赤字はありえないと思っています。というわけで、現在のPBRを考え、お買い得度は 3.5です。