アベノミクス&日銀の異次元緩和で、円安・株高が続いています。
いち投資家としては喜ばしい状況ですが、一部の経済系ニュースで、財政規律の問題やハイパーインフレの引き金と行った話が出ていたり、安定感が取り柄の債券市場が乱高下するといった現象が起きています。これはどういうことなのかちょっとだけ整理しておきます。
日銀:市場から国債を大量購入するとは・・
日銀の異次元緩和策の中の一つに「毎月の国債大量買い入れ」があります。毎月7兆円分という凄まじい量の国債を市場から買い入れます。これでどういう影響があるのでしょうか。
以前、日本国債の破綻のきっかけは、金融機関のお金が尽きる時だという話をしましたが、その続きの話になります。参考:国の借金がこのまま増えるとどうなるか
現在、国債のほとんどは①金融機関等が購入・保有しています。①の原資はもちろん日本国民の預金・生命保険等です。「①>国債発行高」となっているうちは、国債は順調に購入されますが、既に1000兆円近く発行しており、もう数100兆円増えると、「①<国債発行高」となります。すると当然①は購入出来なくなり国債市場に異変が起こります。
①の次に購入者となるのは、②海外投資家か、③日本銀行しかいません。②の海外投資家は為替リスクを負いますので、今の金利で購入してくれるわけがありませんし、③の日本銀行が直接買うことは法律で禁止しています。(一般に③の直接引き受けは、財政破綻を意味し、インフレによる返済(お金を刷る)がスタートしたと理解されます。)
このため「①>国債発行高」の関係がいつ崩れるかが非常に重要な注目点だったのです。
しかし、今回の国債買い入れはあまりにも膨大で政府の国債年間発行高を上回ります。一応市場を通して購入するものの、このスキームが続くかぎり「①>国債発行高」という関係は永遠につづきます。しかし、それは別の見方をすれば③がスタートしたのだとも言えるのです。
このため
「どうせ、日銀が買い取ってくれるから安心して買っちゃえ」
「要するに財政破綻が始まったってことじゃないの?」
という2つの思いが錯綜し債券市場が乱高下しているのです。そして、このスキームによって現金は、日本政府を経由し、確実にばらまかれます。
お金はみんなが信頼するから価値が有るわけですが、①が破綻する前に、先に③を実行したらみんなは日本円を信頼し続けるのだろうか。そんな実験をしはじめたということです。この実験結果はそのうち明らかになりますが、現時点での予測は困難です。さてどうなることやら。
投資家としては未熟なんですが質問します。国債が破綻する(するかもしれないショック)が起こった場合、金(ゴールド)はどうなると思われますか?金利のつかない金に価値はないと言われたりしますがこれだけ世界中で金融緩和を継続している以上、通貨に対する信用は失われいずれ金が暴騰するタイミングが来るのではと思っているのですが。
日本では地震もありますし東北大震災の時、株は急落しましたが金は下がりませんでした。国債が暴落した場合、株や通貨が暴落すると思いますが金は下がらないのかなと思ってます。なのでヘッジもしくは資金の退避場所としての金はどう思われますか?