9/25に手間いらずの株主総会に行ってきました。僕の主力銘柄の一つで日本屈指の高収益企業です。分析記事はこちら。
手間いらずはやや情報公開が少ないため、株主総会での質疑を楽しみに参加しました。
参加者は30人程度。総会に加え、第2部で事業近況報告会がありました。
ツイッターでは株主総会のQ&Aを書きましたが、報告会でより具体的な質問が出ましたので記事にまとめておきます。
■質疑応答
注:メモをベースにまとめたので多少違う部分があるかもしれませんがその前提でご活用ください。
Q:株式分割は考えているか→流動性確保は課題の一つだと捉えている。適時対応していきたい。
Q:2018/10の「譲渡制限付株式報酬」の意図は→役員向けのインセンティブ。株主と同じ方向を向くもの。
Q:配当性向はもっと上げられるのでは→まだ小さな会社で、長期的な成長ステップでキャッシュが必要になることも考えうる。少しずつの改善と捉えてほしい。
Q:勤続年数が2年程度と短いが→経営課題と認識。好業績の人に報いるなども始めた。採用方針が未経験者中心なので辞める人も多い面もある。
Q:平均賃金425万円、やや低い水準ではないか。→先ほどと同様の回答になるが、人材の定着率は最大の経営課題だと認識している。
Q:M&Aの可能性はあるか→検討はしているが手間いらずに関連する企業は今のところ見当たらない。現在は主力事業の成長に注力するフェーズだと考えている
Q:配当性向はもっと上げられるのでは→まだ小さな会社で、長期的な成長ステップでキャッシュが必要なることも考えうる。少しずつの改善と捉えてほしい。
Q:自社株買いは考えられるか→実施すると流動性が上場基準に抵触する状況のため、現時点では行うことは考えていない。
(ここから事業近況報告会)
Q:現在の施設数と平均単価は?→数値は公表していないが4000施設程度と説明している。平均単価は2~3万円。
Q:スペースマーケットとの提携の状況は→スペースマーケットは、ホテル内のバーなどの施設空間の貸し出しなどのビジネスを行っていて、当社との連携を行うという話でスタートした。実際はニーズが小さいことがわかり提携の動きはほとんど止まっている。
Q:施設数の伸びは?市場規模はどう捉えているか。→施設数の伸びは先期は400件程度(+10%成長)。市場規模は楽天トラベルの登録数が33000施設でこれが市場規模の目安になると思う。ただしこの中でも小規模施設は対象になりづらい。
現在サイトコントローラーを使っている施設は12000~13000施設程度。最近は様々な宿泊プレイヤーの参入も多く、うまく取り込みたい。施設数は今後10年近い期間で倍にするぐらいのイメージ。
Q:現在の市場シェアは?→当社、楽天(ねっぱん)、リクルート(TL-リンカーン)が概ね同じぐらい。4000施設程度。
Q:解約率は?→施設タイプによって大きく違っていて正確な把握はできていない。大手の解約はほとんどないが、一方で小規模施設は廃業も多い上にシステム乗り換えのしやすさもあり一定程度解約が発生する。
Q:単価向上に向けた施策は?バージョンアップへの営業等は行っているか。→システムの機能向上は日々行っているが、既存顧客への営業活動はあまり行っていない。営業は新規開拓が中心。他社からひっくり返すのは非常に難しいサービスなので先に導入してもらうことが重要。
Q:他社からの乗り換えは多いのか→乗り換えは非常に少ない市場だと認識している。システムの再連携/カスタマイズなどに非常に手間がかかるのでお客さんが乗り換えたがらない。小規模施設だと一定程度乗り換えは発生しているが。
Q:施設数の伸びは1割程度だが、業績は2~3割のペースで成長しているがなぜか。→新規獲得の施設が大規模化していることと、バージョンアップ・オプション追加等によって平均単価が上がってきている。また旅行サイトとの連携に際して、旅行サイトから開発フィーをもらっており、こういったものも加わり現在の業績となっている。
Q:今期の計画が強気の印象がある。社長の手応え感を教えて欲しい。→お客様(宿泊施設)もオリンピックに向けて万全の体制で臨みたいと考えている。また商品自体もレベルの高い作品に仕上がりつつあり、商品競争力が強まっている。お客さんからの反応など手応えは感じている。
Q:ねっぱんが無料化から有料化(10000円以内)になったがその影響は?→ねっぱんはターゲットが小規模施設中心のこともあり、ほとんど影響を感じない。自社への乗り換えもほとんどない。
Q:ねっぱんはなぜ有料化に踏み切ったと思うか。見解があれば教えて欲しい。→サイトコントローラーはまず信頼性であり、継続的な開発サポートが必要。そのために有料化にしたのだと考えている。
Q:比較コムの売却等は考えていないのか→専任の開発者は既におらず、手間いらずと兼任で行っている状況。事業として黒字なので継続しているが、今後赤字になるようであればどうするか検討する必要はあると思う。
■感想など
株主総会では渡邉社長が開催通知資料の中身をそのまま読み上げていて不安になりましたが、説明会では多くのQ&Aに対し丁寧に答えていただき、慎重さが前面に出るタイプの方なのだと気づきました。
そんな渡邉社長が自社商品のことを「よい作品に仕上がってきた」という表現をされたのが印象的で、本当に競争力のある商品になってきたと自信を深めているのだろうと感じました。まだまだ儲かりそうな企業ですね。